チルアウトなスープを、どうぞ。
今年もあと少しですね。大きな変化が起こり、その変化に追いつくのに忙しかったせいか、あっという間の2020年でした。
私は家にいる時間が長くなって、音楽を聴く習慣ができました。After shocksという骨伝導のヘッドフォンを買ったので家の中を歩き回りつつ音楽が聴けるようになりました。耳が空いていて生活音は聞こえるのでながら聴きに最高。音楽は好きだけれどこだわりなし。何でも聴きます。
さて、YouTubeのおすすめに「チルアウト」という言葉がよく出てくるのでWikipediaで検索してみたらこんな風に書かれていました。
チルアウト(英語: chill out)は、電子音楽の作曲者により生み出された、比較的陽気でスローテンポなさまざまな形式の音楽を表す包括的な言葉である[1]。発祥は1990年代前中期で、くつろぐことを促す俗語から来ている。
このワードでくくられた音楽は、たしかにゆったりして心地がいいんです。
キッチンでもスープの鍋とチルアウトな音楽は相性が最高。曲を聴きながら鶏のスープを煮込みます。ポコッ、ポコッと沸き立つ鍋を見ていると、海や空、広場で草花がそよぐ様子をのんびり眺めているような癒し。
ああ、音楽聴きながらのんびり料理するの、いいなあ。
そんなふうに思っていたところ、いつも食のトレンドをキレッキレの文章で書いている渥美まいこさんがこんなnoteを投稿していました。
チルアウト消費とか心を落ち着かせることにお金を使う時代などと言われると、マーケットはそこまで進んでいるのかと、あとずさりしてしまいそう。でもやっぱりちょっと落ち着きたいな、心を休めたいなと思っているのは私だけではないんだということが感じられた記事でした。
今年は多くの人にとって物理的にも精神的にも非常に厳しい一年だったことは事実です。そのなかでみんながそれぞれに耐え、頑張ってきました。普段通りと自分では思っていても知らず知らずに肩に力が入っているはずです。(ちょっと肩を回してみて。凝ってない?)
かといって、これまでのように旅行や舞台やエステや温泉など外に出てリラックスすることも難しい。だから家にいながらちょっとだけ心をゆるめてくれる何かを求めているのではないでしょうか。音楽、お笑い、そして食。
家庭の料理はここしばらく、時短・簡単・外注上等という効率重視の方向性にふれていました。でもいま家庭でゆっくり料理をする時間ができ、なおかつそれが束の間の癒しにもなっている人も出てきているような気がするのです。リモートワークならスープやシチューを大鍋一杯に仕込んでキッチンで小さな火にかけたまま放置しておくことぐらいはできるはず。
スープの煮えるかすかな音、匂い。ほかの作業に没頭していて、ふと鍋のスープを思い出してキッチンに立ってゆらゆら揺れる水面をながめる。まさにチルアウト。
今年の頭に私はスロー・クックというテーマを立てていましたが、チルアウトにもたぶん通ずるものがあると感じています。来年は、料理と癒しの関係を少しずつ広げてみたいと思う2020年の年末です。
チルなスープを作りましょう。
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レシピ
鶏とキャベツ、にんじんのポトフ
材料(2人分) 所要時間50分
鶏もも肉 1枚(約350g)
にんじん 中1本
キャベツの葉 3枚ぐらい
塩 小さじ1と1/2
胡椒 少々
(好みで)マスタード
水 1200mL
1.鶏に塩胡椒をする
鶏もも肉をポリ袋に入れ、塩と胡椒を加えてもみこむ。
2.鶏と野菜を煮る
鶏肉を鍋に入れ、1200mLほど水を張って、中火にかける。アクが出たらすくって弱火に落とし、にんじんのヘタを取ってタテ半割にしたものを加えて15分加熱する。その後、大きく切ったキャベツを加えて弱火のまま15~20分煮る。
3.味をととのえ、盛りつける
野菜がやわらかくなったら、塩(分量外)で味を調える。鶏を取り出し、半分に切って野菜と一緒に皿に盛りつけ、好みでマスタードを添える。
詳しい手順はこちら。『3000日以上、毎日スープを作り続けた有賀さんちのがんばらないのにおいしいスープ』にも収録されています。
昨年の記事もどうぞ。。
スープかけごはんも味的にはチルいです。
来年も、どうぞよろしくお願いします。
読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。