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老いて、つい小躍りしたくなるのはどんなときですか?(小原信治)

言語化できない感情

 言葉にできない感情が、光と色、音と映像で完璧なまでに表現されていた。記憶の底に眠っていた数多の言葉にできない感情が呼び覚まされた。

 感じたことを言葉にすることすら躊躇われた。言葉は感情を越えられない。陳腐な言葉で綴った感想が作品の足を引っ張るのが怖かった。ラジオで「話したくない」と言った裏にはそんな不安もあった。

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