私は「添削屋」の観点から普遍性を持つ部分を注意して読みました!
私がこの本に関心を抱き読み始めたきっかけは、もちろん「添削屋」稼業の勉強のためです。
そういう意味では、さすが100冊の文章術から抽出しただけあって、文章の普遍的ともいえるルールが簡潔にまとめられていて便利な本です。
その中でも頻出ランキング1~7位をまとめたPart1は、ほぼどのような種類の・どのような性格の文章にも適用することができるものと言ってよいでしょう。
著者も、「多くの著者が『大切』だと説く7つのノウハウ。文章の目的を問わず、すべての人に必要な基本ルール」だと述べています。
文章には、いうまでもなくいろいろな種類があります。ビジネス文書・ブログ・論文・コラム・エッセイ、そして小説。それらすべてに共通するといえるルールと述べられているわけです。
第1位 文章はシンプルに
それをさらに著者はシンプルに一語で言い表しています。
これは、私は大賛成ですね。同じ言葉、同じような意味の言葉の繰り返しは避けるべきです。また、文脈から当然意味をすんなりとれる言葉は省いた方が絶対にすっきりと読みやすくなります。小説は違うのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は小説も基本原則はこれでよろしいと考えています。
1⃣ 余計な言葉はとにかく削って、簡潔に
実用的な文章において、上記に異論はまったくありません。ぎりぎりまで削った方がよいです。
ただし、余計な言葉を省くのは、小説の文章でも言えることで、しかしその理由はことなるように私は考えます。
小説、あるいはエッセイなどもふくめ、これらの場合は何よりもリズムが大切。ジャーナリストの池上彰さんは実用的な意味で述べていますが、小説などの場合にはリズムは一つの命と言っても差しつかえないと思います。文章が単に伝えるツールを超えてそれ自体に価値を持つからです。
以上、私見を述べてみました。
この中で(6)は少し性格が違いますね。「削りやすい」というより削らないと間違いになる類。
それはさておき、これはあくまで、文章を書いたうえで、『削った方が意味もとりやすくてすっきりするかな?』と考えながら削るべきものですね。
ということをあえていうのは、ワープロ(機能)の使用が一般化して以来、独特の妙な文章が出やすくなっているからなんです(このことについいてはまた場を改めて)。
たとえば「主語」を削るといっても、そもそも「主語」がない文章などもよく見かけるようになりました。
接続詞も減ってきているように感じます。
あくまで、一度書いた文章で、意味の通る範囲で余分なものはないか、という観点で見てくださいね。
以上私見でした。
|2|につづく