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赤身魚、赤ワイン、真っ赤な嘘。老いて嗜みたい‘赤’は何ですか?(藤村公洋)

ぬ、は肯定か否定か?

早いものでこの連載も今月で半年を迎える。

と、当たり障りない挨拶で始めてみましたが、実を言えば「早いもので」などとは全く考えておりませぬ。

おりませぬ。

語尾のこの「ぬ」ね、これ好きなんですよ。『風と共に去りぬ』や『風立ちぬ』なんてタイトルもすごく好き。とはいってもこの「ぬ」が意味するところが実際のところ肯定なのか否定なのかは今ひとつ理解できていないのですよ。『風と共に〜』のほうは『GONE WITH THE WIND』という原題を頭に浮かべてからようやく「去ってしまった」という肯定の「ぬ」なんだと納得することができるが、『風立ちぬ』に関しては風が立ったのか立たないのか僕的には永遠の謎である。やっぱり肯定の「ぬ」なのかしら。でも、「今日も、風が立たない」という否定のニュアンスも捨てがたい。その辺りのぼかしかたが魅力的なタイトルである所以なんだろう。所以ナシバタハウンドック。なんてことも我慢せずに言ってみる。コホン。


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