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ひとりですごす誕生日

※こちらの記事は、2023年の私の誕生日に書いてそのままになっていたものを加筆し掲載したもので、一度目の休職の時のものです。

2023/某日 20:11 
明日は私の誕生日だ。何をしようか。
ど平日だが,今年の私には仕事の予定も,友人との約束も,パートナーとのお出かけの予定もない。これまで何度か平凡な誕生日を過ごしたことはあった。例えば,大学の授業が一日中入っているとか。それでも傍らに人はいた。今回はまるっきりひとりだ。一昨日くらいからなにをしようか考えているけれど,何も思いつかない。二十数年前の7時間後,私はもう,生まれてしまう。

2023/誕生日 11:42
アラームがなった時間は7:00。
起き上がったのは8:49。
すでに,大学の先輩,両親からお祝いのメッセージが届いていた。
同期からもお祝いのメッセージが届いた。
ゼミのメンバーからもメッセージが届いた。
ありがたいことだ。お礼の返信をした。
結局,何もすることが決まらないまま,いつもの朝食を作り始めた。
今日は少しおしゃれをした。
結局,午前中は掃除に費やした。キッチン周りの整頓と,棚の拭き掃除,いらないものがたくさん出てくる。使ったあとのプリンタのインクが何故かキッチン用品の箱の奥から出てくる。天井も壁も掃除した。床はまだ汚れそうなので,掃除せずおいておく。
お昼ごはんは何を食べようか。本当に何も思いつかない。
通っている美容院からDMが届いた。
自分をケアするのもありかと思ったが,特に人に会うこともないしな,と思う。シャンプーやブローは私の満足度を上げる方法ではないことがわかった。とりあえず,ゴミ屋敷掃除のyoutubeチャンネルを眺めることにする。汚い場所がきれいになっていく様子をみるのは,好きなのかもしれない。

2023/誕生日 13:00ごろ
とりあえず近くのイオンに行って、昼食を調達。ついでに二割引きのケーキを買う。ケーキコーナーの前で10分くらい悩む。結局2割引のケーキ。歩いて帰宅する。

2023/誕生日 14:00ごろ
買ってきたカツ丼弁当を食べ終わったころ、おばあちゃんからの着信に気づく。かけなおすと、おばあちゃんからのおめでとう、の言葉。今日初めて言葉でおめでとうを言われて、あたたかくて涙が出そうになる。世間話を30分ほどする。おばあちゃん、ありがとう。

2023/誕生日 17:00
天井を見つめていたが、モヤモヤする。そうだ、温泉に行こう。ラッキーなことに、温泉が徒歩圏内にある。
都会の真ん中で、空がよく見えた。風呂を堪能した後、しばらく休みどころで寝転がる。パートナーからおめでとうのLINEがきた。今気がついてちょっと焦っているんだろうなと、くすり、と笑いが込み上げる。私はパートナーのそういうところが好きだ。心がほぐれていつもは食べないそばを啜る。周りは家族連ればかりだったけど、食べたお蕎麦は今までで1番美味しく感じた。

夜風に当たりながら、帰路に着く。
1人の誕生日も悪くないな。

けれど、やっぱり来年は誰かと過ごしたい。

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