国東 薫

能楽写真家です。 シテ方金春流と、狂言方大蔵流をメインに能・狂言の舞台を撮影しています。 奈良などの古都・小京都、中世ヨーロッパ、沖縄でのダイビング、素朴で美味しいもの好き。

国東 薫

能楽写真家です。 シテ方金春流と、狂言方大蔵流をメインに能・狂言の舞台を撮影しています。 奈良などの古都・小京都、中世ヨーロッパ、沖縄でのダイビング、素朴で美味しいもの好き。

    最近の記事

    能「鳥追舟」に見える日本人の価値観 -山井綱雄先生インタビュー-

    2022年7月10日に催されるワキ方下掛宝生流 野口家主催の「華宝会」で能「鳥追舟」のシテ方を演じられる山井綱雄先生に、曲についてのお話を伺いました。 金春流では約30年ぶりに演じられる「鳥追舟」ですが、そのシテを勤めるにあたって、他の曲と違って特別お面白いと思われる点はありますか? 山井:いい意味で日本人の特性がとてもよく出た曲だと思います。 今回はワキ方に日暮殿と左近尉という2人がクローズアップされます。左近尉はヒールと捉えられがちですが、実は彼はあくまで自分の本分

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      • 能「鳥追舟」の装束

        下掛宝生流の野口家主催で令和4年7月10日に催される「華宝会」。今年の能の演目「鳥追舟」のワキ方の装束について、野口能弘さんに解説をいただきました。 左近尉 霞模様の素袍。縦に見ると霞に見える。模様の意味や理由は特にないと思います。決まり装束で、下掛宝生流では「鳥追舟」の左近尉の後シテはこの装束と付ける決まっており、どの家でも同じ模様の装束を使用しています。決まり装束※は宝生家の蔵にあるものから写したり、装束の附集があってそれに着付けなどの詳細が記されています。前シテでは

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        • 2022年華宝会 能「鳥追舟」の鑑賞ポイント

          今年も能の舞台で「ワキ方」という役を専門で演じる流派、下掛宝生流の野口家主催の「華宝会」がこの令和4年7月10日に催されます。今回も野口能弘さんと琢弘さんのご兄弟に、会に先んじて曲への思いや演目の見どころを伺いました。 ー 今年の演目が「鳥追船」に決まった経緯を教えてください。 能弘:昨年まで二曲だったものを一曲に絞ったということもあって、ワキとワキツレではなく兄弟2人が両方ワキをできて、かつあまり自分たちがやったことがないということで「鳥追舟」を選びました。シテ方をどの

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          • 能を見るときもも星を見る時も、何百年も昔の人とその美しさへの感動を共有しているんですね。

            第四回 能「春栄」のみどころ(3)

            今回も引き続き最初の演目である、能「春栄」についての解説です。 「春栄」が演じられる華宝会のオフィシャルサイト・チケットのお申し込みはこちらをご覧ください。 ワキの装束で武将の位を見分ける ー 以前埼玉の料亭 二木屋さんで行ったワークショップで、持っている数珠の房の色で僧侶の位が分かるという話があったのですが、今回の春栄の高橋権頭の装束も知っているとより面白いトリビア的なものがありますか? 能弘さん: 高橋権頭の装束は、梨子打(なしうち)烏帽子*を被ってその上から鉢巻をく

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            第三回 能「春栄」のみどころ(2)

            今回も引き続き最初の演目である、能「春栄」についての解説です。 「春栄」が演じられる華宝会のオフィシャルサイト・チケットのお申し込みはこちらをご覧ください。 ワキの発声の違いで武将の位を表現する 能弘さん: 「春栄」の権頭の装束は直垂上下で梨子打烏帽子を被っているんですが、この姿は基本的に武将の中でも本当に偉い立場の人の役しか着ません。なのでこの装束をつける時は声もハリを出して、若者っぽくならないように貫禄をつける。声の調子からも偉そうだなというのが分かるように出していく

            第二回 能「春栄」のみどころ(1)

            場面転換の鍵としてのワキ方今回のお話は、最初の演目である能「春栄」についての解説です。 「春栄」が演じられる華宝会のオフィシャルサイト・チケットのお申し込みはこちらをご覧ください。 あらすじはこちらからご覧いただけます。 ー能は、物語や和歌、仏教からの引用や秀句を用いた、ミュージカル的な要素が高い曲が多いですが、今回の「春栄」は全編通してシテ・子方・ワキの会話的な部分が多いですね。現代の演劇に近い感じがします。 能弘さん: 会話劇ですね。イメージ的には現代の演劇に近いかも

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            能「春栄(しゅんえい)」のあらすじ

            「春栄」が演じられる華宝会のオフィシャルサイト・チケットのお申し込みはこちらをご覧ください。 あらすじ 作者不詳ですが、世阿弥作であろうと言われています。 登場人物は全て架空の人物です。現在能という、舞台上の現在で生きている男性を演じるため、シテは面を着けません。また、曲名となっている春栄は子方が演じます。 後鳥羽上皇が北条義時を打とうとして起こした承久の乱における宇治橋合戦で、武蔵国の住人、増尾太郎種直(ましおのたろうたねなお)は、左肩に弓を受けて一瞬退いたところ、弟

            第一回 ワキ方主催の「華宝会」と演目

            能楽はユネスコ世界無形文化遺産 認定第一号であり、現存する世界最古の演劇です。最近ではドラマ「俺の家の話」で能楽が舞台として取り上げられ、より多くの人がその伝統的な美しさに興味を持たれたと思います。しかしかねてから「言葉が難しそう」「敷居が高くてなかなか見に行けない」という声が少なくありません。 そこで今回は、能の舞台で「ワキ方」という役を専門で演じる流派、下掛宝生流の野口能弘さんと琢弘さんのご兄弟に、この令和3年7月11日に主催される「華宝会」に先んじて曲への思いや演目の

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