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復興とは

この前夫婦で秋田青森岩手を巡る東北旅に出かけた。
旅の思い出はまた後々記すとして
震災後初めて岩手県に降り立った。
立ち寄ったのは陸前高田の道の駅。あまり細かく調べないまま立ち寄ったので、お土産が売っているだけかとおもいきや、当時のことが細かく記録されているメモリアル館も併設されていた。
率直に、とても衝撃であった。これまでも津波の映像や復興に向けての変化等テレビで見ていたはずだが、まさにそれが起きた現地でそれを見るのはとても重い気持ちになった。いまの自分たちのように旅行に来ていて震災にあってしまった人もいるだろう。個人的にいつも衝撃なニュースがあるときには明日は我が身、と心で念じているが、その気持ちになった。明日は我が身。当たり前だけどとても他人事ではない。

外に出て、海沿いを見てみた。この日は少し波があったけど、ただの波浪。ただの波浪でさえ、波の音が鳴り響くのに、あの津波が襲ってきたときはどんな音だったのだろうと想像するだけで恐怖。私は海に慣れていないから少しの波の音でもちょっと怖くなるってのもあるけど(さざ波程度がちょうどいいのよな…)

海沿いには新しい松の木が植えられていた。まだまだ小さくて細い。何年経てば、何年経てば津波に耐えられる松に育つのだろう。
奇跡の一本松も見た。その周りには残された震災の跡形。奇跡の一本松、というネーミングはあまりにもきれいにしすぎじゃないか、とも思った。確かに奇跡ではあるんだけど、意地でもここに居続けてやるといった、静かでありながらも強い何かを感じた。ここまで波が来ていたなんて信じられないくらい、その松も景色も穏やかだった。

少し歩くと元々あった道の駅が残されていた。
ここまで津波が来ました、という文字は高く、これまた信じられなかった。


津波が来る前はここにも家や会社があったんだろう。でも今は以前と違う風景。
………復興とは???と何度も頭に浮かんだ。全て新しく、きれいになったら復興なのか??きれいになって、観光客が増えたら復興なのか??元あった風景は2度と作れないのに、復興の定義とは、、とぐるぐる考えていた。

うむ、それでも今日よりも明日、明日よりも明後日と前を向いて、前にあった風景は戻らないけど、大事な故郷を守るためにできることをやっていく。自分が出来ることをやる。シンプルなことだけどその状況で前を向いてやってきた現地の人は強いと思った。きっと涙を流しながら、悔やみながら前を向いたんだと思う。弱いながらも強くいたんだと思う。

私はこうして震災後12年経って、現地で新たに感じることができた。これまではニュースだけで怖い、信じられない、唖然とするばかりであったけど、現地ではまた違う感情になって、感じることがたくさんあった。

まじで、震災メモリアルは学校行事で小中のどこかで見学に行った方がいいと思う…大人は新幹線乗って行ってくださいな。一度は出向いた方がいい場所です。

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