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兎角日記〜人を笑う人、仲間を探す人〜

こんにちは。
硫化カピバラです。
早朝は涼しいのに、昼間は暑くてぐったりです。

僕や母が医者通いが常だからか、
僕ら家族の一般常識として
『3の倍数月は体調を崩しやすい』
というものがあります。

日本の1年間のサイクル上、
3月、6月、9月、12月は疲れが溜まりやすく、
心身に不調を来しやすいのです。

3月は冬から春への移り変わりや受験疲れ、
6月は春から夏への移り変わりや
何かと忙しい春シーズンの緊張が解け急激に体に疲れが現れ、
9月は夏休み明けで体がいつもの調子に戻らず、
12月はなかなか祝日が少なく、イベント満載になりがちな
秋シーズンの疲れが溜まりに溜まって
体調を崩してしまうのです。

9月に入り、2学期も始動した僕の勤務先ですが、
先生方も久々の授業に、お疲れの様子です。
くたびれながらも頑張ってペースを思い出そうとする
職員室の一角で、新学期早々
嫌なものを見てしまいました。

学校の先生は(どこの学校も基本的に同じでしょうが)
体調不良などで急遽お休みする場合は、
副校長先生などの管理職に連絡し、
その旨を伝えなければいけません。

ウチの学校の場合、副校長先生用の電話機は
職員室の先生の誰からでも見えるところ、
且つ副校長先生のデスクのすぐそばにあります。
副校長先生宛の電話がかかってくれば、
皆なんとはなしに気づくことができるというわけです。

その日の朝も先生方皆バタバタしていました。
しかし始業前というのもあって、
そこそこの人数が職員室にいました。
そんな時に副校長先生用の電話に連絡が入りました。

「はい、副校長です。
はい、おはようございます。
はい、はい。
なるほどわかりました、今日はお休みですね。
ちなみにそれはお体の方ですか?それとも心の…。
なるほどなるほど。
どうぞゆっくりなさってくださいね。
それでは失礼します。」

電話はこのようなやりとりで終わりました。
その電話が終わるや否や、
とある先生Oが副校長先生にニヤニヤしながら尋ねました。

「副校長、
お心の不調の方はどなたでした?」

副校長先生は何か応えようとしましたが、
直後に別件の電話がかかってきてしまって
その会話は終わってしまいました。

するとO先生は誰に言うでもなく、
「なんだよ、面白そうだったのに」
と言ったような趣旨のことを呟きました。
近くで聞いていた仲良しの先生に
微かに同意を求めるようでもありました。

……なんて下品なんでしょう。
朝から不愉快です。

人間を無作為に選出し、ある団体を作った時、
その団体の中に一定数特定の性質を持った人間が含まれます。
抽象的になってしまいましたが、
例えば、仕事をちょっとだけサボりたい人が大多数なのに対し、
絶対にサボってはいけないと考える人と、
絶対に仕事をしたくない人、のような
ある種極端な人間がいますよね。

この比率について、働き蟻の法則、と言われる
法則が当てはまります。
働き蟻は8割が働き者で2割がおサボりさんになります。
これは8割の働きものさんを抽出して
小さな団体を作っても、結局その中から
再び8:2の構造ができてしまうのです。

以上の法則から母集団の
2割が少数派意見を持つとした場合、
その2割を半分にして両極端な考え方を持たせると
最初の例え話のようになります。

しかもよりリアリティを取り入れていくと
8割の中にも、
どちらかというと◯◯派、と言ったような
微妙な立ち位置の人がたくさんいます。
8:2といえどスペクトラムなのです。
(2は大分極端であることが多いですが)

さて冒頭の話に戻ります。
人間の団体には一定数、“あるある”な人物がいます。
冬も半袖短パンなやつ、授業中に立ち歩くやつ、
受験ガチ勢でいつも勉強しているやつ、といった具合です。

そういった人物像の中に
“いじめをする人”がいます。
自分より弱い立場のものを見つけ、
対象を除け者にし、虐げ、それに快楽を見出す人たちです。

8割が黙認してしまう日和見的な考え方だとして、
両極端は、いじめエンジョイ勢と
いじめ断固反対派でしょう。
問題は日和見の中のスペクトラムです。

団体の中で自分と似た考えの強者がいれば
彼らを祭り上げ、彼らのそばで自分の意見を叫び、
その意見への同調を大衆に求め、
同調されることそのものに快楽を見出すタイプがいます。
スネ夫の酷い版ですね。

O先生からはそういった波動を感じます。
心理的な問題を抱えている、あるいは抱えやすい人、
詰まるところ団体の中での弱者を発見し、
そこをほじくる、イジる、嗤うことを

「面白いことだよね」
「お前も面白いと思うよね」
「俺はみんなが面白いと思うものを言っただけだよね」
「俺はおかしくないよね」
「俺は“8”だよね」
「“8”がこれを面白いと思ってるよね」

と周りにリアクションを求めるのです。
いわゆる何かと首を突っ込んで騒ぎ立てるやつです。
“何か”を生み出すほどの度胸や思い切りはない癖に、
騒ぎ立て、焚き付け、それを楽しみにし、
他者にその楽しみを共感してほしくて仕方がない。

浅ましい。

僕は“2”のうちの
いじめ断固反対派の亜種です。
亜種というのはまたいつか触れるとして。
いじめ断固反対派としては、
O先生の行動は吐き気ものです。

そして何が恐ろしいって。
恥ずかしいことに、僕の父が
そういうタイプだということです。

自分の体にそういった浅ましい人間の
血が流れているという時点で
眩暈がしてきます。

毎日自分が、自分に流れる血に負けて
クソ野郎になっていないか、戒める日々です。

硫化カピバラ

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