【整理】高齢者の橈骨遠位端骨折

こんにちは、やまだです。

自分の頭の中を整理するためのものです。僕の経験や考えに基づいた個人的なものなので、読まれる方は予めご了承ください。

【テーマ】
高齢者の橈骨遠位端骨折まとめ

【内容】
・一連の流れ
・注意点

◆ 一連の流れまとめ
高齢者の橈骨遠位端骨折の一連の流れ

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① 初診 → 評価
② 処置 → 整復・固定、応急処置
③ 後療法 → 巻きかえ、骨癒合促進、機能改善
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↓深掘り↓


◇ 初診 → 評価
状態を評価しどんな対処をするのか決める為の準備

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1:視診
2:問診
3:触診
4:画像評価
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1:視診
待合での姿、入ってくる姿勢、顔色、患部の状態(腫れ、変形、皮膚の色など)を確認する

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高齢者の撓骨遠位端骨折のポイント
多くの場合、骨折部から手指まで広範囲に腫れが出る印象
→ 半日以上経過している場合は特に
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2:問診
ケガをしたときの状況、痛みの部位、気分が悪くないか、基礎疾患、頭を打ってないかなど確認

【ケガをした時の状況について】
転倒し受傷する場合が多いが、転倒した原因が結構重要
・コードや段差につまずいた
・なにもないところで躓いた
・気づいたら転んでいた
気を失って、気付いたら転んでたなんて事もあるので、転倒の原因はしっかり把握する
→ 骨折の治療どころの騒ぎではないかも


【基礎疾患等】
確認したい事は以下
・骨粗鬆症
・内服している薬
・認知症
・糖尿病

治療を遅らせる原因にもなるので重要


3:触診
圧痛をしっかり取る
→ 患部ばかりに目がいかないように
→ 他の部位も怪我をしている可能性もあり


4:画像評価
整復前、整復後をしっかり把握
→ 再転位の予防

巻き替えをする時の注意点なんかがわかる


☑︎ 処置をする前に念頭に入れておきたい事
高齢者の特徴を知っておく必要がある
→ 老化によるカラダの機能低下や生活環境など
→ 手をついて立ち上がる人多いですよね?

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筋力が低下していてカラダを自分で支えられない場合
→ 座面の低い椅子だと勢いよく座る
→ 椎体に圧縮ストレス
→ 容易に圧迫骨折
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誰か助けてくれる人がいるか、待合室や診察台などでの起居動作を観察し、どういった事が起こりそうかあらかじめ予想しておく事が重要

患部のことばかり考えすぎると、見落としがち
→ 不自由な人が固定してより不自由になることをまずは考える
→ 泣ける


◇ 処置 → 整復・固定、応急処置
整形外科 → 整復・固定
接骨院 → 応急処置

☑︎ 整形外科 → 整復・固定
レントゲンを確認し骨片転位に合わせた徒手整復を行う
→ レントゲンを見慣れる必要あり
→ 背屈転位が取れずらい
→ 個人的に苦手なだけ

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固定範囲:多くの場合は上腕中央からMP手前まで
→ 固定肢位に関してはいろんな考え方・方法があるので情報収集必須
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ギプスを巻く場合、腫れによる循環障害に注意
→ 特に受傷直後に来院された場合、その時腫れがなくてもその後腫れが強くなる場合がある

骨折部が安定するまでは手指の運動は禁止
→ とはいえ高齢者の場合、早期に手指の拘縮が起こる
→7日も経つと、かなり動きが制限される


☑︎ 接骨院 → 応急処置
痛みが軽減する肢位にて、シーネ固定を行い病院へ紹介

いろんな理由があり、接骨院での徒手整復はあまりしない方が良いのでは?と現在、個人的には考えている
→ してる人を否定する意図はない


◇ 後療法 → 巻きかえ、骨癒合促進、機能改善
後療法の切り替えポイント

・〜10日 → めちゃくちゃズレやすい。
・14日〜21日 → ひとつ目の山は越えた。拘縮に注意
・21日以降 → 機能障害を極力起こさないように...


☑︎ 〜10日 → めちゃくちゃズレやすい。
患部にストレスをかけたくない。

患部ストレスがかかる時
手指を動かす
物を持つ
手をつく
固定を外す

上記など
患者さんにはしっかり説明が必要
→ 必要であればご家族にもしっかり理解していただく

【理由】
痒いのを我慢してもらったり、家事をお休みしてもらう必要がある
なぜ?がわかっていても、実行してくれないかもしれないのが患者さん
→ 子供と違って「自分でやらなきゃ誰もやってくれない」という背景を理解する必要もある

こんな疑問がある
Q:ギプスを巻いていて患部がどうしても痒くて仕方がない時はどうしたらいいか?
A:ドライヤーの冷風で湿気取り。細い棒とかで掻くのはNG。

Q:ギプスがキツい場合はどうしたらいいか?
A:1本割を入れる。それでもダメなら2本入れて綿包帯をギプスの上から巻く。よくわからない場合は処置をした病院へ


Q:腫れが引いてギプスが緩くなってきた
A:早急に巻き直す。よくわからない場合は処置をした病院へ

この時期は腫れの管理などある為、1日おき又は異常を感じたらすぐに来院をしてもらうよう伝える

7日に近づくにつれて手指の拘縮が強くなる
→ セラピストの他動によるROMエクササイズを必要があれば行う
→ 軸圧をかけないよう注意

☑︎ 14日〜21日 → ひとつ目の山は越えた。拘縮に注意
油断はできないが、患部が安定してくる
→ 再転位という不安は徐々に減少

この時期に注意したいこと
・関節拘縮
・浮腫

拘縮という敵が現れ始める
→ 手指のROMエクササイズは必須(他動がメイン)

レントゲンの具合で10日〜14日くらいで、肘関節固定除去
→ 除去したら肘のROMエクササイズ

手指の浮腫に関して
→ 自動運動やマッサージ

☑︎ 21日以降 → 機能障害を極力起こさないように...
骨折部はかなり安定
→ ほとんどズレることはない
→ シャーレ or シーネに変更(固定肢位も必要であれば変更)

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この時期にズレる理由
ぶつける
転ぶ
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油断して患部にストレスが加わると流石にズレる
→ 最後まで気を抜かない

※ 浮腫も厄介
橈骨遠位端骨折後、浮腫がなかなか引かない場合もある
→ 温冷交代浴やキツめの手袋をはめて対処

※ 28日くらいで固定除去リハビリ
固定中にどれだけ可動域制限を予防できてるかでリハビリの期間が変化する
→ 患者さんへの説明として、固定期間の3〜5倍はかかると説明
→ 個人の感覚


※ リハビリでの注意点
皮膚の色が赤黒く腫れて、てかてか光り始めたら要注意
→ RSDの可能性あり
→ 痛みの出るリハビリはすぐにやめドクターへコンサル

骨片転位がどれくらい残っているかによって、残る機能障害は変わることをしっかり説明しておく必要あり


【まとめ】
高齢者の場合は骨折部が不安定な場合がほとんどなので注意が必要
必ずもっといい方法がある。自分の思考に自信を持ちつつ疑う事が重要

自分の頭の中を整理するためのものです。僕の経験や考えに基づいた個人的なものなので、読まれる方は予めご了承ください。

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