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舞台『うしおととら』

いや、最近はTwitterとかSNSに投稿ばかりで、
こちらのブログを全く更新しなくなってしまって久しい。
習慣をつけないとなぁ。
ヤプログの時はほぼ毎日更新していたのだが、SNSが出来てから、更新頻度は減り、10年以上の歴史をしたためたヤプログが終了と同時に全て消えてしまってから、少し心が折れたのもある。

データ移行できなかったのと。

どうもこのnoteの使い方がイマイチしっくりこないのと。


まあ、それはさておき。

チケット予告の記事上げてから一度も更新する事なく、既に5年ぶりのカプセル兵団本公演
舞台『うしおととら』
が終演してちょうど2週間経ちました。
なんと!今日で配信アーカイブさえ終了です。

何てこったな時間の早さですが。

折角なので、記事くらいには書き記しておこうかなと。

パンフレットを購入された方には、これまでのカプセル兵団の歴史や流れがわかる年表があったと思います。
まだ購入されてない方はカプセル兵団ホームページからネット注文出来ますよ。

カプセル兵団ホームページ

そう、僕は5年前に『鬼泪 激情編』を最後にカプセル兵団で本公演を打たずに来ました。
なんなら、四年前に劇団員を全員辞めさせてカプセル兵団は今、僕一人な状態でもあります。

その間、プロとして活動されてるメンバーとプロデュース的に朗読劇や会話劇の公演を超外伝として行っては来ましたが。

あれから5年経ち、僕の周りの環境が演劇をしても良い状態になり、5年前の状況とはまた違う理想としてた形での公演を打てる感じになり『演劇の神様が演劇やりなさい』と後押ししてくる様になったので、今回カプセル兵団を再始動する決意をしました。

演目は10年前くらいから暖めてきた企画
『うしおととら』
藤田和日郎先生へ打診したら、ありがたくも快諾頂き全ての準備は整った。

だが、問題は役者集めだ。
今回は最大規模の公演なのに、劇団員が一人もいない。仲間がいないでこの規模の公演は無謀の局地だ。
だが、行けるビジョンが見えていたので考えるより取り敢えず行動。
そんな良い加減な理由で動いてる俺。
全くもって会社経営には向いてないと思う。

取り急ぎ、出て欲しいいつものメンバーには劇場を抑えた時点で上演許可がまだなまま打診だけ入れておく。
概ねの方々はスケジュールを空けてくださった。

ただ、既に埋まっていて無理だった方も沢山いた。
そう、今回は意外と沢山の方がスケジュールが合わなかった。
これもコロナが治まってきて演劇の活動が活性化してきたからなのかもしれない。
と実感する。

ウルトラマンのスーツアクター岩田栄慶くんも、かなり前に一番なくらい早くお願いしていて、久々に出たいから前向きに検討します。
と言ってからはや公演まで2ヶ月切って、一番最後に
出演のスケジュールが確保できた。
と言う連絡が来るくらい、この世界は本当に予定を組むのが難しい。

岩田君の
ミスター平成仮面ライダーこと高岩成ニさんと共演して戦いたい!
との夢を叶えるべく高岩さんにも出演を依頼していたが。
今回はスケジュールが合わず断念!!
かなり残念!!!

その他、元劇団員にも数名連絡を入れる。
カプセル兵団を辞めた、もしくは辞めさせたメンバーにカプセル兵団やるから出ない?
と言うのもどうかと思ったりしたが、まあ、そんな事より確実にクオリティの高い作品を作れるならそんな些細なことはどうでも良い。
向こうがどう思うかは別なので、それこそ相手に任せるしかない。

結果、中山ヤスカと吉本大輔が参加することに。
事務所からの依頼で、株式会社L4の新人達。
高場大和、今野貴之、加藤陽人、山際絵礼奈
の4名も初舞台に挑戦させる。

劇団アメーバプロジェクトから涼村真弘が出演希望してきたので、参加させた。

身内はここまで。

だが、これではまだまだ足りない上に、
メインのキャストすら決まってない状態。
プロデューサーとして、上手いや顔がいい、イメージに合うだけでは配役できない。
上手くて、イメージに合って、人気が無いと。公演規模がデカくなればなる程、とても重要になるのだ。

知り合いが「この人どうですか?」
とか「この人でたがってるから、出してあげたら?」
と連絡くるけど、チケット5枚も売らない人にギャラ払って、やりたい作品に出演をさせてあげる慈善事業家なわけでない。
失敗して赤字になれば個人で数100万円の赤字を被ることになるのだが、そんな事どこ吹く風の人達は気軽に変な人を勧めてくる。

