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「役職定年」について

以前のNHKのドラマで「定年女子」というのがあった。大手商社でバリバリと活躍していた女性部長が役職定年で配置転換となり、新しい部署では厄介者扱いされて……といった話であったと思う。

こういう話は世間ではいくらでもある。僕がいた銀行も事実上の役職定年はあった。50歳を過ぎた頃になると、後輩にポストを譲るという名目で、関連企業とか取引先企業に出向・転籍することになる。当然に給料も下がる。社内に残ったとしても、ラインから外れたポストに回されるので、やはり給料も下がる。責任がなくて気楽であろうが、モチベーションはダダ下がりである。まさに「消化試合」である。

もはや年功給的な人事制度がオワコンなのだとすれば、若手の抜擢とセットで、役職定年もやめた方が良い。そもそも年齢と能力とは関係あるようで関係ない。若くても優秀な人はいるし、若くても燃え尽きたような人もいる。逆に幾つになっても頭も身体も元気な人もいる。せっかくの人材であるから、適材適所で活用しなければもったいないではないか。

前にも似たようなことを書いたが、一定以上の職位はすべて社内公募制にすれば良いと思う。なんだったら、社内どころか社内(外)公募制にしても良い。一定の年限ごとに「洗い替え」をするのだ。当初にコミットした成果を上げれば継続してポストにとどまるかもしれないし、もっと難易度の高いポストに移るかもしれない。その逆もまたありで、成果が上がらなければ降格して、他の人にポストを奪われることになる。プロスポーツ選手であれば、当たり前のことである。

黙って上司の言うことだけ聞いておれば、年功序列的に然るべき年次が来たら少しずつポストが上がっていくという発想自体がいまや時代遅れである。野生の獣は、ライオンもサルも、ボスの座を実力で奪い取るのだ。人間も同じであってもちっとも違和感ない。そういう緊張感があれば、ボケる暇もないはずである。


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