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「もうがまんできない」(@サンケイホール ブリーゼ)について

朝ドラ「あまちゃん」の再放送が4月から始まったが、同じ宮藤官九郎の作・演出・出演する舞台「もうがまんできない」を、大阪の「サンケイホール ブリーゼ」にて鑑賞。出演は、宮藤の他、阿部サダヲ、仲野大賀、永山絢斗、皆川猿時、荒川良々、宮崎吐夢、平岩紙、小路勇介、中井千聖。

本来は3年前に初演となるはずが、コロナ渦の影響で無観客での収録となった作品。今回が再演でありながら初演となっているのは、このような事情があるからとのこと。

作品自体は、ホムペにも書いてあるのをそのままコピペするが、<東京は渋谷。ラブホテルや雑居ビルが立ち並ぶ猥雑な裏街。出来たばかりのセレブリティなマンションの前に、古びたビルがある。そんな猥雑な街の一角で、メジャーになれない解散寸前のお笑いコンビ、デリヘル嬢と店長、浮気妻と間男など、訳ありな人々がたまたま出会い、ワンシチュエーションで交差し、ノンストップで駆け抜ける物語。>ということになる。

正直なところ、ストーリー自体あるのかないのかわからないような作品である。芸達者な役者たちの個人技の連続による休憩なし2時間余の舞台で、どこまでが台本どおりのセリフなのかアドリブなのか判然としない箇所も少なくなかった。

笑わせる箇所は多数あった。僕の前に座っている女性客が最初から終わりまで大爆笑していたが、そこまで笑うかなあという印象。もちろん決して面白くないわけでもないし、それなりに楽しめたのだが、終わってみて、何も残るものはないのだ。

演劇なんて、そんなものでしょうと言われるかもしれない。でも、これだけ良い役者を揃えておいて、ちょっと無駄遣いをしてしまっているような感じがしたのもまた事実である。

セリフ量も多いし、出たり入ったりの展開や動きもあるし、各役者は健闘していたと思う。でも、なんだか狙って笑いを取りに行っているようなところに臭みを感じるのだ。これは役者の責任ではなくて、脚本家の責任なのであろう。

現在、再放送中の朝ドラ「あまちゃん」も好きだし、大河ドラマ「いだてん」も好きだった。宮藤官九郎はきっと才能ある脚本家なのだと思うが、本作はちょっといただけなかった。

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