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手紙14

以前友人と話していたとき、「もし人生をやり直せるなら、どの時点に戻りたいか?」という話になった。
私は全然思い付かず、「生まれたとき」と答えた。


私の人生が、しくじりや後悔がないわけではない。
「あのとき行動していれば…」「あのとき別の道を選んでいれば…」と思うことは、たくさんある。
でも、戻って『やり直したい』がない。(これは戻ってやり直したいと思っている人を馬鹿にしている訳ではない)


戻ってやり直したいところがあまりに多すぎて選べないのかと思った。
たとえ記憶があって戻れたとしても、私はきっと同じような選択をして、今とあまり変わらない人生になっていると思う。
あぁ、そうか、私は同じ結果しか導き出せない馬鹿なのか…と失望していた。


でも、自分を好きになった今では、全然違うと思った。


私は、そのときの気持ちにちゃんと向き合って、そのときの自分にとってベストな選択をしてきたのだ。
そうなったことへの後悔はあるけれど、それを選択したことに後悔はない。
自分のことが大嫌いだったけれど、ちゃんと考えて、大切に選択してきてくれた。
だから今の私がいる。


そう思ったら、視点を変えると、過去も変えることができると思った。
起こったことは変わらないし、そのときの感情は変わらないけれど、解釈は変えることができるのではないかと思った。


最近「あのときの私は思いつかなかったけれど、今の私ならこんな考え方ができるな」と思うようになった。
「今」を意識することが多くなってきたように思う。
今までの私は、過去と未来にばかり目を向けていて、今が全然目に入っていなかったのだと思う。

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