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老いて、みんなに知られているのと知られていないの、どっちがいい?(藤村公洋)

ちょっと昔の9月の話

2012年の9月、幸運にして初めての料理本が発売されたとき僕はまるっきりの無職だった。

その年の2月いっぱいで勤めていたレストランが閉店(事業縮小のため)となり、いい機会だからと独立の準備を始めるシェフやイタリアへ料理留学を考えるスタッフがいるなか、僕は自著のための執筆や料理撮影で春と夏を過ごした。

体の不調もあったし、会社都合での退職だったことで失業保険もすぐに貰えた。身の振り方を考えるのは本が出てからでもいいだろうとノンキに構えていたところでひとつの問題が持ち上がったのですよ

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