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ChatGPT作『こんな夢を見た』全十篇朗読【フリー台本】

AI時代の「夢十夜」夏目漱石へのオマージュであります…。

最近、ソフトウエア・エンジニアとしての本業のほうでも、ChatGPTを組み込んだソフトを開発しております。が、それだけでは面白くないので、趣味でChatGPTに短編小説を書かせてみることにいたしました。

あの有名な『夢十夜』という小説は、10の短編からなり、「こんな夢を見た。」で始まるものも多いのです。それにちなんで、「こんな夢を見た」で始まる短編を、十夜連続でChatGPTに作らせて、朗読してみました。

それっぽい会話をするのを目的に作られたChatGPT、さすがにそれっぽい文章を作成してくれますね!それなりに楽しめるものができるかどうか?という実験と思ってやってみました。

朗読したものは、音声SNSのStand.FMにアップしております。


『こんな夢を見た』

作: ChatGPT
監修、プロンプト・エンジニアリング: 奥村薫

第一夜

こんな夢を見た。

ある晩、月見草が咲く頃、私はある古びた邸宅を訪れた。月明かりが淡く照らす庭園に、ひときわ美しい華やかさが漂っていた。そこで私は、緋色の羽織をまとった美しい女性と出会った。彼女はアジサイのように、濡れた夜空を映す瞳を持ち、言葉も態度も優雅であった。
彼女は、その邸宅の主人であることを告げ、私に一つの謎を解くよう依頼した。謎は、この屋敷に隠された秘密の書物に関するものであった。秘密の書物を探す手がかりは、邸宅のどこかにあるという。

私は、彼女と共にその邸宅を探索し始めた。廃(すた)れた部屋には、かつての栄華を偲ばせる数々の遺品が眠っていた。時折、古い鏡の中に映る女性の顔が、まるで幽霊のように消えていくのが見えた。奇妙なことに、私はその女性が、緋色の羽織をまとった彼女であることを確信していた。
ある部屋で、私はついに秘密の書物を見つけた。それは、見るからに古い硯箱(すずりばこ)の中にあり、ふたには細(こま)やかな花模様が描かれていた。私が、彼女にその書物を手渡すと、彼女の顔に、ほのかな笑みが浮かんだ。

しかし、その笑みはすぐに消え、彼女は突然その書物を燃やし始めた。驚いた私は理由を尋ねると、彼女は緋色の羽織を脱ぎ捨て、その下から蒼白な顔を現した。彼女は、その書物には彼女の命運(めいうん)が記されており、それが消えることで、彼女はこの世から解放されると言った。
書物が炎に包まれる中、彼女は消えていった。私はその場に残された緋色の羽織を拾い上げ、夢から目覚めた。

第二夜

こんな夢を見た。

私は古びた寺の境内に佇み、風に舞い散る枯れ葉の様子を見つめていた。空は紫がかった夕闇に包まれ、薄れゆく色彩が空気を染めていた。杉の木々が風にそよぎ、ささやくような音を立てる。その時、寺の扉がゆっくり開き、墨色(すみいろ)の衣をまとった和尚が現れ、手には一本の光る杖を持っていた。

和尚は、無言で私に手招きし、寺の中へと誘う。足音を立てずに進む私たちの背後には、薄暗い廊下が幾重にも折り重なり、奥へと消えていく。途中、かろうじて光が差し込む部屋に入ると、床には無数の時計が置かれており、その針は全て異なる速さで進んでいた。和尚は私に微笑みかけ、時計が示す時間の意味を尋ねた。

私は黙って、時計の針の音に耳を傾けた。その音は、次第に重なり合い、懐かしい旋律へと変わっていく。和尚は再び手招きし、私たちが進む先には、淡い光と庭園が広がっていた。そこでは穏やかな風が吹き、山桜の花びらがいつまでも舞い散っていた。和尚の後に従って、庭園の小道を進んでいく。遥か彼方から梵鐘(ぼんしょう)の音が聞こえる。そして、私はその不可思議な境界を超え、夢の中の現実へと足を踏み入れた。

第三夜

こんな夢を見た

夜半に私は窓辺に立ち、月の光に照らされた庭を眺めていた。その庭には、古い言い伝えがあった。何代も前の、この家の主が、六つになる子供を亡くし、悲しみのあまり庭に埋めてしまったという。その後、庭には珍しい花が咲き乱れ、月明かりに浮かぶその姿は、見る者の心を奪った。その夜も私は、その幽玄な光景に見入っていた。

