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からだとことばのレッスン

少し前に、劇団のことを書きました。
https://note.com/karacoco/n/ndc828d16dbe7

私の演劇とのかかわりは、高校時代の文化祭で、劇のオーディションを受けて参加したことから始まっています。
大学時代は、他大学の心理劇のサークルに入ったり、演じること、表現することとのかかわりは断続的に続いていました。

そんな劇とのかかわりの中で、20数年前「からだとことばのレッスン」に
2年ほど参加しました。

当時私は7年勤めた心理のパートの仕事を辞め、フルタイムの福祉の仕事に変わったばかりでした。自分の探求はずっと続いていましたが、心理の方からでなく、からだからアプローチしてみたらどうだろう? そう思って、2日間のワークショップに参加。

「からだとことばのレッスン」は演出家の竹内敏晴氏が始めたもので、ワークショップ講師の伊藤先生は以前竹内氏と一緒にレッスンをしていた方です。

「からだ」と「ことば」のレッスン | 現代新書 | 講談社
https://gendai.ismedia.jp/list/books/gendai-shinsho/9784061490277

ワークショップのあと、希望者にはフォローアップのレッスンが行われました。
最後に児童館で上演したのが、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」
その打ち上げの時に、先生が「Tomoさんは、もうちょっとやるとよくなるんだけどな。」とつぶやいたのがきっかけで、先生の演技教室に通うことに。

演技教室は1期が3か月で、参加者は社会人、学生、役者を志している人など幅広い方々がいました。
まず、野口体操で体ほぐしをします。野口体操は、野口三千三氏が考案されたもので、演技教室では、この体操を通して自分のからだに気づき、頭ではなくからだから動けることを目指します。
また、言葉はなしで、あるいは言葉で人に触れていく、人と出会うレッスンなど色々なレッスンをします。
そして、一つ台本が決まって、期の最後に公演をします。

公演に向けての稽古では、先生が「稽古をつける」というより、その人の課題を捉えてそれに向き合い、越えていく機会を与える、といった様相。
他の人が見ていようが、そんなことは気にしていられません。
OKが出ないところは、何回も何回もからだから言葉を発します。
自分でも、ちゃんと言えた時はわかります。
先生が求めていることが無理なことに思えて、抗議の手紙を書いたこともありました。
壁を感じながらも、できる限りのことをやっていく、それには一緒に作り上げている仲間の存在も大きかったです。

公演には、知人に観に来てもらいます。この3か月の奮闘の顛末に立ち会ってもらうのです。
私は幕が上がる前の緊張が好きです。稽古でのあれやこれやはもうよし。
これから始まることに想いを馳せつつ、今ここに立っている。
この瞬間を味わいたくて、私は今も演劇をしているのかもしれません。