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「西日本グリーンきっぷ」について

3日ほど、旅に出ていた。詳しい行先は書かないが、JR西日本のエリア内である。

JR西日本に「おとなび」という50歳以上を対象とした会員サービスがある。「おとなび」会員向けに「西日本グリーンきっぷ」というのがあって、「7日前までに購入」「2名以上」といった条件を満たすことで、JR西日本全線の新幹線・特急列車および在来線が3日間乗り放題、かつグリーン車指定席も6回まで利用可能となる制度を利用した。料金は、3日間で23,000円である。同じサービスで、5日間で27,000円というのもある。

JR西日本のエリア内だから、東海道新幹線には乗れない。山陽新幹線で博多までは行けるが、博多から先の九州新幹線にも乗れない。北陸新幹線は上越妙高から先は乗れない。乗りたければ、別途料金が必要となる。逆に言えば、JR西日本のナワバリ範囲内であれば、所定の期間内、所定の回数内であれば、グリーン車指定席を利用して旅ができるということになる。指定席を取らなければ、文字どおり乗り放題である。

JR西日本としては、空席をできるだけ埋めたいということなのだろうが、利用者にとっては、かなりお得なサービスである。

たとえば、ぜんぶグリーン車に乗るとして、新大阪を出発して、サンダーバードと北陸新幹線を乗り継いで富山まで行って、そこから引き返して新大阪を通過して博多まで行って、再び新大阪まで戻って来たとしたら、それだけでざっと70千円近い料金になる。こういうサービスがあるのを知らずに、通常料金で電車を利用していた頃の自分を殴りつけたいくらいである。

JR西日本は、似たような料金設定のサービスを毎シーズン発売している。2年ほど前には、九州新幹線のエリアまで含まれていたこともあった。その時には、3日間で長崎と鹿児島まで足を延ばしたものである。さすがにこれはやり過ぎたのであろうか、次年度以降はJR西日本圏内だけに限定されているが、それでも十分に元は取れて、お釣りが来る。

僕は、11月にも今回と同じ3日間のサービスを利用した。今回とは別の行程で二泊三日の旅をした。

また今回は、例の「全国旅行支援」の期間中でもあったので、ホテル代の割引があった他、クーポンが1人1泊ごとに2千円もらえる特典もあったので、ありがたく土産代に使わせてもらった。

JRは各エリアで分割されているが、先ほどのJR西日本のような施策を各エリア会社ごとに個別にやるくらいであれば、JRグループ全社で連携した企画を展開するべきである。たとえば、JR西日本エリア内ならば〇〇円のサービスであるところを、JR東海エリアまで足を延ばしたいのであれば追加料金〇〇円、JR九州エリアならば追加料金〇〇円といった具合に、利用者が用途と希望に応じて追加オプションを選択できるようにすれば、利用者の需要喚起にもつながるし、JRグループ全体での売上拡大も大いに期待できるであろう。

ついでに言えば、JRグループにはホテルもある。JR系列のホテルはどこも主要駅の近くにあるので、僕はわりと愛用しているのだが、ホテルの方はシニア向け割引サービスというのはあるのだろうか。他社系列のホテルにお客さんを取られるくらいならば、鉄道とタイアップして系列のホテルを使わせるように仕向けるくらいのことは当然に取り組むべきであろう。鉄道の方のシニア向けサービスとのセット・メニューを用意すればまるッと囲い込める。

年齢を重ねて、あまり良い思いをした記憶がないが、シニア向けのサービスがあると、ちょっとだけ得をした気分になって、ついついおカネを使ってしまう。今の世の中、高齢者がおカネを使わずに銀行預金に貯め込んでいるばかりでは、経済が回っていかない。他の業態においても、高齢者の財布の紐が緩むような施策をぜひとも考えてもらいたいものである。

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