夢の中で、六つになる子供が背中にしがみついている。顔も名前も知らぬ子供だが、私はなぜかその子を親しいもののように感じた。背中に負ぶったまま、細い道を歩いていると、その子は私に囁(ささや)いた。「私は庭に埋められた子供だ。一度だけ、あなたと遊びたい」。私は驚きながらも、うなずいた。

子供と共に、月の光に照らされた庭で遊ぶ。古い言い伝えの子供と、何世代も離れた私。現世(うつしよ)と幽界(あのよ)が交わったような不思議な空間に、月の光が踊り、花々が囁(ささや)き、おさなごの笑い声が響く。やがて夜明けが近づき、その子は私に告げる。「ありがとう。もう帰るね」と。
その言葉と共に、静かな風が庭を通り抜け、月の光がやわらかく揺れた。子供の姿は徐々に朧気(おぼろげ)となり、そよ風とともに消えていく。そして、庭の花々が月の光に煌めく中、長い長い時が過ぎてゆくのを、私は静かに見守った。 

第四夜

こんな夢を見た。

私はひとり町はずれの小径を歩いていた。日が沈みかけた頃で、すでに闇が迫りつつある。遠くに見えるお爺さんに気づいて、足早に近寄った。
「お爺さん、どこへ行くのですか?」私は声をかけてみる。お爺さんは私を見つめ、やがて微笑んで言った。
「ああ、子よ。お前にもその甘美さを知らせよう。ついておいで」

私とお爺さんは、さらに暗くなる前に、ある川へたどり着いた。その川のせせらぎは、月明かりに照らされ、輝くようだった。
「さあ、子よ。これを食べてみるがいい。」お爺さんは、手にした袋から、不思議な食べ物を取り出した。それは、つややかな色合いを帯び、香り高く、見たこともない形をしていた。私はためらいつつ、お爺さんに手渡されたそれを口にした。すると、その瞬間、世界が変わったかのように感じた。川の音が、まるで楽器のように美しく響き、月の光が、いつもよりいっそう煌(きら)めいているようだった。
「この味、どうだい?」お爺さんは私に問いかける。私は言葉を失って、ただ目を丸くして見つめた。お爺さんは再び微笑んだ。
「これは、子よ。夢と現実が交じり合い、世界が一瞬、異次元へと変わる味だ。だが、これはあくまで夢の中だけの話だ。」
私は、その言葉を聞いて、急に我に返ったように感じた。そして、まるで泡沫(うたかた)のように、なにもかもが消えていった。 

第五夜

こんな夢を見た。

月明かりが透き通る如く、白く光り輝く琵琶湖の畔(ほとり)に、我が身は囚われのまま伏せられていた。嘆き悲しむことも許されず、ただ時の流れに身を任せるばかりである。水辺(みずべ)には紅葉(もみじ)が散り、夜風に舞い踊るかのように見えた。
 
何もかもが遠く、心までが遠ざかっていく感覚に苛まれる。ある晩、刻一刻と沈んでいく夕陽を映すかの如く、我が心もまた闇に沈んでいくのを感じた。あたかも、最期の時が迫っているような錯覚である。そして夜半には、久方(ひさかた)ぶりに我が身の束縛から解き放たれたかのように感じた。幻(まぼろし)か現(うつつ)か分からぬまま、かつて我が身を奪われた 所へと漂っていった。その場所、湖畔の小さな入り江には、白い姿が月明かりに照らされて佇んでいた。その女の姿は、いにしえの麗人(れいじん)の如く、清らかでありながら哀れみ深いものであった。女は我を見つめ、微笑みかけた。微笑みは、どこか寂しげでありながら、人の域を超えた神秘さを秘めていた。

その後時折、その白い姿と遭遇した。しだいに、我が心には、かすかな望みと、触れたくても触れられぬもどかしさが漂い始め、我が身を取り戻すことへの願いを強くした。しかし、願いは叶うことはなく、しだいに我が身もあの女と同じく、忘れ去られた存在へと変わっていくのを感じた。そして、変わり果てた姿で最後に白い姿に会ったとき、女は再び微笑みかけ、そっと我が肩に手を置いた。その瞬間、すべての苦しみが消え去り、我が心は静かな湖面のような安らぎに包まれた。女は言葉もなく、ただ微笑みながら遠ざかっていった。
 そして、我が身はあの女のように白く輝く存在へと変わり果てた。

第六夜

こんな夢を見た。
 
朝もやが漂う中、自分は何処か知らぬ場所にたたずんでいた。頭上には、大きな松が 遠く澄んだ空へと向かって延びている。それは、自分がかつて居た寺院の山門を彷彿させる光景であった。あの松の葉のざわめきは、自分の心に深い印象を残していた。
 