それでも、売らなくても役者として座組みに必要な人もたしかに存在するのだ。
そんな人になれてれば、意外と役者で生きていける一人になるのかもしれない。

まあ、そんなこんなで最大の問題は
主役の二人、うしおととらが決まらない事だった。
最初からとら役に治平さんをイメージしてたが、コロナ禍で飲食店の経営をされてる治平さんは舞台の出演をずっと拒否されていた。
だから、今回もお声がけを断念してたのだが、ほとほと役者が見つからないと言うか、思い浮かばないので、ダメ元で連絡してみたら、思いがけず前のめりな返事。
あっという間に出演が決まった。

何てこった!こんなところも演劇の神様の采配を感じざるを得ない。

そして潮役。
身近で連絡したが、スケジュール丸かぶりで出てもらえず、ずっと頭にあったけど、大阪在住の役者だから迷いに迷ってた徳城くんの事務所へ連絡を入れた。
かなり時期が近い上に、稽古期間の宿泊費も払えない交渉。
それでも、こちらもまさかの快諾!!

うしおととらが揃ったこの時.僕はこの作品が成功することしか見えなくなった。

あとは行くのみ!!!!

だが、困難は沢山ある。
劇団員はいないので、株式会社L4のメンバーに色々動いてもらうが、初舞台なので、全てに何をしたらいいのか分からないから、常に事細かに指示を出さねばならない。
早めに言っといても、やり方がわからないとか、やってみたが上手く行かないとかで、ロスも大きい。
しかし、これも勉強でありスキルアップの為でもあるので頑張ってもらう。

あとは、必須のメンバー
パフォーマーを含め、新しい役者との出会いを求めてオーディションの開催!
人がいない為、全ての作業が遅れ始めていた。
オーディションも応募期間2週間!
稽古開始1ヶ月前くらいになった。
が!!演劇の神様のはからいで、
かなりの数の応募があり、更には面白い実力者達も来てくれた。

演劇や映画のオーディションなんて、大体は、売れない仕事のない役者が応募してくるので、本当に使えない役者が8割以上だったりするのだが、今回は本当に面白い人たちが沢山いたので、役を増やしてでも予定より多く採用した。

カプセル兵団を見たことも聞いたこともない初めてのメンバーが半分くらいいる46人の座組み!

でも、人数の多さは特に気にならない。
俺は全ての流れが頭の中にあるから。
でも、稽古場入った時にその人数の多さに
『多っ!!!!』と声が出たのも事実。

だけど、今回は劇団員がいない事が逆に座組みを結束させてくれることになった。
昔のように劇団員がいた場合、客演の人達は、劇団公演なので劇団員が動くべきだし、余計な事言うのも気がひけるから、色々と思う事があってもお客さんとして黙って稽古場にいる事が多かった。
それは真っ当なんだけど、それも劇団員がしっかりしてて、稽古場や演技や演出や制作的な流れを把握して稽古場を回せないと意味がなくて。
当時の劇団員は、どうしてもプロとしてのレベルに技術も意識も足りてないので、劇団員が仕切ると変な事や無駄な事を指示する事が多々あった。
それらも含め、役者としてのセンスなんだけど、センスとはプロ意識であり、意欲的な観察とその実践のことだ。
だが、それができる人はすぐに一人前になり、役者としても独り立ち出来るのだが、集団にいる甘えや誰かがやってくれる事に慣れて成長しないメンバーが多かった。

センスとはやる気の問題である事は自分の経験上解っている。
だが、それはやる気が足りない人からしたら、いくら言っても理解できないからいつまでもできない人のままなのだ。
だからセンスがない。
と言われる。
どんな仕事でもだ。

その要因の一つは僕で。
下手くそでも劇団員だから舞台に立たせてしまう事で、彼らは自分の演技を磨く事に意欲が弱くなる。
本来、何十人も役者がいて、毎回オーディションして、認められた人しか舞台に立てず、選ばれた人しか台詞が貰えない。
だから立ちたくて、台詞を貰いたくて必死に上手くなる努力をするのが、正しい表現者のシステムなのだが。
下手でも舞台に立ててれば、年に数回の習い事の発表会みたいな感覚でその時の高揚感を楽しむだけの人になる。
更には年に2回程度しか舞台がなく、それ以外の時間はバイトで過ごす。と言う一番クズみたいな生活スタイルをするのが役者なので。
バイトのついでに芝居をする感覚が身についてくる。それが危ない。
早くバイトから抜けたくて演技を磨き、ファンを増やす意志が無くなると、そこに残るのは人間のクズなのである。

年にたった2回の発表会の為に必死で日頃から自分のファンを増やしてチケットを売る努力をする人間はそうそういない。

結果。自分の役者の価値が高まらない事をいくら教えても、習い事であり、遊びの延長なので心には響かない。

だから、稽古場で必要な事が何なのか観察しないし、考えないし、反省もしないから何もできない役者になってしまうのだ。


だから、今回は劇団員というこの団体を仕切らねばならない存在がいない事で、主役の二人が積極的に馬を仕切って引っ張ってくれた。
それにより、初参加の方々も迷う事なく進む事が出来た。
治平さんなんて、久々の舞台ですげー楽しそう。
その周りに、いつも出演してもらってきた安定のメンバー
永澤さん、北出君、岩田君の、中澤君、伊藤さん、小山内、中山ヤスカ等がサポートしてくれる環境が出来て、それが今回の座組みで一番上手く行った事なんだと思った。

