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心理学・脳科学の実験や知見をご紹介

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使える心理学・脳科学の知識を集めました。
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2019年7月の記事一覧

僕たちは、商品をほとんど正当に評価していない

一言でいうと人がモノを選ぶとき、正確に品質で選んではいない。 活用シーンマーケティング、広告、商品開発 内容行動経済学者アントニオ・ランゲルの研究。 ジャンクフードを買う時に… 文字や絵の表示から選ぶより実際の商品を見せられた場合のほうが40~61%多くお金を出すことが分かった。 商品がアクリルガラスの向こうに置かれていて実際に手にとることができないと、金を出す意欲が文字や絵のレベルにまで下がることが分かった。 洗剤を使った実験 ・ほとんどが黄色の箱に入った洗剤 ・青

人は同じ名前の人を好きになる

一言でいうと人は自分を好きになりたいと思い、 自分と似たものを他人に求める 活用シーン人間関係 内容2004年John T.Jones アメリカ島南部の三つの州で結婚と名前の関係を調べてみた。 アメリカで最も多い5つの名字を調べると以下の通りの結果が出た。 この結果に対して、「人間は自分自身に満足したいという基本的欲求を持っており、そのため、たとえ名字のような無意味そうな特性であっても、自分に似た特性を無意識に好む傾向がある」と考察されている。 『しらずしらず――あな

人は、自分の事しか関心がない!?

一言でいうと人は自分のことに高い関心を示し、 オンラインになるとさらにその傾向は高まる 活用シーンマーケティング、広告、自己啓発 内容2012年ハーバード大学の研究 対面で話す場合、私的会話の約1/3の時間自分自身について話している オンラインになると、その割合が80%に跳ね上がる。 ◆◆◆◆ ソーシャルネットワークのコンテンツ分析をしているニュースウィップ社は、フェイスブックで最も人気のあったストーリーを毎年発表している。以下が2014年のトップ10である。 1.

「口コミ」という幻想

一言でいうと1対1がつながる瞬間が100万回存在したのではなく 1対100万の瞬間が何回かあっただけ 活用シーンマーケティング 内容2012年ヤフーの研究者達がツイッター上の数百万件のメッセージの広がり方を調査した。 90%以上のメッセージはまったく広がらなかった。 1%だけが、7回以上シェアされた。 その中の最も多くシェアされたメッセージでさえ、本当に「バイラル(口コミ)」と呼べるひろがり方をしたものはなかった。 人々がツイッターで目にするニュースの95%は、元の情

映画・出版・アプリ開発はほとんどが失敗する

一言でいうと一つの成功が、ほとんどの失敗を駆逐している 活用シーンマーケティング 内容1996年経済学者アーサー・デ・バニーとデイヴィッド・ウォールズの調査 1980年代に封切られた約300本の映画の興行収益を調べた。 結果わかったことはパターンがないということだった。 2015年ハリウッドの6大スタジオが公開した100本以上の映画のうち、5本の映画で、興行収入全体の22%を占めた。 イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートの発見 社会全体の富のうち80%は、人口の

10年後に流行るファッションは今見ると「下品」?

一言でいうと流行にはサイクルがある 活用シーンブーム、ファッション 内容英国ファッション誌研究 ジェームズ・レイヴァーが提唱した「レイヴァーの法則」 ファッションの受け止め方が、時間の経過とともにどのように変わるかを示した理論上の基準。 下品(indecent) 流行の10年前 慎みがない(shameless) 流行の5年前 一風変わった(outre、daring) 流行の1年前 かっこいい(smart) 流行しているとき やぼったい(dowdy) 流行の1年後 見苦

沢山の項目のアンケートは評価を下げてしまう?

