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酷暑の中でのランニングについて

ここ最近の酷暑はすさまじい。「命の危険がある」という表現は、決して大袈裟ではない。先日も、NHKのテレビ番組で熱中症に関する特集が組まれていたが、重篤な熱中症の場合、深刻な後遺症が残ることもあるという。

熱中症なんて、適当に身体を冷やして、水分補給でもすれば、治るんだろうと舐めてかかっていた自分が恥ずかしい。

にもかかわらず、時間があれば、ランニングをしている。

月間走行距離の最低目標を150キロ、努力目標200キロに設定しているので、暑いからとサボっているわけにはいかないからである。

とはいえ、最近は、あまりに暑くて暑くて、走っていると、心が折れる日が少なくない。そういう日は、5キロ、6キロくらい走るとバテてしまう。公園の気温表示が35℃くらいともなれば、もうダメである。

前に、知り合いの医者からも、「30℃超の気温の中で、ランニングをするのは、緩慢な自殺である」と言われたことがある。少なくとも、決して健康には良くないのは間違いなさそうである。

ならば、やめておけば良いのにと思うが、やめられない。しんどくても、走った後の達成感、充実感が心地よいのだ。ドMである。

昔は早朝、5時過ぎくらいにランニングをしていた。真夏でもこの時間帯であれば、まださほどの暑さではない。しかしながら、リモートワーク主体になってから、朝寝坊な習慣がついてしまい、5時台に走るのは少々厳しくなってしまった。

最近、たまに友人と大阪城公園をナイトランすることがある。19時過ぎともなれば、気温も穏やかであり、気分よく走ることができる。だが、僕の自宅から大阪城公園は至近距離とは言えないので、そう毎日というわけにはいかない。

ということで、昼間の空き時間を利用して、倒れない範囲内でランニングをしている。

運動量というのは、負荷と時間のかけ算である。

酷暑の中、高負荷の運動をそう長時間やれるわけではないので、低負荷の運動をボチボチとやるしかない。

そう考えて、最近やっているのが、スローランニングとか、LSD(ロング・スロー・ディスタンス)と呼ばれるものである。

参考にしたのは、吉田誠一さん(元日経新聞編集委員、元鹿島アントラーズ)という人が以前に書いていた記事である。

<決して急がず、ゆっくり体を動かすことで、全身の毛細血管を活性化させていく。くまなく酸素が行き渡るシステムをつくっていこうと思った。>
<実際に体の中でどういうことが起きているのかはよく分からないが、細い血管がニョロニョロと伸びていくところをイメージしながら走る。>

この「細い血管がニョロニョロと伸びていく」という表現が好きである。

実際、人間の身体の血管の95~99%は毛細血管が占めており、毛細血管が身体中の隅々まで血液を送り届けることで、約37兆個あるという細胞に栄養素とか酸素を届けることができている。

ところが、経年劣化により、毛細血管が劣化して、ボロボロになると、「ゴースト血管」という血液が流れず、血管としての本来の役割を果たさない状態になってしまう。

毛細血管のゴースト化を防いだり、ゴースト化した血管を修復するためには、運動の習慣化が有効であり、ウォーキングやランニングを続けることは重要となる。

LSDと言うからには、ホントはもっと長時間走りたいところではあるが、とにかく暑いので、まずは90分を目標にしている。もう少し涼しくなったら、120分、できれば180分くらい続けられるようになりたい。

はあはあ、ぜいぜいと息苦しくなるようなペースだと、今の季節ではぶっ倒れそうになるので、とにかく気をつけているのは、ペースを上げないことである。1キロ7分台で、まるで足踏みしているのかというようなペースである。ついつい調子に乗ってペースが上がり、それに伴い心拍数が上がりそうになると、慌ててペースを落として、心拍数があまり上がり過ぎないように努めている。ガーミンのランニング・ウォッチが頼りである。

ただし、ゆっくり走るとしても、ピッチは一定のペースをキープするのが重要である。目標は1分180spm(step per minute / 1分間に刻む回数)であるが、僕の場合、170~175くらいになってしまうことが多い。もっと小刻みなピッチに修正する必要がある。

ペースを落とすことで心肺機能への負荷はあまりかからないが、ピッチは普通に走る時と同じレベルなので、ステップ数は変わらないし、足腰への負荷はそれなりにキツイ。その辺がこのLSDの重要なポイントなのかもしれない。

酷暑期間中は、そういうことで、LSDを取り入れつつ、負荷は抑えつつも、走行距離はあまり落とさないように努めつつ、もう少し涼しくなったら、心肺機能に喝を入れるようなトレーニングもできるようになれたら良いと考えている。

僕がランニングを始めた頃に読んだのが、田中宏暁著『ランニングする前に読む本』である。この本を読んで、ランニングに対する心理的なハードルがずいぶんと下がったように思う。

人間は、やはり幾つになっても、心肺機能と足腰を鍛えないとダメなんだなと思いつつ、また明日からもランニング習慣をキープしていきたいと考える次第である。


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