スサノオとアマテラス、その子供たち

アマテラスはなぜスサノオを戦闘態勢で迎えたのか



スサノオとアマテラスの話には意味不明な、スッと入ってこない引っかかりのある箇所がある。

スサノオが、死んだ母に会いたいと言っていつまでも泣き暮らし、業を煮やしたイザナギによって葦原中国を追放され「根の堅洲国」行きを命じられる。その前に、アマテラスに会おうと訪ねると、世の中がどよめいたので、アマテラスはスサノオが攻めてきたと読んで戦闘態勢に入る。
最後は誓(うけい)によって決着をつけるわけだが、勝敗は実際うやむやになっている、、、、


これをどう読むか。


アマテラスは、弟が訪ねてくるのに戦争準備して迎え撃つ覚悟だが、「自分の国を奪いに来たのではないか」と疑いを持つ時点でそこはかとない敵対感があるのはなぜか。

要するにスサノオは白山王朝側の存在だってことを暗示しているのでは?


ちなみにスサノオは「速須佐之男命」。「速」は饒速日の「速」。

そもそもアマテラスとスサノオは兄妹なんかではなく、それぞれ出自の違う存在で敵対関係にあり、それを友好関係(同盟関係)にするための「何か」があったことが「うけい」として表現されたのでは?
(通常、うけいであれば勝敗ルールがあらかじめ設定されるべきだが、ここではそれがなく、「子供が生まれた」という結果のみを我々は知ることになる)


敵対勢力の「婚姻」によって生まれた神の示唆

アマテラス:スサノオの「十握剣」を飲み、出てきた息が「三女神」

スサノオ:アマテラスの「玉」を飲み、出てきたのが「五男神」

そして、それぞれが天あめの安やすの河かわを挟んでうけいをする時に、天照大御神が、まず建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)の佩いている十拳剣を乞い受け、それを三つに打ち折り、玉の緒がゆらゆら揺れて音を立てるほどに、天の真名井の水に振りすすいで、噛みに噛み砕き、吐き出した息吹の霧に成った神の御名は、多紀理毘売命たきりびめのみこと。またの御名は奥津島比売命おきつしまひめのみことという。次に市寸島上比売命いつきしまひめのみこと、またの御名は狭依毘売命さよりびめのみことという。次に多岐都比売命たきつひめのみこと。

https://kojiki.ys-ray.com/1_5_4_ukehi_2.html

三女神=宗像三女神
・多紀理毘売命(たきりびめ)=奥津島比売命(おきつしまひめ)
・市寸島上比売命(いつきしまひめ)=狭依毘売命(さよりびめ)
・多岐都比売命(たきつひめ)


速須佐之男命が、天照大御神の左の御みずらに巻き付けていた八尺の勾玉をたくさん長い緒に通して作った玉飾りを乞い受け、玉の緒がゆらゆら揺れて音を立てるほどに、天の真名井の水に振りすすいで、噛みに噛み砕き、吐き出した息吹の霧に成った神の御名は、正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命まさかあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと。
 また、右の御みずらに巻き付けていた珠を乞い受け、噛みに噛み砕き、吐き出した息吹の霧に成った神の御名は、天之菩卑能命あめのほひのみこと。
 また、御かずらに巻き付けていた珠を乞い受け、噛みに噛み砕き、吐き出した息吹の霧に成った神の御名は、天津日子根命あまつひこねのみこと。
 また、左の御手に巻き付けていた珠を乞い受け、噛みに噛み砕き、吐き出した息吹の霧に成った神の御名は、活津日子根命いくつひこねのみこと。
 また、右の御手に巻き付けていた珠を乞い受け、噛みに噛み砕き、吐き出した息吹の霧に成った神の御名は、熊野久須毘命くまのくすびのみこと。合わせて五柱。

https://kojiki.ys-ray.com/1_5_4_ukehi_2.html


五王子
・勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(まさかあかつかちはやひあめのおしほみみ)
・天之菩卑能命(あめのほひ)
・天津日子根命(あまつひこね)
・活津日子根命(いくつひこね)
・熊野久須毘命(くまのくすび)

→ 合計8人。この8人が「八王子」。

現在の「彦根市」は、ここから来ているのかな。あのあたりが本拠地だったとか?


蛇足だが、根の堅洲国を「黄泉の国」と解釈する向きがあるが、両者は違うもののはず。

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