一言でいうとあまり考えないほうが好きになれる 活用シーンイメージ戦略、ブランディング、アンケート 内容英国の研究者による。 大学生たちにトニー・ブレア元首相について尋ねる。 「よいところをたくさん挙げてほしい」と。 その数が増えるほど、ブレア元首相への評価はおちた。 夫婦間において同様のことをすると、やはり魅力のポイントを少なく言わせたカップルほど相手に対する評価が高かった。 『ヒットの設計図――ポケモンGOからトランプ現象まで』デレク トンプソン (著) 要は、そ

ザイアンスの法則はモノや写真でも有効

一言でいうと人はなじみのあるものが「好き」 活用シーン営業、販売、マーケティング、人間関係、恋愛 内容1960年代心理学者ロバート・ザイアンスの実験 ・意味のない言葉、 ・でたらめの形 ・漢字に似た文字 等を実験参加者たちに見せてどれが好きかを答えさせた。 結果は何度実験を繰り返しても同じ結果が得られた。 人々は言葉でも変な形でも、一番目にする機会が多かったものを選ぶ。 単に一番多く見せられたものを好きだと答えた。 『ヒットの設計図――ポケモンGOからトランプ現象

不安の87%は実現しない

一言でいうと取り越し苦労が多い 活用シーン自己啓発、メンタルヘルス 内容ある調査によると、不安に思うことの・・・ ・87%は絶対に起こらない ・7%は必ず起こる。 ・6%は少し防ぎようがある 『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング 』アラン・ピーズ (著), バーバラ・ピーズ (著) 出典は明確にされていませんが、それなりに具体的な数字なので、それなりに調査されたのでしょう。 人は不安や恐怖には敏感です。 なぜなら、それが我々の生存戦略だからです。

このテストが200点以下なら病気になる確率は10%以下

一言でいうとストレスと病気の関連性を知らべ、1年のストレスの合計値と病気になる確率を明らかにした 活用シーンメンタルヘルス、健康 内容精神科医トーマス・ホームズとリチャード・レイによる研究 「人生で起こりうる44の出来事」リストを作り、それを過去二年以内に経験したかどうかを五千人以上の患者に尋ねた。そこから、ストレスから病気になるきっけん性がどれくらいあるかを採点できる仕組みを作った。 【出来事】 ・配偶者やパートナが死亡した……100点 ・死の脅威にさらされた……10

4倍見れば、スキになる!?

一言でいうと良し悪しより「なじみ感」が重要 活用シーン営業、人間関係、マーケティング 内容コーネル大学、ジェームズ・カッティングの実験 166人の学生を募った。 印象派の絵画を2点ずつ組み合わせたものを見せた。 2点の組み合わせ方法は、片方は他方より「はるかに有名な」作品(大学で使っている教科書に出てくることの多い作品)とした。 10回のうち、6回までは学生はより有名な絵のほうを「好きだ」と答えた。 有名な絵の方が優れている可能性を否定するためさらに以下のような実験を

体外受精の確率を上げた「笑い」

一言でいうと「笑い」が体外受精の確率を上げた 活用シーン自己啓発 内容パリの体外受精の専門医、シェヴァッシュ・フリードラーの実験。 イスラエルのツリフィンにあるアサフ・ハロフェ医療センターで、 一年間に体外受精を受けた直後の女性219人のうち 半分には「ピエロの恰好をして20分間、奇術やジョーク、手品やコメディー」を演じて見せた。 残りの半分の女性には何もしなかった。 結果、 ピエロを演じて見せた女性の妊娠率 36% 何もしなかった女性の妊娠率 20% と成功率に影

訴えられる医者と訴えられない医者の違い

一言でいうと医療訴訟を受ける医者と受けない医者は、ミスを犯す回数とはほとんど関係ない 活用シーンクレーム対応、人間関係、接客 内容ウェンディ・レビンソンの研究 レビンソンは医者と患者の会話を何百件も録音した。 半数は訴えられたことのない医者 半数は二度以上訴えられている医者 明らかな違いは一人の患者に付き合う時間だった 訴えられたことのない医者:18.3分 訴えられたことのある医者:15分 心理学者ナリニ・アンバディの研究 レビンソンのテープの医者が話している部分

「部屋」は「人間性」をあらわす鏡

一言でいうと赤の他人の部屋を見せると、部屋の様子からその住人の性格を正確に言い当てられた 活用シーン対人関係、採用 内容心理学者サミュエル・ゴスリングの研究。 ステップ1 大学生80人の性格を詳しく調べた 方法は「人物調査のための五項目(外向性、協調性、まじめさ、感情の起伏、好奇心)」を用いた。 ステップ2 まずは親しい友人に評価させた。 長い付き合いを通じて得た情報はそこそこ正しかった。 ステップ3 対象となる学生と会ったことのない赤の他人に性格を当てさせた。 判断