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一月四日の日記

いよいよ初出勤、今まで何度も初出勤の日を迎えてきた。
その度に何度も本当に今日初出勤なんだな?いや、初出勤という幻想に包まれているだけじゃないのか?この世に本来初出勤なんてもんはないんじゃないのか?とマジで世迷言に翻弄され、そのまま寝てちゃダメかしら?の境地に達してきた。
でも初出勤してきた。
初出勤をボイコットするような胆力もなく、はたまた初出勤を吹き飛ばす様なドラマチックな出来事も起きなかったからだ。
本当は僕だって夢みるように眠りたい。
でももともと夢をみる体質でも性格でもなく、小学生の時点でなんならちょっと死んじゃいてーくらいに思っていた。
でも、まだ生きてる。

新しい職場の初日なんて大抵ほとんど役に立たなくて終わる。
例に漏れず僕も全く役に立たず、基本的には置物と化した。
それでも優しく接してくださる先輩方に心苦しく、ここ何年かで一番頑張って掃除をした。
むしろ生産的な事は掃除くらいしかなかったので、構造がよく分からない加湿器をびちょびちょになりながら掃除した。
が、そのすぐ後に他の先輩が普通にまた掃除していた。
掃除、しましたよ
その一言が切り出せないままそれを眺めた。
かくして僕の初出勤は終わりを告げた。
無駄に後半忙しく30分ほどサービス残業を経て帰宅した。

久しぶりに乗る遅い時間の電車、松屋で食べるご飯、駅前で揺れ続ける視点の定まらないおじさん、全てが何か懐かしい感じがした。
明日も多分行くだろう。
仕事への不安は尽きないがなんとも形容しづらい楽しさはある様な気がする。

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