濃い霧が次第に晴れていく中、自分は山門の向こうにある仏殿(ぶつでん)へ足を運んだ。静かな佇まいの仏像が微かに微笑むかのように見えた。その瞬間、自分はこの場所に宿る何か特別な力を感じることができた。
自分は仏殿の周りを散策していた。小さな石灯籠(いしどうろう)が並び、木々の間から漏れる日が、風に舞う落ち葉を金色に染めていた。自分は、その光景にどこか懐かしさを覚えた。
 
やがて、自分は一輪の花に出会った。花は紅く、儚げな姿で石畳に咲いていた。自分はその花に向かって手を伸ばした。が、指先に触れることはなかった。そのまま時間が止まったかのように思えた。
 
ふと気が付けば、夜の帳(とばり)が下(お)り、月が空に昇り始めていた。寂(さび)れた庭には、蛍の光が幽玄な舞を描いていた。ひとつひとつの光が、自分の心に何かを訴えかけるかのようだった。その時、自分は確信した。この場所は、遥か昔、自分が生きていた時代の何処かに存在していたのだ。自分は、その時代に戻りたいと願いながら、庭に舞う蛍たちに告げる。
「私は、あなたたちと共に生きたい…」
しかし、蛍の光は次第に遠ざかり、やがては消え去っていった。 

第七夜

こんな夢を見た。

何でも大きな船に乗っている。
夜は闇のうちに深く沈み、月がかすかに照らす海面(かいめん)は、黒い絨毯(じゅうたん)のように静かに広がっていた。周囲(しゅうい)には何も見えず、ただ船が漆黒(しっこく)の水面(みなも)を進んでいく。
 
楽団(がくだん)の音色(ねいろ)は、大広間を満たすように響き、周囲の上流階級の人々はその甘美な調べに乗せられ、優雅(ゆうが)に舞い踊っていた。彼らの笑顔は夜空に煌(きら)めく星々のように美しく輝いている。豪華な照明が、夜が更けても舞い踊る人々を淡い光で包む。彼らは何の憂いもなく、ただ酔いしれるようにその時を楽しんでいた。僕はその隅で、自分の影と共に舞い踊る人々を眺めていた。僕はその影の中で、心に渦巻く哀愁(あいしゅう)を抱えていた。自分だけが居場所を見失っていた。

孤独な心が闇に呑み込まれそうになり、船首(せんしゅ)へと足を運んだ。そこには果てしなく広がる闇と、闇の中から吹き寄せてくる風、そして一筋の月光だけがあった。僕はその光景に心を奪われ、海に身を委ねることを決意した。震える手で手すりを握り、わが身を船の外へと投げ出した。深い海への恐れを抱えたまま、一瞬の無重力感を味わった。浮遊感に包まれ、自分が海と空と一体になったかのような錯覚に陥った。そして僕は、船が遠ざかるのを見送った。

水面(みなも)の波は、空に散らばる星々を映して、僕の心を満たした。僕はその光景に心を奪われ、闇の中でただただ身を任せて落ちていった。
身体が冷たい海面(かいめん)に浸(ひた)される感覚は、まるで新たな生を迎えるかのようであった。その瞬間、僕は自分がここに来るべきであったことを悟った。

しかし海はさらに僕を闇と深淵(しんえん)の奥底へと引きずり込んでいく。
そして月明りが遠ざかるのを目にしたのを最後に、僕はこの果てしなく広がる海の中で、静かに闇に吞まれ、落ちて行った。

第八夜

こんな夢を見た。

敷居をまたぎ、四角い部屋に足を踏み入れると、窓から微かに差し込む光が、部屋の隅々に柔らかな影を作り出していた。
その中央には、彫刻が施された椅子が鎮座している。私は、その椅子に腰を下ろし、身を委(ゆだ)ねるように背もたれに身体を預(あず)けた。その際に私の視界(しかい)に入ったのは、幾重にも重なる鏡であった。鏡たちが織り成す光景は、無限の回廊を連想させた。薄暗い光の中に、複雑に絡み合う鏡の反射が、まるで宝石のように輝いていた。私は逡巡(しゅんじゅん)しながら、その中に自分の姿を探した。

目の前に、次々といろいろな人々が現れた。彼らは鏡の中のみで姿を現し、それぞれ異なる表情を見せていた。彼らは覗き込む私に気づかず、自分たちの世界で暮らしていた。ここは何処だろう、何故私はここにいるのだろう。思索(しさく)を巡らせる私の胸中(きょうちゅう)に、漠然(ばくぜん)とした不安(ふあん)が募(つの)っていた。しかし、その感情を掻き立てるものが何か分からず、ただ無言で椅子に凭(もた)れていた。

