7月読書記録「元カレの遺言状」「夜の紅茶」「なかなか暮れない夏の夕暮れ」「号泣する準備はできていた」「ギフテッド」「東京四次元紀行」


7/25月 洗濯をして外に干し終わったとたん、☔・・( 一一)

昨日は2020年2月以来の再会というお楽しみ会(ランチ会)・・店はガラガラだった。たぶん先週だったらめちゃ込みだったろう

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p20 「私はお金が欲しくて働いているんです、勉強だとかなんとか言って天引きされたら、たまったもんじゃない、お金がもらえないなら働きたくありません、こんな事務所辞めてやる」・・ボーナスが250万円と提示されて怒りまくる剣持麗子

父と兄は官僚、母は専業主婦、「毎晩寝るたびにその日あった細かいことを忘れてしまう性質」

「完璧な殺害計画を立てよう、あなたを犯人にしてあげる」(あなた=篠田

「面白かった!!な」読み始めてすぐお金大好きの弁護士麗子は「嫌いだ」・・が次のページで「惨めになった・・」という文で一転、「いいやつじゃん、正直だし!」とそこから麗子のファンになり終わり近くまで推理を楽しむよりは麗子の行動や感情の動きを楽しむ状況だ、最終ページに近づくにつれて誰が犯人だ?とかいっぱい登場する人物たちの関係性等々必死に追いかけまわした。。こういう楽しい推理小説を読んだのは私は初めてかもしれない・・息子が子供のころ夢中になっていたミステリーたち(題名が思い出せそうで出てこない)に雰囲気が似ているものがあったかもしれない。麗子を追いかけているうちに、むかし夢中になっていた「サラバレツキー」を思い出し、読み直したくなった。サラはもう少し暗めのキャラクターだったかもしれない。剣持麗子はシリーズ化してほしい、必ず購入したい。

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私の生活とは全く無縁のインテリジェンスが漂いまくりで、住む世界がちがう。。とため息をつきつつしばし高尚なひと時を楽しむといったところ・・本当は紅茶なんぞのみながら読むとますます良いのだろうけれど・・( ;∀;) 頑張って読み進めていくと、少しは人となりがわかる文章も出てくる。4歳の時に実母をなくしていることは人格形成に大きな影響を及ぼしているだろうと自覚していること、読書について(内的体験が豊かになる。。などはなるほどと思う)、父との確執、奥様を大事に(頼りにしていた?)していたこと等・・鼻持ちならないインテリで頑固者強気負けず嫌いな姿と繊細で気弱で優しい姿。。いろいろ感じられて最後まで読んでみてよかったなと思えた

p259~の「小判と木の葉」も心に残る。土地とは??金とは??から始まる。三里塚の農民たちはなぜあんなに土地収用に反対するのであろうかと考察につなげる。「土地は<もの>だがお金は<もの>ではなく<ものをあらわすもの=象徴>だと書く・・最後の4行がずしんと重く心に響く

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5年ぶりくらいの再読。本ばかり読んでいて行動範囲が狭く不器用で非力、誰にでも優しいが冷淡、結婚はしていないが子供が2人いる50歳くらいの稔さんの日常生活。。高等遊民でうらやましい限りだけど、「ちぇ」みたいな不快感がない。登場人物が多いのはわかっていることだから、主人公稔さんに集中して読もうと思ったけど、やっぱりすべての登場人物が魅力的で少しづつ変わってるけど素敵な人ばかり慌ただしかったり嫌なことが多い日常の中のほっとする読書時間だったp186,p286 渚の心情を吐露する文章が心身に染みる。共感度MAX

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短編がいっぱい。すべての登場人物が全く違っていてお話もすべてちがう。題名もユニークなものばかり。「じゃこじゃこのビスケット」なんて思わず「なに??」とびっくりして次に笑える、内容もとても面白かったしお気に入りだ。<物悲しい><孤独><静寂><不穏><少々狂気>は共通しているように思う。「p78 結婚および結婚生活の話はもうしたくなかった。話せば話すだけ困惑を増す」わかるわかる・・。p91「私は浮気なんかしていない。したこともない。でもあなたと別れたいと思っている。それって、浮気をしているよりひどいよね」・・本当に!!これもわかる「p106 デパートで自分以外の誰かのための買い物をすることくらい幸福なことはない」。。無理してるよね。。「p178 自由とはそれ以上失うもののない孤独な状態だ・・・」無言・・素敵で悲しい話がいっぱい。直木賞受賞作だったのは超納得

ラジオの対談番組で最終ページ最後の文章について盛り上がっていて(作者の一番書きたかったこと)興味を惹かれた。癌でまもなく死を迎える母と看取る娘(わたし)の物語。二人とも男好きの容姿端麗で、それゆえの生きづらさもあるという設定。読み始めてまもなく「生きてきたように死ぬ」という言葉を思い出す。母はわたしに「産んでよかった」という。これってずるいんだよなと見聞きするたびにちらりと思う。言ったほうはすっきりする(たぶん)し、言われたほうも嬉しいし励みにもなるだろう(たぶん)けど「それで?」とか「今更?」とか・・ちらちら考えてしまう。そして最終ページ、「うん??」と思いもう一度二度・読んで「ああぁそうか・・」と自分自身の様々な場面や感情が次々と思い出されてくる。ああそうか、そうだなあ・・と余韻に浸っている

読み終えて序文を読み直すと「虚実混交し、混乱させるだろう」と書かれていることを確認、その通り、ゆらゆらとあちこちの街を移動し時間を移動する。都内はごく一部しか知らないからイメージできるのもわずかなんだけどやめられずにゆるゆると読み進めた。飲酒しながら。。というのもよいかもしれない。内容については感動するとかじわっとくるとかではなく「怖っ」ギョっとするとか「やるじゃん」とにやりとするとか苦笑するとか・・いう感じ。著者の遺作で唯一の小説となったそうで、書きたいことを自由にかいたのだろうなと思う。

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