クラウドとVDIの違いって?

ある日知り合いからこんな事を聞かれました。
「クラウドとVDIって何が違うの?」

…いや、そもそも全然違う話をしてるよって最初は思ったのですが、いざ説明するとなると、どこから説明したら良いものやら、、となったので
自分向けに整理してみようと思います。

0.前提

まず大前提として押さえておくべきは、
クラウドでもVDIでも"システム利用者"側に提供される内容は全く同一で、利用者が意識する必要は一切ないという点です。システムを利用する側の人が「あれ、今使ってるデスクトップってVDIなんだっけ?クラウドなんだっけ?」と思うシーンて、まずありません。考慮しなければならない人は常にSEや運用管理者です。

1.クラウドサービスとは

クラウドサービスとはざっくり「地球上のどこかで誰か(自分達でない)が運用・管理しているサーバ上で運用されているサービス」です。
自社(もしくはお客様)所有のサーバが不要で、ただ特定のサービスが利用できればよい、データが特に自社内で管理されている必要がない顧客にとって、有益な選択肢になります。対義語はオンプレミスです。

SEは「お客さん(又は自分)の会社って、まず物理サーバを構築して設置して、そのサーバを使ってサービス提供する必要があるんだっけ?」という要件定義の際に、オンプレかクラウドかを決定する事になります。

2.VDIとは

VDIとは「物理サーバ上で、デスクトップを仮想化して提供する技術」の事です。一台の物理サーバ上で、複数台の仮想PCを構築・稼働させて提供します。VDIを構築/運用する為には、物理サーバを所有している必要があります。

SEがVDI導入を検討するシーンとしては「お客さんの環境ではデスクトップ利用者が〇百人いて、オフィス内外でログインする可能性があります。」というような際には、必要台数・場所分のPCを用意するよりも、大きなサーバを導入して、その上で仮想デスクトップを展開する方が運用面で楽な事があります。1台1台のOSパッチ適用の状況など利用者に任せる必要がなく、サーバ側でOSイメージやパッチ適用などまとめて管理ができる為です。

3.まとめ

結局何が違うのかという点を、無理やりまとめ比較してみます。

・物理サーバの必要性
    -クラウドサービス > 不要
    -VDI                         > 必要

・管理者が考慮すべき事項
   -クラウドサービス > サービス利用料くらい
   -VDI                        > 運用・構築方法(※)
    (※)どこにサーバ設置して、どういう仕組みでどういう構築/運用するか等

クラウドサービスはもう完全に、サービス事業者にインフラ管理やサービスの稼働を全部任せる感じです。VDIは上述の通り「物理サーバをどう使うのか?」という技術の一案なので、SE構築とその後の運用の考慮が必要です。

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