8月読書記録「クロスボーダー」「ひとり日和」「ヒノマル」

新川帆立さんの小説を読んでる途中、VIウォーショースキーが思い出され、何十年ぶりに最新刊(2017年)を読んだ。VIウォーショースキーは相変わらずかっこよくてしびれた。久々のミステリーは情報量が多くて頭はパンク、そもそもは①殺されたフォーサンのポケットから親友ロティの甥のフェリックスの電話番号が書かれたメモが出てきたのはなぜか②姪のリノが失踪、どこへ??ということなのだ。それを確認しつつ読み進めないと混乱の極みとなる。VIウォーショースキー風に言えばアドレナリン全開で心臓バクバクのページもあったし、怒りや悲しみを感じるページもあったし、混乱の中でも恋愛っぽい時間を楽しむVIウォーショースキーもいたし・・十分楽しんだ。初期作品を読み返そうか迷っている

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2007年2月 本棚を整理してしていたら目に留まって、再読。。のはずなんだけど全く記憶と違っていた。21歳の知寿さんと71歳の吟子さんの1年弱の同居物語。。と書くとほのぼのしたお話を予想するんだけれど、いえいえとんでもない・・知寿さんは、私立高校教師の母と二人で暮らしてきた。母が中国へ行くことになり、さて20歳の知寿は東京で一人暮らしを希望したが、心配した母は71歳吟子さん宅への下宿を準備した。
知寿は見た目ギャルっぽい時とそうでないときの落差が激しい。若い女性ということははっきりしているが、「尻を掻きながら」母に手を振ったりする。
そして・・手癖が悪い。これを知ったとき・・「えっ、やばい人?」と引いた。さらに結構ひねくれていて意地も悪い。。この人間性が原因か否か恋愛は長続きしない、恋愛が終わるときめちゃくちゃ落ち込み、立ち直れないのが実はとても可愛い。本人は苦しんでるのだけれど・・。この落ち込んでいる姿が知寿ちゃんの本来の姿ではないかしら。
で、71歳吟子さん。。作者は若い女性のはずなんだけど、71歳の吟子さんのセリフがいちいち刺さる、とても心揺さぶられる。何気に読み始めたのだけれどものすごく読み応えがあって何度でも読み返したくなる本だった

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第二次世界大戦下 勇一大学生、勇二15歳中学生、勇一の恋人涼子の3人と、それぞれにかかわるすべての人の物語。キャラクターの設定や筋運びなどどこかで観たことことあるようだなとか、涼子さんは〇〇さんみたいとか、作者の考えが勇一勇二啓介他分散されているんだろうなとか思いつつ読む。しかし途中、初めて知るような描写ページもあり恐ろしくなって一度本を閉じる。そのとき巻末2ページ半にぎっしり参考図書が並べられていてこれだけの冊数の本(80冊以上)を引用しつつ書き上げたのだと尊敬の気持ちを持つ。500ページの長編、兄勇一が亡くな田あとは少し飽きてしまい後半200ページは斜め読み。ドラマ化やアニメ化などして多くの若い人たちにこういう青春もあったと知ってもらってもいいのでとも少し思う。

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