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#4 夫婦別姓について調べた

テレビをつけていたら、総裁選の争点に「選択的夫婦別姓があがった」云々と報道されていて、妻が「さっさと別姓にして欲しい」「なんで名前変えないといけないのか意味わからん」とご立腹されていたので、気になって調べることにしました。

Googleで夫婦別姓と調べるとトップに法務省の記事が挙がってきました。

まず、現在は民法(第750条)で「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と定められていて夫婦同姓が義務付けられています。結婚するときに同じ名前にしないといけないということですね。

令和4年の統計だと女性が改姓するケースがおよそ95%と圧倒的です。僕自身も名前にこだわりはないですが、自然と僕側の姓にすることになりました。


そもそも結婚した時に名前を一緒にするっていつから始まったんだろう?という疑問が湧いてきました。個人的には結構昔からあったんだろうなと思っていたのですが、色々な経緯はありつつ今の法律の原型となったのは明治31年だったようです。

明治以前にも氏を持っていた農民や町民はいたようですが、公称できるのは武士や公家、学者、医者、神主など限られていたため、農民や町民の中には代々受け継がれずに亡失してしまって氏がわからない人もいたとか。また、徳川や松平など名乗れない氏もあったり江戸時代はかなり重要視されていたようです。ようするに氏=苗字はブランドだったようです。

明治に入ると法整備が進んで、明治8年には氏の使用が義務付けられました。これは徴兵制度で軍人としての身分を管理するために要請されたと言われているそうです。

そして明治9年には夫婦別氏制が導入されます。

ん?と思ったのですが、どうやら明治9年から明治31年までは女性は実家の氏を使用すると決められていたらしいのです。調べてみると、そもそも武家社会においては夫婦別姓だったようなのです!教科書もそういえば源頼朝の妻は北条政子でしたよね。つまり、それまでの武家の慣習がただ明文化されただけということのように思えます。

明治31年に旧民法で夫婦同姓制度が導入されます。

条文では「妻ハ婚姻ニ因リテ夫ノ家ニ入ル」と定められていました。武家社会から続く男性が支配的な時代だったため夫ノ家二入ルとされたようです。いわゆる家父長制ですね。

そして昭和22年に男女平等の理念に沿って民法が改正され「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」今に至るようです。

ただ、およそ95%の妻が改姓する慣習が続いており、国連女性差別撤廃委員会は日本政府に3回(2003年、2009年、2016年)民法改正を勧告している事態になっているようです。


調べてみると大まかな流れがわかって、とても勉強になりました。大まかな流れをまとめておきます。

  1. 姓は武士などの上流階級のブランドで庶民は公称できなかった

  2. 明治に入って軍人身分の管理のため庶民は姓の使用を義務付けられたが、武家社会の慣習で夫婦別姓制度が導入

  3. 明治31年に夫の家に入る家父長制の夫婦同姓が導入

  4. 昭和22年に男女平等の理念に沿って現在の夫婦同姓制度へ改正

  5. しかし95%の妻が改姓する慣習が続いており国連から民法改正勧告を受けている



参考


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