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『からこといのち通信 №28』10月号(人間と演劇研究所 瀬戸嶋 充 ばん)2022/9/30 発行

『からこといのち通信 №28』10月号(人間と演劇研究所 瀬戸嶋 充 ばん)2022/9/30 発行

地続きの発想

詩人の女性とZOOMの体操でお目にかかった。

「からだ」を固めての再会。

自分の「からだ」を開いていると仕事にならない。
会社で色々な人から、いろいろなことを受け止めてしまうので、「からだ」を固めて受け取らないようにしている。
仕事の話題は、自分を傷つける。

ところが、自分を緊張で閉ざしてしまうと、詩が書けない。原稿の締め切り過ぎても、詩が出てこない。

開いたり閉じたりを器用にできない。出来るものでは無い。
感覚を開いていれば、さまざまなことへの感受性が働き、詩が書ける。

開くことと閉じること、非日常と日常といってよいだろう。

これが地続きになる。合宿でレッスンを受けた人が言っていた。一回目の合宿では、自分を開くことが苦労であったが、2回目の今回は、ここでの表現と日常の表現が、一続きになっている。舞台で様々な役を自分が生きることと、日常的に家庭や仕事場での自分が、一続きになって分離していない。

彼女は、賢治作品をナレーターとして語りながら、登場者を一人で身内に受けて、ある時は一郎、ある時は馬車別当、ある時は山猫と、いろいろな役を生きて語る。もちろん地の文に登場する草木たちも。舞台でその役を生きる演技者と、彼女とは同じ呼吸として、一体となって生きている。

彼女が、今回の合宿では日常と非日常が一続きであったと、言ってくれた。

日常と非日常は、分かれるものではない。
これが、新たな発見であった。

私自身にも、ここしばらくの間に、同じような発見があった。
虎になって吠えるとき、今までは少々無理をしてでも声を出していた。
それが今回の合宿から出来なくなった。
「からだ」から力が抜け、「からだ」が空っぽになったとき、虎のようにカッと開いた顎やマスクを通って、虎の声が響きだす。
自由である。何者にも縛られず、ただ虎の声が出る。自分が虎かどうかも忘れて、虎として生きて吠える。

ここに立った時、私は私の声を生きている。

神戸のWSでの出来事もソウダ。
「黒曜石」の声である。その声を使えることが、非日常と日常を結ぶ、一つの声。

本当の声を捕まえるとは、非日常と日常を一つの声で結ぶのだ。

最初に話した詩人の人に、こんな声をご自身も捕まえてはと、お話しした。

瀬戸嶋 充 ばん

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【1】 「黒曜石」の声のこと
【2】 あまねとばんの交換日記 (お休みです)
【3】 レッスンのご案内
【4】 あとがき
【5】 バックナンバー( ばん|note )

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【1】「黒曜石」の声のこと

低い声である。
黒い声である。
世に流行る、可愛く甘く煌びやかな声ではない。
くすんでしわがれた声でもない。
女性としては珍しい。
暗くそれでいて艶やかに響く。
力強さを耳にしたら、男性の声かと勘違いをしてしまいそうだ。
その声で話しかけられたら、思わず振返って相手の顔を確かめるような。
私は「黒曜石」の声と名付けた。
真っ暗で艶やかな声の中で、確かに響きだす言葉がある。

この声に出会うまで6年かかった。
私のレッスンというのは、行き当たりばったりで、手順というのが無い。
その分、一歩深みへと入っていけるのだが、現代の効率主義には似合わない。
レッスンをやる私もだが、それを受け取る側も良く関わって来てくれたものである。
なんだか知らないけれど、6年も続けてきた。
通り過ぎた人たちの数を考えれば、奇跡である。

ともかく低い声だ。「からだ」を追い詰めて、これで良しとは言えないほどに声を低くしていく。
地面とからだが足の裏で繋がり一つになって響いているような声。
これが彼女の本来の声であろう。
日常の地平と、非日常の地平を、一つに結ぶ声である。
本来の声だから、声とそれを発する自分、という分離が無い。

