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私の読書●小説家志望の読書日記㉒『白鳥とコウモリ』東野圭吾

 東野圭吾の話題作『白鳥とコウモリ』を読了しました。

 うーん、うたい文句はちょっと大げさな気がしましたが(帯のメッセージ・『白夜行』『手紙』ーー新たなる最高傑作。東野版『罪と罰』)、面白く読めました。暴力・アクション・セックスシーンなどはほぼなく、そして、なぜかいい人ばかりです。ただ、ちょっと全体的に中途半端な気がしました。テーマがうまく絡み合ってぞくっとするような光景を見せてくれるような……そういうものを期待しすぎ。つい『白夜行』の作家なのでいやが応でも期待が高まってしまうんです。現代版『罪と罰』なんてキャッチコピーをみたら、ドストエフスキーだって想起するし。

 ともあれ、テーマの中途半端なところは惜しかった。でも、この作家ならではの読み応えのある作品であることに変わりはないです。
 作中の舞台となる門前仲町、私もなじみのある大好きな街です。久しぶりに行ってみたくなりました。もし訪ねたら、『東京文学街歩き』に載せようと思います。


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