時が過ぎるのも忘れて、私はその場に留まり続けた。その間(あいだ)も、いろいろな人々は鏡の中で息づいていた。彼らと触れ合うことはなく、その姿を見つめるばかりでだった。やがて、私の視線の先にある鏡に、ふと目を惹く影が映った。それは、私とうり二つの姿をしていた。影は私の目を見つめ、悲しげに微笑んだ。私はその影に向かって手を伸ばそうとした。しかし、不思議なことに力が入らない。手は途中で止まってしまって、ちっとも動かなかった。

第九夜

こんな夢を見た。

世の中が何となくざわつき始めた。若い母は、幼子を抱えたままだらだら坂を下りていく。坂の両側には古びた民家が並び、その間を狭い道が蛇行していた。母の目は焦りと恐怖に濡れており、その瞳はなんとも言えぬ陰鬱(いんうつ)さを湛えていた。幼子の小さな手は、握りしめられた母の着物の袖(そで)を離さず、揺れていた。

そこには、密かに囁(ささや)かれる、秘密があった。母と子が坂を下りるたび、彼らの後ろから、いつしか不気味な影が追いかけてくる。影は伸びるにつれ、母の顔は青ざめ、幼子の瞳は涙で潤(うる)んだ。夕暮れ時の空は、暗く沈んでいくかのように重く、彼らの足音は、遠く微かに響いていた。

やがて、坂の途中にある小さな祠(ほこら)に辿り着くと、母は立ち止まり、祠の前に手を合わせて、祈りを捧げた。その時、風が木々を通り過ぎ、聞こえるか聞こえないかの声が聞こえた。「この世の理(ことわり)を、なぜ知りえぬのか。」母は顔を上げた。その後、幼子の手を握りしめ、彼らが過ごす運命を受け入れるように、坂を下りていく。すると、不気味な影は遠のき、夜の闇が彼らを包み込んだ。それは、祠の神による神託であったのかもしれない。こんな話を、私は夢の中で、母から聞いた。

第十夜

こんな夢を見た。

夢の中であの往来を眺めていた。時折立ち寄る、いわゆる昔の街道だ。踏み固められた道の両脇には、小さな店が点在し、その軒先には土鍋や籠がかけられていた。街角に立つ老木は、ひの光に照らされて輝き、木漏れ日が優しく揺らめいている。そこには、淡い色彩の風景が広がり、かすかに新緑の薫りが漂っていた。

しばらくの間、静かに往来を眺めていた私のもとに、ふらりと彼が帰ってきた。風に舞う髪と、そこに映る影が、まるで詩の一節のように揺れ動いていた。彼は私に微笑みかけ、その細(ほそ)い指で指し示す先(さき)には、幾重にも重なる霞(かすみ)がかかっていた。その彼の姿は、静謐(せいひつ)な空気をまとい、遥か彼方から訪れたかのように感じられた。

彼は、私を導くかのように歩(あゆ)み出した。私はそれに従い、往来の先にあるものを見つけに行くことを決意した。だが、足を踏み出す度に、道は遠くなり、夢の中でさえもたどり着けない場所へと続いていく。ついに彼は私を振り返り、その瞳に悲哀の色が宿った。「さようなら。」彼はそう言い残し、霞(かすみ)の向こうへと消えていった。私はただ立ち尽くし、その後ろ姿を見送ることしかできなかった。

そして、目が覚めた。夢から覚めた私は、あの往来のことをずっと思い返していた。だが、どれだけ時が経っても、あの夢の先へはたどり着けないだろう。彼は救われるまい。

備考:環境など

  • ChatGPT V4。バージョンはV4(有償版。$20/月)を使用しています。

  • 最初の頃は、一発勝負(プロンプトで一回指示を出したのみで、その出力を採用する)でした。後半では詳細な指示を出したのちに、何度か、修正指示を出して作成したものもあります。

  • 追加のLLM(言語モデル、学習データ)などは使用していません。

コンテンツの利用

AI が生成した文章の著作権に関しては、まだ未知の部分もあるでしょう。しかしAI が生成したコンテンツは「著作物」とみなされず、「著作権」も発生しない、と言われています。朗読するために、著作権フリーのモノを探している人には朗報とも言えます。

もしかして、これらを「朗読してみたい!」「使いたい!」と思う方が居られましたら、是非ご利用ください。以下の「ご利用について」をご一読ください。

トップ画像は、AIにより作成  [Image Creator, Powered by DALL-E]

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