本「にっこり洋食」「金子光晴を旅する」「心はどこへ消えた」映画「オーバーフェンス」

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2022.3.6日、ようやく読了。洋食の思い出話など32編、トップバッターは江國香織さん、村上春樹でもちろん次へ次へと読ませる、現代から戦後まもなく、戦前へと時代もさかのぼり当時の街の風景とともに洋食話が展開、トンネルを抜けたら過去だったみたいな。。で飽きてきたころにまた少しづつ現代へ戻る。有名な平松洋子「いつもこころにオムライス」もでてくる。石井好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」は入っていないんだなあとぼんやり思う。最後は武田百合子、椎名誠で終了。あれこれ付箋を貼ってたけれど、武田百合子さんの文章を読んで、「これが一番好き」と付箋をはがして終了。武田百合子さんの文章は、娘さんと冬物のバーゲンを物色のため夏に百貨店へ行くところからはじまる、そのあと、レストラン街で昼食をとる話なのだが、本音とユーモアがあって淡々と描かれているのが最高に面白い

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きれいな表紙に惹かれて旅行記と思い読み始めたら、詩人の成り立ちの旅行の記録と21編のエッセイだった。戦前の若いころアジアからヨーロッパを旅しエトランゼの視線で詩を書き続けた方だと初めて知る。反骨の詩人だったようで、息子を戦争に行かせなかった話とそういう本を今たまたま読んでいることにぞわぞわっと震え、驚く。夫婦関係のあり方も興味不快。詩を読んでみたがとても難しい。・・がもう少し読んでみようと思う。高齢時のインタビューで「旅はもう行きたくないよ」という話が印象的。フーテン=瘋癲の意味も初めて知った。今さらと思いつつ知らなかったことを知るのは楽しい。

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 コロナ禍2年目2020年5月から2021.4月まで週刊誌連載のエッセイ集
大学の先生の知識と臨床カウンセリング経験からの話の数々は説得力抜群だし、語り口は優しい。けど今苦しみのどん底にいるとしたら響かないだろうなぁ「過去は変えられないし失われたものは戻ってこない」等々わかっちゃいるけど・・と毒を吐きたくなることしばしば。しかし先生も人格否定されるような経験もたくさんしての今ということがわかると毒吐きも収まった。心が苦しくなりそうと感じたときに読むと気づきとか試してみようと思えそうだ。・・「心は失われる ~ 話し合う ~再び心を見つける~」

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