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イタリアにおけるグリーンパス(ワクチンパスポート)の現状

イタリアのグリーンパスとは?


グリーンパスは基本的にはQRコードで下記3つのカテゴリーの人が取得出来ます


◎ワクチン接種者


◎PCR 検査を受けた人(大人は1回15ユーロ、パスは48時間有効)


◎コロナウイルス感染から治った人

少し前までのイタリアでは、老若男女問わずマスクをして手の消毒して換気して皆さん気をつけましょうね、頑張りましょうねという、同士の様な連帯感があったと思います。

それが8月6日に導入された12歳以上対象のグリーンパスにより、嫌でもどちらかの派閥に属する紅白(ワクチン推奨派か反対派か)対抗の形がハッキリ作られてしまいました。

ドラギ首相はワクチン反対派は腰抜けだ社会の癌だと言い出し、それはベルルスコーニ氏が首相を担っていた時に、毎日のように言っていた敵は共産党(別に2大勢力でもなかったので実際にはなんの影響力もなかったのですが)を彷彿とさせました。

8月の時点でグリーンパスが必要なのは、レストラン室内、美術館、イベント、結婚式等で、もしパスの無い人が行きたい場合はpcr検査をして数日有効のパスを入手すればよいという形でしたので、日常生活にはなんの問題もなく過してきました。

ところが9月に入るとイタリア政府は10月15日から12月31日まで全労働者へのグリーンパス所持を打ち出しました。労働者の味方であるはずの労働組合(イタリアでは政党並みに力があります)は何もしないままです。


誰がコントロール出来るのか

グリーンパスのQRコードコントロールは幾つかあるアプリにより雇用者が従業員に行います。大きな会社の場合はランダム(5人に1人、従業員の20%以上)でもよく、仕事に支障が出ないようにという事ですが、プライバシーの侵害になるのでデータの保存は出来ません。一般的な就業時間よりも前にコントロールが必要な場合は48時間前まで出来ますが、ワクチン接種ではなくpcr検査の場合は有効期限が48時間なので、あまり前にやってしまうと就業時間中に切れてしまう可能性が高くなります。

グリーンパスがない場合

パスが無い従業員は理由がない欠席とみなされ、雇用者は解雇は出来ませんが給料だけでなく、税金等の支払い義務がなくなり、もし従業員がパスがないまま職場に来た場合は警察へ届け出て、その従業員には罰金(600〜1500ユーロ)の命令が出ます。

雇用者がパスのコントロールをしない場合罰金が400〜1000ユーロとなっています。

この内部告発の様なやり方がナチスドイツと比べられているのは想像出来るかと思います。

イタリアでパスはいつまで必要なのか?

今のところ12月31日までとなっているのは、緊急事態宣言終了日だからですが、施行日から最長2年と言われているので2022年1月まで延長される可能性もあります。

現在言われているのは、ワクチンはあくまでも呼水で本当の目的はこのパスの普及、人の流れのコントロール、例え期限が来てもこんなに素晴らしいコントロールの仕組みを政府が手放すとは到底考えられないという事です。新種のウイルスが出たと言って新しい緊急事態宣言を出せばそこから又2年今と同じく人々はコントロールされた状態が続く訳です。

ワクチン接種に義務はありませんが、受けたくない会社員なら週に2、3回はpcr検査を受けるので月に200ユーロほどの出費になります。12歳以上はグリーンパスが必要になるので、例えば習い事の為に毎週pcr検査を受けるという事も実際にあります。(未成年は1回8ユーロ)

グリーンパス反対運動とトリエステ

各地で起こっているグリーンパス反対運動の中には警察官がワクチン反対派の振りをして人を殴ったり、フーリガンの様な人達が荒らしたりと、一般のメディア報道と参加者達のアップロードするビデオとはあまりにも差があり、色々な問題が混ざり合って混乱を起こしています。

グリーンパスに反対しているのは、ワクチン反対派だけではありません。接種済みの人達も差別を止めようと動いています。その中でも真っ先にグリーンパスの撤回の為に動いたのがトリエステ港です。

トリエステ港の組合は、ワクチン接種に関係なくグリーンパスの撤廃、もしくはpcr検査の無料化を政府が受け入れず全員が勤務出来ない状態ならストライキを続行すると政府に要求しています。同じくトラックの運転手達も3人に1人は非摂取だと言われていて賛同しています。

今日現在イタリアのワクチン接種率は73. 45%

14日の朝ドラギ首相は全労働組合との緊急会議の要請をしました。15日以降のイタリアの様子をまた報告したいと思います。

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