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毎日を楽しめないときは、フィルターの汚れを疑え

自分の人生を変えたいと考えるとき、人はまず「外側のもの」を変えようとします。
仕事を変えよう、恋人を変えよう、友達を変えよう、住む場所を変えよう、化粧を変えよう、服装を変えよう…。
目に映るもの、耳に聞こえてくる音、鼻で嗅ぐ香りが変われば、人生に変化が起きる。それは間違いではありません。

しかし、外側のものを変えることにはそれなりのエネルギーを必要とします。時間を必要とします。金銭も必要とします。また、「変えられないもの」も存在します。友人は変えられても、親兄弟は変えられない。化粧や整形で顔のパーツは変えられても、頭蓋骨のサイズは変えられない(と、ここで「整形できない箇所」についてググってみたところ、ほとんどないのですね。足を小さくしたり背を高く/低くしたり腰の位置を変えたり、顔のサイズもだいぶ変えられる。すごすぎ)。仕事は変えられると言うけれども、生まれ持った才能や条件によって、選べない仕事はたくさんある。

変えられないことを変える方法

私が悩んでいるのは、変えられないこと。だから、私の人生は、毎日は、どうにも変えられない。
そのように言う人は大勢います。
しかし、これは間違っています。
外側のことを一切変えることなく、人生を変えるもう一つの選択肢が存在します。全ての人に分け隔てなく開かれた選択肢です。例外はありません。

そのもう一つの選択肢とは、
「内側のフィルターを変える」ということです。

内側のフィルターと言われてすぐにピンとくる方もいれば、全く見当もつかない方もいらっしゃるでしょうから、例を出して説明しましょう。

フィルターとは何か。それは物心ついた人ならば全員が持っているものです。
人はそれぞれ、自分のフィルターを通して世界を見ています。

例えば私が、コンビニでカップ麺を買ったとします。
目つきの悪い女がマイバッグにカップ麺をねじ込む姿をちょっと想像してみていただきたいのです(なお会計はペイペイで済ませております)

節約家の人、お金を使うことに罪悪感を覚える人であれば、
「コンビニで買うなんて、よほど金が余ってるんだな。スーパーで買えば半額なのに」と思うかもしれません。
あるいは健康意識の高い人であれば、
「カップ麺を食べるなんて、よほど金がないんだな。時間がなくても金を出せば、すぐ近くのレストランで栄養満点の食事を取れるのに!」
と思うかもしれません。

かたや「金が余ってるんだな」かたや「金がないんだな」
節約家さんと意識高いさん、
2人が見ているものは同じですが、
導いた結論は180度違っている。

この違いを生み出すのがフィルターです。
節約家さんには「節約家フィルター」が、意識高いさんには「意識高いフィルター」がかかっているために、これほどまでに、物事への印象が変わる。

つまりフィルターを変化させることができさえすれば、外側の物事は全く変化していないとしても、人生は、毎日は、劇的に変わるのです。

そして、フィルターというものは、実に流動的で変化させやすいものです。
2020年から続くパンデミックで、私たちのフィルターは皆一様に、程度の差こそあれ、変化しました。
多くの人は「当たり前の日常は、全く当たり前ではないのだ」というパンデミックフィルターを装着し、結果として、友人や家族と会い、旅行を楽しむという、これまでと変わらない営みの中にこそ大きな感動を見出したり、ありがたみを覚えたりすることになりました。

これがフィルターの変化です。
もっと簡単な例で言いますと、「恋をすると全てが輝いて見える」「失恋すると全てが色あせて見える」なんていうのも、フィルターの変化が物事をかえるいい例です。

フィルターを変えれば人生変わる

フィルターの力は絶大です。
フィルターの形次第で、人は地獄の中にいても微笑んでいることができる。
またあるいは、天国の中にいながら、涙にくれることができる。

人生を変えようと思うのならば、転職サイトにアクセスする、離婚届を手配する、美容クリニックの口コミを検索することよりも何よりも、フィルターを自力で変える力を身につけることこそが最大の鍵です。

と、ここまで読んできていただいた方の中には、怒りを覚えた方もいらっしゃるかもしれません。
「お前は、今私が抱えている苦しみを取り除くことを放棄して、私の感覚を鈍麻させろというのか。不幸を抱えたままで、幸せになれというのか」
と。

隠しても仕方がないのではっきりと言いますが、その通りです。
あなたが身近な人を失って苦しんでいようが、不治の病のもたらす痛みでのたうちまわっていようが、私は「あなたは幸福になることができる」と、不遜にも、しかしあえて堂々と、言い切りたいと思います。

もちろん、取り除ける痛みがあるのならば、それは取り除けばいいのです。
ブラック企業に勤め続ける理由なんてないし、暴力を振るうパートナーからは全力で逃げた方がいい。病について心配し続けるより、さっさと病院で検査すべき。行動によって変えられることがあるのなら、さっさと行動した方がいいのです。

でも、人生は行動だけで変えられるほど単純ではない。苦しみは、どこまでも追いかけてくるもの。そうではないですか。

仮に今あなたを包んでいるあらゆる痛みや悲しみの原因を取り除くことができたとしても、明日が、新しい時間が、また新しい苦しみを運んでくるのです。

だからフィルターを変えること。
私たちが助かる道があるとしたら、ここしかないのです。

(次回へ続く)

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