リハ職は各職能団体に属するべき?2万円は高い?安い?

リハマネジャーの皆さんこんにちは。

そろそろ各種職能団体や学会会員の方には来年度の会費引き落としのお知らせの書類が届く頃ですね。

PT協会の場合毎年約2万円

送別会や新年会シーズンにも関わらず各学会からも請求が届いて、春になってもお財布が寒い・・・

と言うのは医療者あるある 笑

ところで2万円が何に使われているのでしょう?

2万円は高いんでしょうか?安いんでしょうか?

今日とても面白い記事を見つけたのでシェアします。

友人の記事で炎上していました(C-②あたりで)。

競争社会を作る【半田一登先生】
https://1post.jp/3952

日本理学療法士協会会長半田一登氏のインタビュー記事10回特集なのですが、
簡単に全体をまとめてみました(私見が入りますので詳細は元記事をご覧ください)。

A:理学療法業界の現状

①理学療法の過去
 昭和46年当初"理学療法士”の試験難易度は高く医師とコメディカルの間に立ってマネジメントする立ち位置を期待される希少な職種だった。
 リハビリテーション医療は第三の医療として始まったが従来の診療報酬制度の中に埋め込まれたことで発症〜在宅復帰までの連続したリハビリテーションの良さが薄れてしまった。

②「リハビリ」と理学療法は別物
 リハビリテーションの一部に理学療法がある一方で理学療法の一部にリハビリテーションがある。WCPTでは理学療法の定義は6つ(ヘルスケア・プリベンション・トリートメント・インターベーション・ハビリテーション・リハビリテーション)

③量から質への転換による淘汰
 求められるものが量から質(単位指数から実績指数)に転換されている。オムツ交換やトイレ・朝食を介助することで単位申請をするような施設はこれから淘汰されていく。

B:理学療法の開業と生き残り戦略

①理学療法士に開業権は必要か
開業権がある柔整・鍼灸・あん摩マッサージ指圧師は”医療類似行為”。理学療法士は”医療従事者”と線引きがあることで医療機関の中でのポジションが守られている。お互いが相手の芝生が青いことを羨ましがっている。

②病院がイヤなら"起業”すれば良い
 視野を広げて顧客のニーズの本質をついたサービスを提供すれば運営は可能。

③理学療法士として”空白地帯”に行く
 理学療法のライセンスにもう希少価値はない。
 希少価値を高めるために独自の道を探れ。
 認定/専門PT・大学院・言語・起業など。
 リスクを負わずに安全な場所から「開業権を認めて欲しい」と言うな。
 予防理学療法なんて言葉はなかったが、職域を広げるためにも批判は関係なく使い続けたことで認知されるようになった。

④胸を張って理学療法士を名乗ろう
 「リハビリしましょう」ではなく「理学療法をしましょう」と全会員が1日10人の患者に伝えれば、1日110万人の国民に理学療法が浸透していき、それが業界の力になる。

C:半田氏の主張とチャレンジ

①全校4年制大学化
3年制カリキュラムには国民皆保険/社会保障保険料を安くするために、単価の安い専門職を作る意図も働いている。
世界共通である学歴による社会的地位の向上を図りたい。

②保険制度改革
介護士不足や低賃金などの問題は保険制度自体の構造的問題もありリハビリテーション業界も関係している。養成校大学化だけではなく、保険制度全体での見直しが必要
専門/認定セラピストの有無によって診療報酬の差別化も交渉している。

③政治力により”戦える集団”を作る
保険制度の中で理学療法の業界を守るためにも攻めるためにも、政治力が必要。

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私たちの現場とは別のところで、業界のために日々戦っている方がいることも含めて"2万円”の価値を考える必要があると感じます。

また理学療法業界だけでなく作業療法士・言語聴覚士が専門職種としてどう生き残っていくかを考える上でも大事な示唆が潜んでいます。

リハマネジャーとして現場を見るだけでなく、広い視野・業界としての方向性を知って自分の意見を発信したり議論したり、そして行動したりすることが、業界全体の成長に繋がっていくのではないでしょうか。

皆さんはどのように感じますか?