見出し画像

手紙18 最後に

最後に。


いろいろなことを書いてきたけれど、一番大切なのは『今の自分を受け入れること』だ。


自分を変えるためには、まずこれから始めなければ!と直感したものの、なかなかできない。
できないどころか、自分が思ったよりも、自分のことが憎くて大嫌いであることに気がついて、心底驚いた。


こんなに大嫌いな自分をどうやったら受け入れられるのか?
思いのほか大嫌いと思っている自分に気がついたとき、更に気がついたことがあった。


こんなにも自分が憎くて嫌いなのに、私の体は息を吸って、吐いてを繰り返している。
自分が「呼吸をしなければ」とずっと考えてしていることではない。
そう考えていなくても、無意識で体が呼吸してくれている。
寝ている間も、絶え間なく呼吸をしてくれていて、目覚めることができる。
頭では、絶えず情報を処理し、考えている。
ご飯を食べたら、消化して栄養を吸収し、不要なものを排泄している。
このほかにも体がいろいろな働きをしてくれていて、今の私が生きている。

いくら自分のことが憎くても嫌いでも、体は一生懸命生きようとしてくれている。
そう思えたとき、今まで自分が追い求めてきた『理想の自分』がわからなくなった。
「こうなりたい」「ああなりたい」と思ってきたけれど、何のためなのか?誰のためなのか?


よくわからなくなったけれど、ひとつだけ確信できた。
自分がどう思おうが、他人がどう思おうが、年齢も性別も関係ない。
私の体はここまでよく頑張ってくれて、今も絶えず頑張っている。
こんなに頑張っている体を、私は理想の自分じゃないからと拒否していた。
拒否していたのに、それでも頑張り続けている。


健気に頑張っている奴がすぐそばにいた。近すぎて見えていなかった。
「こんなに健気に頑張っている奴、他にどこにいる?!」
そう思った瞬間、めちゃくちゃ愛おしく思えた。
『愛おしい』って気持ちを初めて理解したような、そんな気分だった。


それから、少しずつ今の自分を受け入れられるようになってきた。
何歳までにしなきゃいけないと期限があることでも、優劣がつくことでもない。
必要だと思ったら、ゆっくりじっくり自分のペースでやればいいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?