天動説と地動説 その6

ピラミッド型、逆三角形型

逆三角形のスタイルを求めたい気持ちはわかります。私にだってあります(笑)。
ただ、胴長短足の日本人にはちょっと難しい事です。継続的なトレーニングがあって、やっと、手に入るもの。努力に才能がない私は早々と脱落をしました(笑)。

胴長短足の身体。それはピラミッドのような形です。相撲取りならあんこ型へとなりやすい形。重心が下へと降り、安定感があります。
逆三角形、というとつい、背中を考えてしまいますが、もしかしたら、「胴体がない、気にしない」形なのかな、と思うようになりました。

胴体を気にしない、というのであればどんな胴であっても、いくら腹が丸くなろうが、捨てればいいだけ、私にも出来そうです(笑)。頭と首、そして腕を伸ばした人の形。腹や腰は忘れてみれば、「意識的には逆三角形」になります。

ちょうど、水引の力を借りて、表情の働きを意識的に研究していたこともあり、首から下のしっかりとした身体は必要なくなっていた事も逆三角形へのきっかけになったかもしれません。

回転を考える

胴が主役になる時、どうしても背骨と腹が力を発揮します。ついつい、自分の真ん中に基準が出来てしまいます。これが天動説の動きを作ってしまった原因です。

手を伸ばし逆三角形を作れば身体はふらふら、左右へと揺れだします。その揺れを止める正中線もなければ、丹田もありません。
この不安定な揺れが、中心を探したのでしょう。私の場合は左手の指先に中心が見つかりました。
左手の指先を太陽の位置と決めれば、自然と身体は「回り始めます」。左右の揺れはなくなり、前か後ろ、どちらかに身体は流れ始めます。

丸い動きと直線は同じもの

踊りであれば丸くくるくる回っても絵になります。
しかし、武術として、目の前に敵を見た時、その敵から目を外して回りだすのは困難です。
もちろん、その困難を自覚して、あえて周り、相手を翻弄する、という作戦も立てれますが、それでも、「敵」というのは目を離せないからこそ、敵であり、格下の相手になら回れるけれども・・・というのであれば役に立ちません。

地動説の動きは回転の動き。その回転の源は重力、常に重力が働きます。どれだけ怖かろうが、重力によって身体は流れ落ちる、それがわかるから、恐怖に身体が止まる、という事がなくなります。

この時、目の前の相手との間に生まれる間合い、それが自然と曲線を描きます。目はついつい、まっすぐに向き、左右の目で焦点を合わせます。
しかし、握られた手、動かしたい腕などは触覚の領域、重力を得ているのがわかれば、自然と回るように、曲線を描いて動き出します。

この辺りは言葉だけでは難しいのです。説明が下手ですみません。
太陽系の形を思い出してくれたら、そこに直線はありません。常に太陽を中心に公転し、その軌道は曲線です。

ただ、その公転軌道が大きくなったらどうでしょう。全体では重力に従い流れ落ちる動きは円を描きます。(私の場合は左手の指先を中心に回りました。)
しかし、大きな円の一部として、相手との間のほんの数十センチを詰めるのであれば、意識的には曲線であっても、見かけ的には直線とほぼ変わらないものとなります。

ただ、それを抑えている相手はそこに「ズレ」を感じてしまい、迷いを生むみたいです。見ている動きと、振れている身体、小さなズレであっても、人はバランスを崩します。小さなズレが付け入るスキを作ります。

飛行機遊び

武術として全力でぶつかり合う動きを外し、相手を崩す。多くの人はこの衝突に慣れておらず、とてつもなく「難しいもの」と考えます。また、武道、格闘技を努力して訓練を重ねていれば衝突した時の難しさもわかり、余計に複雑に考えます。

今、こうして言葉にしてみてわかりましたが、本当に伝えづらい(笑)。実は、では映像で、とも行きません。むしろ、映像になると、普通過ぎる動きにまた、わからなくなります。
触覚を通してこまかく、変化を言葉に出来ればいいのですが、ネットの世界はまだ、そこまで来ていません。

私が追っているものは「簡単」なものが多いです。努力して覚えるものではなく、身体にすでに備わっているものが好きです。
この地動説の動きも「簡単」なもの、だと考えています。

三角形のピラミッドは重く、動きにくいものです。まずは頭と両手を伸ばした胸で出来上がる逆三角形の形で探りました。
両手を開いた形は「翼」のよう。この翼が風を切り、飛ぶ。そんなイメージです。
普段、この足には無意識に力が入っています。武術のように衝突をした時には特に、踏ん張りが出てしまうピラミッド型だからです。
意識的に手を伸ばし、逆三角形を作る事で翼を広げた飛行機のような形になり、空を飛ぶ気持ちも出てくるのが分かるかもしれません。

そして、この飛行機はエンジンがつかない風をきるグライダーのようなもの。足は翼に引かれて動くだけ。踏ん張りがありません。
翼を左右、ほんの少し上下に傾ければ、私という飛行機が弧を描き飛びまわる「感じ」が出てきませんか?

出てきませんか?と問いましたが、きっと、出ません(笑)。なぜなら、みんな、いい歳だから・・・。
とは言え、私は地動説の動きを意識した時、この身体が飛行機のようにふわりと浮き、風を切り、弧を描くのを感じます。これがまた、気持ちがいいのです。

こんな事ばかりをしているので、「一人稽古」でないとだめなのです(笑)。
皆で、飛行機になって~、なんて練習、考えただけでも恐ろしい・・・。しかし、それがやれなければ、いつまでも、地面に気持ちを吸い取られたままです。

こっそり、こっそり、試してみてください。
腕を伸ばして、飛行機ブーン、と飛んでみるだけで、きっと、いつもの気持ちから切り離されるはず。気分転換ばっちりです(笑)。

今日はグダグダでした。こんな日もあります(笑)。
まぁ、しっかり書けたな、と自己満足をしても結局わからず、伝わらない稽古録ですから、テキトーに読み飛ばして、気になったところを遠慮なく、稽古で聞いてくださいm(__)m。

【稽古予定】参加受付中
3/13(日)つくば稽古会
3/26(土)甲野先生の浜松稽古会
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2/18(金) 名古屋熱田
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2/25(金) 名古屋東山
2/26(土) 浜松

2月の「大垣」はお休みです。
詳細はウェブサイトで。
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