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How to playトランペット「高いは下で、低いは上?」編

こんにちは。
硫化カピバラです。

前回までの
「高い音ってどうすりゃ出んの?」編
で最後に触れた“他の工夫”について
覚えてらっしゃいますか?

今回はそれについて
書いていこうと思います。
タイトルも、意味がわからないものに
なっていますね。

僕がお世話になった先生の中で、
僕が小学生の頃から
面倒見てくださっている先生がいらっしゃいます。

先生はいつもひょうきんで
愉快な冗談を飛ばしてくれる人でした。
(変な書き方になってしまいましたが
ご存命です)

トランペット吹きとして
採用した方が良い方略も、
いつもの冗談と同じような
軽口でおっしゃるので
注意が必要でした。

そんな彼曰く
「高い音は下に重心を。
低い音は上に重心を。」
だそうです。

イメージしづらいかと思います。
が、これを意識すると
高い音がより美しくなります。

先生のおっしゃりたかったことは
トランペットの陥りやすい現象である
「攻撃的な音圧(あるいは音色)」
を解決する方法でした。

前回も触れた通り、
高い音には一定のパワーが必要です。
またシラブル(舌の位置)も
高い状態にすると出しやすいです。

しかしこれらのコツを
踏まえ“すぎ”てしまうと
聴いていて耳が痛くなるような
攻撃的な高音になってしまうことが
非常に多いです。

特定の誰かを攻撃するつもりは
一切ありませんが、
甲子園の応援ラッパのような
力任せの大音量で
下品な印象を受けますね。

吹奏楽やクラシックの世界だけでなく
人間が音楽という文化として嗜む世界では
基本、これらの音は必要とされていません。

あの手の乱暴な音は
軍人さんの信号ラッパか
スポーツ応援のブブゼラで十分なのです。

トランペットを吹いたことない方や
楽器の生演奏に慣れていない方は
トランペットは元々大きな、
ともすればうるさい音の楽器、
と思いがちです。

事実ポップスやジャズなどで
トランペットにカメラが向く際は
大音量で吹いているイメージがありますね。

あれらは実は
既にいくつかの配慮の工程を経た
大音量であって、
力任せのそれらとは全く異なるものなのです。

ではその配慮とは何か。
それが先生のおっしゃった
「重心の位置」なのです。

高い音を吹くとなると
どうしても「前」「上」「高い」
というイメージが先行すると思います。
高い音を出そうとしているのだから
当たり前だろうと思われるかもしれません。

ですがそのイメージが先行しすぎると
前へ前へのやかましい音になります。
人間と一緒ですね。
積極性を発揮しようとして、図々しくなる、
みたいな。

発揮してほしい積極性は、
あくまで人々の和を乱さない、
爽やかなものなのです。

ですので、
トランペットでも履き違えないように
しなければなりません。

それが重心を下に据えるというものです。
上に前に、が行きすぎてしまうなら
下に後ろに、と逆を行けば良いのです。

そんなに簡単なことなの?
と思われるかもしれませんね。
押してダメなら引いてみる、みたいな。
この言葉にドンピシャで当てはまる状態って
なかなか無いように思います。

僕の座右の銘(と言って良いのかはわかりませんが)に
「中庸」があります。
何事も偏りすぎずに、ということです。
過ぎたるは及ばざるが如し、です。

ハンモックをイメージしていただけると
よりわかりやすいです。
両端から均等な力が加わって
初めてハンモックとして成立します。

どちらか一方では、
ただ布がたなびいているだけです。
相反する力が、偏ることなく加わることで
ハンモックは人を支えることができるのです。

重心についても同様で、
完全に下に後ろに振り切る
ということではありません。
上に前に行き過ぎてしまっている意識を
調整するという程度です。

低い音も同様で、
下に後ろに、ではなく上に前に、
という相反する方向の力を加えることで
どっちりと安定します。

大学4年間下吹き(低音パートを担う人)だった
僕が言うので、違いありません。
と言うより、
そういった指導をなさってくれる先生に
出会えたからこそ、下吹きとして
うまくやっていけたのだと思います。
先生様様です。

初めはこれを意識するのは
とても大変です。
そこで件の先生が提案したのが
楽譜を逆さまにすることです。

楽譜を逆さまにすれば、
高い音は音符の球が下に、
低い音は音符の球が上にある状態になります。

視覚的な情報によって
意識を強化しようと言う作戦です。

僕の場合は混乱してしまったので、
ひたすら慣らす方法で体得しました。
向き不向きがあると思います。

つらつらと書いていきましたが、
要するに重心って大事だね、
と言うことですね。
偏ってはいけません。

硫化カピバラ

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