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『からこといのち通信 №30』12月号(人間と演劇研究所 瀬戸嶋 充 ばん)2022/11/30 発行

『からこといのち通信 №30』12月号(人間と演劇研究所 瀬戸嶋 充 ばん)2022/11/30 発行

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ーー『東京レッスン』12/3 再会ですーー
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自分とは何か。

自分の声を録音して聞いてみる。
これは自分の声では無いという。
それではどれが自分の声だと問えば、自分がしゃっべっている声だと答える。
どうやら、録音機がオカシイらしい。

そんなことは無い。
ちょっと専門的になるが、骨導あるいは骨伝導という。
自分の喋った声の振動が、骨を伝わって直接に鼓膜に届く。
空気を介さずに直接に響くので、雑音を立てることなく、小さな声でも、明快な声・言葉となって自分には聞こえる。
そのうえ聞きなれた声なので、発声が歪んでいようが、声が小さかろうが、それが自然で正しい発声として受け取られる。
声をハッキリ話せと言われると、侮辱されたような気になることさえある。自己完結をし、安定した声なのだ。
これが自分で話した時の、自分の声の聞こえ方である。

ところが録音した声や、周りで自分の声を聞く人は、骨導以外の声を聴くことになる。
骨に響く声よりも、空気中を伝わっていく声を聞くのだ。
当然、はっきりと聞き取れない声はそのままに、歪んだ声は歪んだままに聞く人に伝わり、または録音されてしまう。
骨導によって自分では歪みなくクリアーに聞こえている声が、実際には酷く歪みくぐもった声になって録音されてしまう。

「録音された声は自分の声ではない!」と言うのは自分にとっては確かであるが、同時に他人にとってはそうは行かない。
自分では素晴らしい歌声だと思って歌うのが、酷い音痴だったりする。ところが音痴が分からない。他者から指摘されて、ああ自分は音痴なんだと認めはするが、その本当のところは分かっていない。音痴が自分の骨導を通じた声なのだから、ジャイアンのように、誰に何と言われようとマイクを離さない。自分では素敵な歌声に聞こえているのだから。

さてどうしたら、自分の内側の声(骨導)と、外部に聞こえてくる声(空気の振動)が、一致するのだろうか?

骨導というのは振動である。その震えが、自分の「からだ」を震わせて、振動の心地よさを実感として、声を仮想する。
骨導の実感から離れて、「聞く」ことが出来るのか?

答えは、「こえ」をその自由に任せる。出来ることは、骨導の誘惑に閉じこもるのではなく、「音」を正しく語ること?
正しい「音」とは、からだ全体が開けて出て来る「声」である。
「からだ」が足元から天辺へと、吹き抜けの「管」になる時、まるで管楽器を鳴らすように、「からだ」は響きだす。
音痴とは「からだ」を歪ませる緊張を身に付けることで、意志と楽器(からだ)の共鳴がかみ合わずに響くのである。
緊張の強い人は、開放への欲求も強いのだろう。まさにジャイアンである。

正しい声を出しているときに、声を出しているという実感はない。
歪みが取れると、声の出て行くのを邪魔するものは無い。「からだ」の緊張という障害に妨げられることもなく、声は自ら出て行く。ウォータースライド(滑らかな滑り台)を、どこにもぶつからずに滑って行くようなものである。声の勝手に任せるのは、少々不安ではあるが、大変気持ちの良いものである。

つまり、音痴や言葉の声を何とかしたいならば、努力して発声器官をいじってもダメなのだ。「からだ」が変わらなければならない。「吹き抜けの管」が真っすぐに吹き抜けること。「からだ」が柔らかく吹き抜けるようになれば、言葉も歌声も「こえ」の働きによって自然と整ってくる。

もう一つ大切なのは、聞いているみんなの様子が変わる。骨導を手放し、声が響き渡ったとき、何かが変わる。皆の顔が開ける。自分の顔も。

集中して自分の声が見つかったときの証拠は、理解ではなく「良かった」と心の底から思えることだろう。そこに解釈などを置くことは出来ない。「~~(なになに)故に、良い」というこの「~~」がつかないのが、良いことの証明なのだ。説明や解釈がつけられるようでは、本ものではない。

一人の声が開けることが、皆に通ずる。いつの間にか皆の表情を明るくする。響き合いとは、そのやり取りの行ったり来たりである。良いレッスンは、明るさを交響する。

本来の自分とは、明るく和(やわら)かいものである。

瀬戸嶋 充 ばん

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●『東京レッスン』を再開します。
2022年12月3日(土)9時~12時
会場は東急東横線 都立大学駅近く。
https://ningen-engeki.jimdo.com/東京レッスン/

● 無料体験会のお知らせ
レッスン体験会を開きます。
https://ningen-engeki.jimdo.com/無料体験会/

● 名古屋ワンディ・ワークショップ
『 からだと出会う・声と出会う 』
2022年12月9日(金)・10日(土)
https://ningen-engeki.jimdo.com/からだと出会う-声と出会う-名古屋-12-9-12-10/

● 琵琶湖和邇浜冬の合宿
『 からだとことばといのちのレッスン 』
2023年1月7日(金)~9日(日)
https://ningen-engeki.jimdo.com/2023年琵琶湖冬合宿-1-7-1-9/

● 神戸市東灘区 ゆらゆらワークの会主催WS
『「からだ」から始まるコミュニケーション入門 』
2023年2月4日(土)~5日(日)
https://ningen-engeki.jimdo.com/2023年神戸ゆらゆらワークの会-2-4-2-5/

● 伊豆川奈 春の合宿
『からだとことばといのちのレッスン』WS
2023年2月11日(土)~12日(日)
https://ningen-engeki.jimdo.com/2023年春の伊豆川奈合宿-2-11-2-12/

● ワークショップ・合宿などのイベントのご案内は Facebookページ https://www.facebook.com/SensibilityMovement に「いいね!」して頂ければ、詳細が出来次第、FB通知でご案内します。

● オンライン・レッスン『野口体操を楽しむ』のご案内は、
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番組表は、https://ningen-engeki.jimdo.com/

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通信のスタイルを変えたら「からだ」が軽快になった気分です。
今月も11月中に書き終えました。
皆さん、レッスンに来てください。
でも、ご案内はワークショップ参加者のコメントが分かりやすいですね。以下。
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ボディワーク&劇を行う怪しい合宿行ってきた!超楽しかった!合宿はこんな人にオススメ✨
🍀声を楽に出したい
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皆さま、ワークショップでお目にかかりましょう。
参加をお待ちしています。

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● レッスンに参加したいけれど、どうも内容の説明が分かりづらい。との問い合わせを受けました。レッスンの資料をホームページにまとめてみました。ご覧ください。
https://ningen-engeki.jimdo.com/レッスンとwsの感想と動画/

● 私、瀬戸嶋 並びに 人間と演劇研究所『からだとことばといのちのレッスン教室』の 活動と情報は、ホームページで告知しています。
レッスンへ参加頂く際は、ホームページをご確認ください。
https://ningen-engeki.jimdo.com/

● 問合せ・申し込みは、メール karadazerohonpo@gmail.com 又は 電話 090-9019-7547 へご連絡ください。

     人間と演劇研究所代表 瀬戸嶋 充 ばん     

『からこといのち通信 №30』12月号 2022/11/30 発行

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