好き嫌いの身体感覚

私の知識はいい加減です。
しっかりと学び、自信をもって、こう!と言えるものは何一つありません。
こう書けば、なんと可哀そうな人だ、と思われるかもしれませんが、この自信のなさがあったからこそ、身体へと頼る事が出来ました。
これは性格だったのだと思いますが、本当に幸運な事です。おかげで脳の呪縛から逃げ出すきっかけを得られました。

身体を探索するようになり、性格とは身体が生み出すもの、と思うようになっていきました。
筋肉を見つけ、そこにはねじれがあり、上手くつながれば線になる事がわかります。
線を見つけたなら、その線は前後左右上下の各方向へと向かっているのがわかります。この世は3次元ですからね、当然の事です。
そして、もう一つ、身体の内側と、身体の外側という二つの世界が混ざっている事もわかりました。

ちょうどこの時、野口整体の本を読む機会があり、そこでざっくりとした知識を得ました。
野口整体については詳しい人が山ほどいますので、興味が出たならさっそく他を調べてくれたらいいと思います。私が興味を持ったのは、入り口の入り口、体癖という身体的な人間の分類法でした。

体癖には12種類あるそうです。
上下型、左右型、ねじれ型、開閉型、前後型、遅速型だったと思います。
それぞれの方向に身体が向かおうとしているとの事です。
何となく、ふーん、と得た知識でしたが、身体感覚の稽古を進めていくと、次々と、この身体にその体癖の実感を得られるようになっていきます。
これはなんと凄い情報だ!と興奮をしました。

人それぞれ強く持っている型があり、それが性格をつくるとの事でしたが、その元となるのは腰椎であり、腰椎は誰もが皆、持っているものです。
身体を意識してスイッチを切り替えれば、それぞれの性格らしい動きをこの身に表現する事が出来るようになるようです。
おそらく、上手と言われる役者はそんな風に自分を変えているのでしょう。うまく身体感覚を抑えれば、下地としては誰もが真っ白でいられそうです。

本を読んだ上での知識で自分の身体を探ってみたなら私の身体は「左右型」です。しかも、かなり強く、それが出ています。
その左右型の特徴は「好き嫌い」が強い事。我が強く、わがままな力をこの身には宿していたようです。
ただ、私はいつの頃からか、自分の好き嫌いが分からなくなっていました。
それが自分自身に自信を持てなくなった原因だったのだ、とやっと、わかってきました。

そのきっかけになった事を書いてみます。
先日、あぁ、この世は退屈なのだ、と思ったのです。自分でもこの言葉はネガティブなものだと思います。こんな言葉を外に出してはいけない、私の無意識はずっと、抑えていた事に気づいたのです。
目の前に広がる綺麗で豊かな画一的な世界を退屈だ、と私の心は思ってしまいました。
そして同時にそんな事を思っても、考えても、もちろん、言葉にして誰かに聞かれてもいけない、とも感じたのです。
この違和感がきっかけで、自分が住む心の世界が見えてきました。

私は好き嫌いの激しい性格だったのです。
ただ、それを表に出す事なく、生きてきました。
これは嫌い、気にくわない、と言えば、大抵はそこに衝突を生みます。
臆病者である私はその衝突も怖れました。
身体は丈夫であり、武の技も持っていて、戦ったなら爪痕ぐらいは残せるだろうとは思います。しかし、ほんのちょっとの衝突すら私は避けました。
いつの間にか、嫌な事、嫌いな事と出会っても、逃げられるならそこから逃げる、という選択をするようになります。
しかし、身体はその場から逃げられても、心にはその嫌な事がずっと住みつき、また、逃げてしまった、という負い目も背負う事になります。

その違和感を身体がぐっと我慢をしてくれたのでしょう。
踏ん張る事で何とか生きていく、という選択をして、結果として、我慢する事が多くなります。
その我慢が積み重なって、重くて、固くて、鈍い身体が出来上がりましたが、それは稽古材料となり、結果的に私の人生においてはこれまでの負い目も必要なものだったと、わかり心は穏やかになっています。

ただ、いつまでも、身体に負荷をかけ続けるのも嫌なものです。
今、自分の心に生まれる嫌という気持ちを見つけられるようになりました。
この嫌という気持ちをどう扱うのか、それが心の世界を探るきっかけになりそうだ、と感じています。

身体感覚マンション理論で身体から精神の世界を分けられたこともこの気持ちに気づく原因だったのは確かです。
1階から3階の肉体部分は確かに存在しているものですが、4階から上は精神的な世界。なかなか手掛かりが見つかりません。
その世界を探るきっかけが「好き嫌い」という感覚になりそうです。

私の心のベースである好き嫌いが分かりそうだ、というだけで私の心は楽しくなります。新しい未来が出来上がった予感があります。
これも「癒し」です。
現実的には何も変わっていない。でも、心は楽しくなれるのです。
こんな経験をしたなら、現実をどうしても変えられない時にも、考え方ひとつで心は変わる、とわかります。
もしかしたらこの先の時代では、現実を変える力よりも、心自体を変えていく力の方が有効かもしれません。

ちょっと、まとまらず書き散らかしてしまいました。いつもの事ですが、また、勢いに任せて言葉にして、それで頭の中をまとめていきたいと思います。

関東稽古があります。よろしければご参加ください。

「つくば稽古」

稽古日時:2024/10/6(日)13:00-20:00(入退室自由)
会場:つくばカピオ リフレッシュルーム
住所:茨城県つくば市竹園1-10-1 ←クリックでマップが開きます。
参加費:10000円

「東京ロングヒーリング」

稽古日時:2024/10/8(火)10:00-17:00
会場:大岡山西住区センター
住所:目黒区平町一丁目15番12号
参加費:参加費24000円(当日払い)
定員6名

「東京夜稽古」

稽古日時:2024/10/8(火)18:00-21:00
会場:大岡山西住区センター
住所:目黒区平町一丁目15番12号
参加費:参加費10000円(当日払い)
定員はありません
同日10-17時にある「東京ロングヒーリング」に参加の方は5000円


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