松雪泰子さんについて考える(20)『エアガール』

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*松雪泰子さんについて考える(51)「歌は語れ、セリフは歌え」*

松雪さん出演シーンの充実度:7点(/10点)
作品の面白さ:?点(/10点)
制作年:2021年
視聴方法:U-NEXT
 
※以下、多少のネタバレを含みますが、決定的なオチや展開には触れないようしております。
 
戦後の混乱期に航空会社ができるまで、そして戦後初のCAとなる女性・小鞠(広瀬すず)の成長を描いた、テレビ朝日制作の単発スペシャルドラマ。
 
松雪さんは、小鞠の叔母・佐野 千代役。料亭を営んでいて、小鞠もそこで働いている。
 
本作での松雪さんの最大の特徴は、声。
低くて、芯のある声色。
 
出色だったのは、前半に出てくる、小鞠(広瀬)を叱責するシーン。鉛のような重さを感じさせる、今までにない声。本当に松雪さんの声かと耳を疑った。発声法も含めて、高畑淳子さんの声に似ているような。
 
このシーン以外では、小鞠(広瀬)を温かく見守る母親のような、温かみのある声だが、低めの声であることは一貫している。戦前・戦中の惨禍をくぐりぬけた、強い女性という役柄を反映しているのだと思う。
 
作品そのものは、ドラマというより、史実を追ったノンフィクションの再現VTRに近い気がする。そのため、作品としての面白さについては何とも言えない気がして、「?」点とした。
 
松雪さんのファンならば、本作でしか聴けない声だけでも実際に確認してみて欲しい。

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