劇団を20年やってきたのに、まともに劇団を仕切れるプロ意識の売れている役者を生み出せなかった俺の弱点を初めて理解した気がした。

それでも稽古は試行錯誤しながら、
感染対策しながら、
感染者や濃厚接触者が稽古に来れなくなり
色んなスケジュールが狂いながら
それでも止まる事なく、かなりスムーズに稽古は流れたと思う。

本番1週間前に通し稽古をして、
ランタイムが休憩入れて3時間20分!

そんな馬鹿な!!
ページ数的には3時間弱なはずなのに!!
でも事実なので、沢山のシーンと台詞をザクザク切る!!!

絶対に3時間は越えさせない!!!
越えたくない!!!!

そして、演出や演技の詰める稽古はもうかなりやってきたので、そんな事より段取りやセリフやテンションや集中力を高める為の稽古に切り替える。

そして小屋入り。
最後までバタバタで衣装や小道具でさえ数が多すぎて、完全に把握できてる人いないんじゃないか?
という現場。

小屋入りしてからも、感染者が出たらそこで終了なので、常に対策!!!
でも、絶対に成功するという未来が見えていたので、さほどの心配はなく全力で進むだけ。

スタッフもいつものメンバーなので、全部任せっぱなしで進んでいく。

役者達は楽しそうに疲弊していく。

でも、本当にいい空気で公演が打てた。

初日から千秋楽までダブルカーテンコール。
鬼泪の時もそうだった。
5年ぶりの公演も、同じような評価で少し安心した。

3時間で33巻の物語を上演する。
今回の挑戦の一つ。

上手く行ったとは思っている。

が、やはり演劇は人とのコミュニケーションでえり真の『芝居』である為。
お客様の前で『演じて』、観る人の感覚を感じながら芝居が変化する為、初日はその感覚が掴めないまま、緊張とやる気で全力で突っ走る作品になる。
それがまた圧倒的パワーを生んで、初日独特の感動を生む。
そして、お客さまとコミュニケーションを交わしながら成長した『演技』と自信を手に入れた役者が千秋楽に『魅せる舞台』は初日のそれの何十倍も違ったハイクオリティの世界となっている。

だから、昔の演劇ファンは初日と千秋楽を必ず観るものだったのだが、最近はそんな客かなりいなくなった。

でも、千秋楽は本当に素晴らしい世界だった。
初日よりみんなゆっくり、たっぷり芝居している様に感じるのに、それでもランタイムは初日よりはるかに早いのだ。

この1週間は、演劇の魅力が全て詰まった温かい空気に劇場が包まれていた。
幸せで溢れていた。
それこそが僕たちが舞台を作る理由なのだから、これはもう大成功と言えるだろう。

そんな幸せな時間と空間も終わりが来て、
全てをバラして無に返す時間になる。
そこにあったセットを壊して、照明を外し、ただの板の間の舞台になる。
この瞬間も好きだ。

無から始まり世界が生まれてまた無に戻る。

まるで宇宙の縮図のようであり
神様の遊びでもあるような
この感覚を知っているからこそ、皆んな死ぬほど貧乏でバイトしながら、それでも舞台に立ち役者であろうとめざしつづけるのだろう。

ただ、今回は久々のカプセル兵団であり。
株式会社L4の主催する初めての公演なので、
最上級を求めて予算をはるかにオーバーしながら作りました。
そりゃあもうオーバーです!!
数100万円オーバーです。
でも、その価値がある公演になったと思います。

僕たちは年に数回の発表会を打つ素人ではないので、動き出したからには今後につながり、仕事として成り立つ流れを作らねばなりません。

役者を育てたり
カプセル兵団や株式会社L4じたいにファンを作ったり
様々な仕事を受注して役者達に発注したりせねばなりません。

まだまだこれからです。
その為に、またカプセル兵団はメンバーを集める事にしました。
カプセル兵団どけでなく、株式会社L4もタレントやスタッフを募集しなければ。

コロナを超えた先にある、令和時代に始まる新しいエンターテイメントを生み出す集団である為に、ここからまた戦いの日々が始まるのです!!!
必死で着いてきて、一緒に戦ってくれる仲間いるかなーー。

だからこそ、皆さま
是非とも株式会社L4、カプセル兵団、そして吉久直志を応援よろしくお願い申し上げます!!!

さあ!どんどん走り出すぜ!!!!


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