声と心が一つになって、表現を楽しむ。声はひらかれ自由に舞い踊る。
声がひらかれれば、心も開かれる。
心と声は一つになって生きることになる。

瀬戸嶋 充 ばん

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【2】あまねとばんの交換日記

今月は、お休みします。

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【3】 レッスンのご案内

● 無料体験会のお知らせ
レッスン体験会を開きます。
https://ningen-engeki.jimdo.com/%E7%84%A1%E6%96%99%E4%BD%93%E9%A8%93%E4%BC%9A/

● 伊豆川奈 秋の合宿
『 からだとことばといのちのレッスン 』
2022年10月8日(土)~10日(月)
https://ningen-engeki.jimdo.com/2022%E5%B9%B4%E7%A7%8B-%E4%BC%8A%E8%B1%86%E5%B7%9D%E5%A5%88%E5%90%88%E5%AE%BF-10-8-10-10/

● 神戸市東灘区 ゆらゆらワークの会主催WS
『「からだ」から始まるコミュニケーション入門 』
2022年11月5日(土)~6日(日)
https://ningen-engeki.jimdo.com/2022%E5%B9%B4%E7%A5%9E%E6%88%B8%E3%82%86%E3%82%89%E3%82%86%E3%82%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%81%AE%E4%BC%9A-11-5-11-6/

● 名古屋ワンディ
『 からだと出会う・声と出会う 』
2022年12月9日(金)・10日(土)
詳細は準備中です。後日、ホームページでご案内します。

● 琵琶湖和邇浜冬の合宿
『 からだとことばといのちのレッスン 』
2023年1月7日(金)~9日(日)
詳細は準備中です。後日、ホームページでご案内します。

● ワークショップ・合宿などのイベントのご案内は Facebookページ https://www.facebook.com/SensibilityMovement に「いいね!」して頂ければ、詳細が出来次第、FB通知でご案内します。

● オンライン・レッスン『野口体操を楽しむ』のご案内は、
https://ningen-engeki.jimdo.com/%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E6%95%99%E5%AE%A4/

● オンライン・プライベート・セッション開始
http://karadazerohonpo.blog11.fc2.com/blog-entry-370.html

●「出会いのレッスン☆ラジオ」https://www.youtube.com/playlist?list=PLnDMDlLE0m1LaDrvijAQA8RwzaiNAAdpZ
番組表は、https://ningen-engeki.jimdo.com/

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【4】 あとがき

● ワークショップ参加者のコメントが分かりやすいですね。以下。

またまた、ボディワーク&劇を行う怪しい合宿行ってきた!超楽しかった!合宿はこんな人にオススメ✨
🍀声を楽に出したい
🍀自分の本当の声を知りたい
🍀ボディワークに興味がある
🍀体を緩めたい
🍀自分の殻を破りたい
🍀変わった友達が欲しい
🍀進化したい
次回の合宿は伊東にて10/8-10にあるみたいよー!

皆さま、ワークショップでお目にかかりましょう。
参加をお待ちしています。

● 糖尿病、治りました。検査の数値が平常に収まりました。
ご心配おかけした皆さま、ありがとうございました。
(瀬戸嶋 充 ばん)

● レッスンに参加したいけれど、どうも内容の説明が分かりづらい。との問い合わせを受けました。レッスンの資料をホームページにまとめてみました。ご覧ください。
https://ningen-engeki.jimdo.com/%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B9%E3%83%B3%E3%81%A8%EF%BD%97%EF%BD%93%E3%81%AE%E6%84%9F%E6%83%B3%E3%81%A8%E5%8B%95%E7%94%BB/

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● 私、瀬戸嶋 並びに 人間と演劇研究所『からだとことばといのちのレッスン教室』の 活動と情報は、ホームページで告知しています。
レッスンへ参加頂く際は、ホームページをご確認ください。
https://ningen-engeki.jimdo.com/

● 問合せ・申し込みは、メール karadazerohonpo@gmail.com 又は 電話 090-9019-7547 へご連絡ください。

人間と演劇研究所代表 瀬戸嶋 充 ばん

『からこといのち通信 №28』10月号 2022/9/30 発行

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