嫌われる勇気

〇目標

自分にとっての幸せを見つけたい.そのための参考材料とする.著者にとっての嫌われること・自由について考え,それが自分の幸せにつながるか考える.

〇手段

1:トラウマを否定せよ

2:すべての悩みは対人関係

3:他者の課題を切り捨てる

4:世界の中心はどこにあるか

5:いま,ここを真剣に生きる

この5ステップを踏むことで,人は変わることができ,だれでも幸せになることができる理由を説明し,具体的な方法を提示

〇現状

自分にとっての幸せを模索中.今,考えがまとまりつつあり,偏ってきている.それが自分にとっての幸せかもしれないし,もっと他にあるかもしれない.このベストセラーには悩みを消し去り,幸福に生きるための具体的な方法が記してあるらしい.この本を通して第三者の考えを取り入れたい.

〇全体の理解(まず●を見て全体を理解してほしい)

●なぜ人は変われ,なぜ誰でも幸せになれるのか(2つ)

1:人は目的論で行動し,トラウマは存在しないから(アドラーの考え)

目的論:人は目的があり,それに向かって行動しているという考え

人が原因論(あらゆる事象は何かの原因から生じるという考え)で動いているとすると,同じような境遇,トラウマを持っている人は全て,同じ行動,未来になるはず.でも,それを乗り越え,立派に生きている人は存在する.それは,過去への意味づけが異なるからである.ということは,原因論などありえず,トラウマは存在しないため,人は目的論で行動しているといえる.ならば,本当に変わりたいなら,人は変われる.

2:人のライフスタイルは選びなおせるから(アドラーの考え)

ライフスタイル:人の思考・気質・性格・行動

今の自分のライフスタイルは先天的なものではない(これはアドラーによると10歳ごろに自分で選択).先天的なものでないならば,自分で再び選びなおせる.



●幸せとは(2つ)人類が問い続けてきたテーマであり,定義はできない

1:自分を好きでいる状態(自分を嫌いでいることが最大の不幸)

自分には価値があると思えること.

2:自由である状態

他者の評価を気にせず,自分の道を生きていること.


●幸せのための具体的な方法

「人生のタスクと向き合うこと」つまり,仕事,交友,恋愛における人間関係から逃げず,自分からコミットすること.

良好な人間関係を築く2ステップ

①課題の分離を行うこと

課題 : 選択を伴うもの(何かをする,他者を評価することさえ課題)

この選択は誰の課題なのかを見極める.そして、相手の課題には踏み込まず,自分の課題にも踏み込ませない.課題の見極め方は,最終的にその選択が誰に影響を与えるかで考える.例えば,他者が誰かを評価する時,これは他者の課題であって自分ではどうすることもできない.

②共同体感覚(他者を仲間とみなし,そこに自分の居場所があると感じられること)を得ること(以下そのために必要な3要素)

1:自己受容

先天的なものは変えられないことを理解し,与えられたものをどう使うかを考える.

2:他者信頼

とにかく,周りの人を疑い無く信頼し,横の関係を築く努力をする.横の関係とは,縦の関係と対義にあるもので,あらゆる物は自分と同じではないが対等であるという意識の上で成り立つ関係.つまり,他者を敵と見なさない関係.

3:他者貢献

他者信頼で得た仲間(横の関係)に対して,自分で貢献すること.


●なぜ①,②が必要なのか

①が必要な理由

全ての悩みは対人関係から生じるから

悩みが対人関係から生じると仮定できるなら,課題を分離することで,自分で思う最適な行動に対して,他者がどう評価するかは自分ではどうすることもできないし,考える必要がないと割りきることができるから,そうすれば,対人関係の悩みはぐっと軽くなる.
ただ,他者の課題であっても,助けを求める人に対しての援助は必要.あくまで,踏み込んだ先の操作ではない.

②が必要な理由(2つ)

幸せも対人関係から生じるから

1:自己受容

劣等感は人間が成長するうえで,もともと持っているもので,悪いものではない.ただ,それを,できない言い訳にしてやらない状態(劣等コンプレックス)がだめ.自分をまず受け入れて,変わりたいと思っているなら行動をするべきだから.
対人関係の悩みは「承認欲求」から生じるものである.実際,誰からも嫌われたくないし,他者からいい評価をもらうことは幸せを感じる(自分の価値を感じ,自分を好きになれる).ただ,承認欲求を自分の価値を感じる手段として用いると「自由」がなくなる.常に他人の評価を気にして,他者の期待を満たすために生きてしまうから.

