矛盾の一冊

おはようございます。きょうも書いていきます。

最近、「頭(思考能力)に問題がある」というよりも「心に問題がある」と感じる機会が多くなった。これは頭の問題ではなくて心の問題だな、とかそういった類の感想を持つのである。それで、佐渡島さんのnoteで薦められていた『insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力』という本を読みはじめた。

まずはじめに、僕はこの本が薦められた数週間前、この本は僕には「必要ない」と思っていた。なぜなら僕はストレングスファインダーの1位が「内省」なように、自分について考える機会が他人よりも多い、と思っていたからだ。しかしこの本を手に取ると、まさにそういう「自己評価の高い」人間ほど、必要な本であるということを知らされる。

そもそも自分について「考える」のと、「知る」のには大きな隔たりがあるのだ。まだ冒頭部分しか読んでいないので誤認は避けたいが、自分を「知る」ためには、「自分で考える」自分と「他人が考える」自分を足す必要があると理解している。言われてみれば「主観と客観の話でしょ」とかありきたりに感じるかもしれない。しかし前述の僕のように、恐ろしいほど人は自分を客観的に見ない。見られない。

話を最初に戻す。最近の全般的な課題が「頭」から「心」に移っていることの背景について語るのは別の機会に譲る。ここで述べるのは「心に問題がある」と感じたとき、それは「自分で考える」力に課題があるのか、「他人が考える」自分を知る力に課題があるのかに分けられるということだ。そしてここからが本題であるが、後者の場合にやはり自分での認識は困難である。

本書はその力を後天的に伸ばせる、と述べている。しかしながら、ここには皮肉なパラドックスがある。それは本来必要な人が課題認識を持たず、本書をスルーしてしまうというものだ。(先の例を再度出すまでもない。)この矛盾と本書の存在は戦っている。もしこの記事を読んで「自分には必要なさそうだ」と思ったのなら、それは買いどきかもしれない。

今日も読んでくださってありがとうございました。よい一日をおすごしください。

※一応念のため。


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