ウイルスは悪者か―お侍先生のウイルス学講義
※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です
はじめの一行
プロローグ エボラウィルスを探す旅
本書は、著者がコウモリの糞を採取するため、森の奥地に入るところから始まります。
ちょっとしたクライマックスの一部で、そんなところから話が始まるのは、映画的でもあり、ワクワクします。
本書の内容
ウィルスのこと、著者のこと、研究のこと
本書には、三つの要素が含まれていると思います。
中心は、著者が研究するインフルエンザウィルスと、エボラうぃするについて。
学生時代に学んだ、遺伝子やら、細胞やらの生物学的な解説があります。
さらに含まれているのが、著者のパーソナリティについて。
ご自身の生い立ちやら、研究風景の写真なんかが紹介されています。
そして、研究をどう進めていくかとか、それらの将来的な意義とか。
そんな事も書かれています。
内容としてはこの三つが入り混じっています。
さて、私などは生物学の細々した話にはあまり関心がありません。
ですから、かなりの専門的な記述は読み飛ばしましたが、さほど問題なく楽しめました。
前半の、ごく基本的な知識については、その後の説明を理解するためにある程度カバーしておいたほうがよさそうですが、そこの基本知識があればだいたい何とかなると思います。
書籍全体から感じたこと
ウィルスに関する研究をどうするのか?といわれて正確に答えられる人はあまり多くないんじゃないでしょうか。
どちらかと言えば、研究室で白衣を着て、何かしら実験しているイメージが強い。
しかし、これを読んでいると、少なくとも著者はけっこうな僻地にフィールドワークにたびたび出かけているようです。
冒頭のアフリカの奥地や、北極圏や、紛争地帯に、ウィルス性疾患が大流行している地など。
こういった方々の苦労を経て、私達の日々の健康が保たれているんだなぁ、と実感します。
それと、数行で語られている部分ですが、ウィルスは別に人間に悪さをするために繁殖してるわけではないという事。
彼らもまた、自分が生きるために様々な工夫を凝らしているだけで、たまたまその一つが宿主に害を与えることになってしまったのがウィルス性疾患。
私達は、そんな「たまたま」におびえ、著者たちは、そんな「たまたま」と闘っている。
ある意味、自然の偉大さを感じさせられます。
いやー、読書って素晴らしいですね。
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