2:他者信頼

横の関係を築き,他者を敵ではなく仲間とみなす第一歩であるから.他者を敵とみなしている(縦の関係でとらえている)から,あらゆる劣等コンプレックス,不自由を感じる.
ここでいう信頼は,無条件の信頼であって,もちろん裏切られることも多い.ただ,そこで裏切られるような関係は維持する必要はないし,そこは自分の課題としてアプローチする.そもそも,「幸せ」を得る前提として,横の関係を築きたいと思っているのだから,信頼できなければ始まらない.

3:他者貢献

自分の価値は,対人関係の中での「他者への貢献感」によってしか生まれないから.人は誰かの役に立っていると主観で感じるときにだけ,自分の価値を見出せる.さらに承認欲求を手段として用いた場合に比べ「自由」も手に入る.結局は自分のための他者貢献なんて偽善でしかないというのは,横の関係が築けていないから生じる発想.


〇全体の要約(非常に難解だったため,好きに書く)

人の思考・気質・性格・行動は後天的なもので,選び直せ,目的論で人は行動しているため変われる.全ての悩みは対人関係から生じ,幸せもそこから生じる.仕事,交友,恋愛の対人関係から逃げず,まず他者と自分の課題を分離する.それから,自己受容,他者信頼,他者貢献を通して共同体感覚を身に付ける


〇仮説の答え合わせ

自分にとっての幸せが本の中に書かれていたのではない.ただ,承認欲求は不自由をもたらすという考えは,参考になった.著者にとっての嫌われること・自由とは,「他者の評価を気にせず,自分の道を進む」ことであった.他者の評価を自分の幸せとして位置付けていたので,考えるきっかけとなった.

⇒再びベストセラー「幸せになる勇気」を読んで,「幸せ」について考えたい,ただ,同じ著者で考えが偏るのに注意

〇帯文

幸せ,悩みは対人関係から生じる.対人関係の在り方が全て.

〇交錯読みの結論

なし

〇自分の意見

この本を読むにあたって,自分の「幸せ」について考えてきた.私の中では自分からの評価・他者からの評価・ストレスがない状態・単純な楽しみ・楽な状態に区分された.

私にとってのストレスは主に対人関係から生じるもので,この本で記されていることは非常に理解できた.ただ,他者からの評価は自分の幸せにとって必要だと思っていた.

純粋に,他者からいい評価を受けることは嬉しいし,頑張れる自信に繋がる.ただ,この本で記されてたのは,そこで得られる幸せには「自由」がないというものだった.

「自由」とは,他者の評価を気にせず自分の道を進むこと.私が他者からの評価で得ようとしていた幸せは,不自由だったんだと気づかされた.実際,私のストレスはその不自由さが生んだものであるととらえることができた.

他者からの評価を幸せの1つとして考えていた私には,それに付随するストレスは避けられない.仕方がないから,耐えて頑張ればいいと思っていた.しかし,その状態は幸せではないと知り,納得した.

「じゃぁ,幸せも自由も手に入れるためにはどうすりゃいいんだよ!」

この回答が「共同体感覚」であった.

自分を受け入れ,仕事,交友,恋愛において横の関係を築き,他者貢献を行う.これでこそ「幸せと自由」が手に入る.

自分を受け入れ横の関係を築くことで,不自由がなくなる.横の関係を築き他者貢献をすることで自分の価値を見つけ,自分が好きになれる.

本から得たこの考えは,私の気持ちを軽くし,私の不自由さを解消することに繋がりそうだ(実践は難しいだろぉー).

ただ,問題がまだ残っている.それは私の第一の幸せとして挙げてある「自分からの評価」である.これは自己実現的な意味だ.

本では,「普通でいいじゃん,今を生きなさい」と書いてあり,それができれば間違いなくいいとは思う.しかし,私は私の理想とする自分に近づきたいし,多方面で成長したい.劣等感から生じるその意識は悪いものではないと本でも述べられている.実際,変わりたい,成長したいって言ってるんだし・・・

また,「一般的な人生に意味などない.人生の意味は自分で見つけるもの」とも記されてあった.

このアドラーの考えを参考にしつつ,毎日何かに怯えるのではなく幸せだと思えるように過ごしていきたい.また,幸せについても考え続けていきたい.



この本難しすぎたーーー(´;ω;`)