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祖母の残した言葉

今月はじめ大好きだった祖母が、次の世界へと旅立ちました。
94歳という年齢でしたが、数ヶ月前まで病気知らずで本当に元気でした、しかし8月くらいから体調を崩し、それからあっという間に旅立ってしまいました。

体調を崩してからは、出来る限り毎週足を運んで顔を見に行っていました。
会うたび、「幸せだ〜」とか「優しい〜」、「かわいいね〜」と言ってくれる祖母。
そんな優しい祖母が残した言葉を記しておきたいと思います。

祖母の生い立ち

少し祖母の生い立ちをご紹介させてください。
祖母は7人兄弟の長女。
1番下の弟とは20歳離れていて、兄弟にとってはお姉さんでもあり、お母さんでもある存在だったそうです。
戦争の時には、兄弟をおんぶして焼夷弾から逃げたこと、自分たちが入るはずだった防空壕が満員で入れず、走って違う防空壕に逃げて、落ち着いた頃に出てみたら、自分たちが入るはずだった防空壕が丸焦げになっていたこと。
そんな大変な時代を生き抜きいた後、結婚した相手は3人目を産んだ後直ぐに病気で他界してしまうという更なる苦労をすることに。
そんな状況でも、女手ひとつで起業し、家を買い、当時珍しかったであろう車を運転しながら、お店の切り盛りをしてきた、頑張り屋という言葉では足りない、苦労や努力を重ねてきた女性。

亡くなる前には、そんな話しも走馬灯のように思い出すのか、よくよく聞かせてもらいました。
祖母の体調が崩れてからは、毎日、毎週親戚の誰かが祖母に会いにきてくれていました。
そんな状況からも、みんなのことを愛し、みんなに愛される人であることが伝わってきます。

残したい言葉

話すことが少し苦しそうな状況でも、私を見ると何か伝えたいという気持ちが強いようで、ポツリポツリと言葉を紡いでくれました。

「名前を残すなんてことは、本当は小さな事なんだよね。そんなことよりも、近くにいる人にどれだけ優しくできるかが大切」
「優しいってことは強いことだよ」

祖母が伝えたかった、この言葉や想いは、私の胸の中にしっかりと残しておきたいと思います。

言葉というのは、言った途端に消えてしまうように思えますが、時に人生の道しるべになったり、相手を勇気づけたり、逆に悲しませたりします。
祖母が歩んできた道のりは平坦な道というよりも、苦難が多く悩んだり落ち込んだりすることもある人生だったと思います。
しかし、そんな中でも周りを想い、愛し、時にぶつかりながらも、自分の力で乗り越えてきた祖母のことを尊敬していますし、そんな祖母と多くの時間を過ごさせてもらったことに感謝しています。
残してもらった言葉にあるように、家庭でも園でも私の注げる愛情や優しさを、少しでも相手に伝わるように届けていきたいと思います。



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