唇の秘密 その2
終わりは無限、始まりは一つ
前回、唇の働きに気づき、「全てを捨てられる」と書きました。
そんな事あるか!と思われたかもしれません。
自分でもまさか、こんな気持ちになるだなんて、と不思議です。
もともと、甲野先生に出会い、身体感覚という世界を知って、術理を探り出し、技を捨てる覚悟はできていました。
いや、むしろ、覚えてしまった技をどう忘れるかを求めるようになっていました(笑)。
身体感覚が広がるにつれ、技は必要なくなってきます。
もうだめだ、と絶望する状況であっても、その時、心に任せず、身体を頼りに観察を続けてみれば、必ず、どこかは動かせる事がわかります。
頭は早々と諦めますが、身体はまだ、大丈夫、と助けてくれます。
そして、気がつけばたくさんの術理を持つ事となりました。
イザとなれば身体が助けてくれる。これはいいんです。
ただ、普段、どの術理を使えばいいのか、これがちょっと迷います。
まぁ、自分の問題であれば、その日、その時、一番やりたいもの、主役にしたい身体に任せればいいのですが、それぞれの身体には得意不得意があります。自分の選択によって、失敗が生まれるのは避けたいところです。
術理は最後の砦
私がこれまで探ってきた身体の使い方は「最後の砦」のようなものでした。
困った事があっても、なんとかなる。それを教えてくれるものでした。
これはこれで楽しいのですが、困る事からは抜け出せません。
また、慣れないうちは、この困る事自体を楽しめません。
唇は始まり
これまでの術理に対して、唇は始まりです。
最後を考えて稽古をすれば、無数の術理が生まれてきます。
しかし、唇は始まりなのですから、「一つ」です。
種と言っていいかもしれません。
唇の緊張をとってみれば、その一つを「味わう」としてその後の出来事を受け止める事が出来そうです。
これまで得てきた技、術理は無駄になりません。
むしろ、無意識にあった緊張が取れて、術理や技もより気持ちよく生かせる事が出来そうです。
すでに技は持っている
実はすでに大抵の事は皆、出来ているのだと思います。
何かをしなくては生きてはいけない、というぎりぎりの人は今、少なくなっています。
むしろ、スマホもあり、ネットの力も得ていて、すべき事はもう、わかっている。しかし、それを行う中で出てくる様々な出来事に元気を少しずつ奪われて、自信を無くし、途中で歩くのをやめてしまう。そんなパターンが多いように思います。
「全てを味わう」、それを決めれば、これまで反射的に固めていた身体を作らずに、リラックスして、向き合う事が出来るようになりそうです。
仕事でも、プライベートでも、もうちょっと楽になればいいのに、そんな余裕が唇を緩ませることによって得られます。
大切なのは、「唇だけ」を考えるという事。唇だけを緩ませる事、浮かせる事を考える事。
唇以外のたくさんの身体の他の部位は唇を決めた後の工夫。
最初の一つをちゃんと決める。改めて伝えておきます。
唇は簡単
唇は簡単なんです。しかも使う唇は上唇だけ。そして、さらに、左右から真ん中へと向かう頂点を浮かすだけ。位置さえ感覚的に見つかればすぐに緊張が取れて、リラックスがやってきます。
簡単ではあるものの、誰も唇の効用を言わないので、扱いを知らないようです。
また、現代は「口角」が強すぎ。ついつい流行のニッコリ笑顔を作ってしまいがちです。
口角の強い笑顔は周りに対しての顔。上唇を浮かせた顔は内省しやすい顔。そんな見方も出来そうです。
とにかく、適当に、思いついた事を書いていきますので、気楽にお付き合いください。
↓この唇、理想的。
【つくば稽古予定】参加受付中
12/4(日) つくば稽古
つくば稽古では、「唇の秘密」について、詳しくお伝えしたい思います。
基本もなければ、覚えなくてはいけない技もない。ペアを組んで号令に合わせて行う練習もありません。気楽に、興味本位でご参加ください。
詳しくはウェブサイトでご確認ください。
申込、詳細はこちらのページから
【甲野善紀先生】浜松稽古参加受付中
11/26(土) 甲野善紀先生浜松稽古
先生の稽古は受講の仕方が自由です。
見るだけ、聞くだけでも大丈夫。もちろん、しっかり、手を合わせて感覚を探る事も出来ます。
武術だから、と敷居が高いと思われる人もいるかもしれませんが、大丈夫です。
私は先生にお会いして人生がガラリと変わりました。こんな生き方があるのを知らなかったのです。その生き方とは「身体に従い生きる」という生き方。便利になりすぎて、皆すっかり忘れてしまっています。
一生に一度は甲野先生の稽古を・・・、そんな気持ちです。
詳しくはウェブサイトでご確認ください。
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