松雪泰子さんについて考える(33)『パーフェクト・リポート』

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松雪さん出演シーンの充実度:3点(/10点)
作品の面白さ:?点(/10点)
制作年:2010年(フジテレビ)
視聴方法:FOD
 
※以下、多少のネタバレを含みますが、決定的なオチや結末には触れないようしております。

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<おことわり>
個人的に本作は好きになれませんでしたが、その感想を正直に書いています。この作品のことが好きな方にとっては、気分を害してしまう内容になっていると思いますので、お読みにならないでください。

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日テレ系列『Mother』と同じ2010年、フジテレビ系列で放送された松雪さん主演ドラマ。テレビ局の報道局に付属する窓際部署の群像劇。
 
感想はただ一言。松雪さんが演じたキャラクターが意味不明なため、観るのが辛い。色んなキャラ設定が重なりすぎているせいで、訳が分からない仕上がりになっている。二重人格どころか五重人格くらいの印象を受けるので、「この人こんな性格なのにこんなことする(言う)の?」ということの連続。
 
大まかに言えば、「美人なのに無神経・がさつ・破天荒」というギャップを魅力的に描いて、カッコいい女性に仕上げたかったのだと思われるが、ただただ非常識で変な人に終始してしまっている。そんな感じなので、松雪さんの演技も正直言ってぎこちない。
 
観ていて違和感を感じ始めた第1話の後半から、最終回まで基本的に早送りの流し見で済ませた。ところどころ真面目に観たりしたが、やっぱりしっくりこない。そのため、ちゃんと観たわけではないという遠慮を込めて「作品の面白さ:?点(/10点)」としたが、少なくともおすすめはできない。
 
せっかくの主演ドラマがこれでは、本当にもったいない。この2010年のように連ドラを1年で2本も主演するなんてことは珍しく、よほど人気がある20代のアイドルや俳優でない限り、何年かに一本主演作があるか無いかだろう。そんな貴重な主演作がこんな感じだと…。
 
つくづく俳優はリスクのある仕事だし、自分ひとりの努力でどうにかなるわけではない難しい職業だと思う。どれだけ金と時間と労力をかけた話題性ある作品でも、放送・公開されてからでないとアタリ/ハズレが分からない。はっきり言ってギャンブルだ。俳優にとって出演作がビジネス的にも芸術的にも大成功することは、きっと5年に1本くらいではないだろうか。俳優と同じくらい、制作に携わる人たちの苦労にも頭が下がる。
 
そんな頭が下がる思いとは矛盾するが、やはりこの作品はおすすめできない。早送りなので断言できないが、松雪さん出演シーンとしての見所も薄い気がする。

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