見出し画像

カフェ・ダン・ラ・シャンブレットのお客さまの哲学の先生

国立にあったカフェ・ダン・ラ・シャンブレット。学生時代にアルバイトをしていました。大学通り沿いで、大学の先生らしいお客さまもちらほら。
その一人が関塚さんです。noteでカフェのことを書いていたら、懐かしく思い出されました。
画像は『哲学の誘惑』。講義内容を書籍化したもので、ちょうど出たての一冊をいただきました。サインも書いてもらいました☆
それから『環境倫理学序説』。これも講義ノートが元となったようです。Amazonで見つけて思わずポチってしまいました!

書籍は難しそう(笑) ですが、学生に向けた懇切丁寧な説明とラディカルな切り口が関塚さんらしい、と思います。
哲学の先生だよ、とお店のマスターに教えてもらい、すごく納得しました。少し髪が長めで黒めがねをかけ、留学されていたような風貌でした。いつも本を読んだり、書き物をしたりされていました。
あいさつを交わすようになり、「いつもので」という感じで注文を受けました。テキストは饒舌ですが実際には穏やかで、哲学の先生を地でいっていた方だと思います。

書籍の奥付けやネットの研究者情報を見てみると、カフェにいらしていた頃は法政大や明治大学の非常勤講師をされていたようです。その後は諏訪の大学に長く勤め、おそらく自然に恵まれた環境の中で、地域に根ざした環境倫理学という新しいジャンルに挑戦されたのだと思います。

『環境倫理学序説』の最後は「エピローグ ふるさとの景観」というタイトルで、関塚さんの「ふるさと」が描かれていました。国分寺にお住まいとうかがっていましたが、国立にある中学校に通ったそうで、富士見台団地で大江健三郎の講演を聞きに行ったエピソードなどの中に・・・喫茶店の話が! 少し引用します。

私のふるさとはこの地ではないが、今も喫茶店といえば国立市で、春は桜、秋は銀杏と、大学通りの並木を懐にかかえたこの町の景観は、私の青春時代を彩る記憶と色濃くむすびついて、最も親しみのあるものとなっている。「第二のふるさと」といえよう。

関塚正嗣(2005)『環境倫理学序説』DTP出版、151頁

国立の喫茶店をこのように語ってくださること、なんだかうれしいです!
ネットで見ると、国分寺の公民館のサークルでずっと油絵を描かれていたようです(国分寺や国立は、公民館の活動が盛んです)。もう諏訪のお仕事はリタイアされ、国分寺に戻られて哲学や油絵、また地域の散策などなどで、ゆったりと充実した日々を過ごされているのではないでしょうか。
国立にはシャンブレットも、私の実家も無くなってしまいましたが、いつか国立で、桜や銀杏がきれいな季節にお目にかかりたいなと思います。

最後に関塚さんの著書を二冊分、Amazonの情報を載せます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?