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オンラインでの人物取材で、新たな試みをしつつ執筆してみた 

(京都ライター塾 第4期アドバンスコース受講レポート  第4回 原稿フィードバック)

今回の講座で学んだこと、気づいたことを、まとめてみる。



知っている人(仲間内など)に
インタビューするときの注意点

今回の課題は、受講生が媒体を選び、その読者をターゲットに、講師である江角悠子さんにインタビューをして、原稿を執筆するものである。

わたしたち受講生は、江角さんと何度も言葉を交わし、その仕事ぶりや人柄をある程度、把握している。
だからこそ、読者目線に立つ客観性を忘れずに、書かなければならない。
例えば「お手紙チャネリング」というワード。この言葉は、江角さんの造語である。しかし江角さんのことを知るうちに、一般的にも通用する言葉のように、考え違いをしてしまう場合があった。わたしも含めて、文中でその言葉の説明が不足になりがちであった。
掲載を考える媒体の読者の立場を忘れずに、執筆をすること。それを改めて、肝に銘じなければならない。

新しい構成にチャレンジして
執筆した結果の検証

わたしのライター講座の受講目的のひとつは、トライアルアンドエラーをすることである。仕事では、実験的なことに挑戦してみたくても、できない場合も多い(わたしはファシリテーターという立場で働くことが多いので、挑戦できる自由度は高いほうだとは思うが)。

ライター塾では、学ぶ立場にある。この機会を逃してなるものかという、厚顔なオバちゃん精神でいくと、わたしは決めている。
そこで、以下のことにチャレンジしてみた。

「インタビュー記事を、耳に届いた言葉だけで構成しない」

具体的には
①  江角さんから感じ取った、その身体的な動きの印象も含めて書く。オンライン取材時の動画をチェックして、自分の言動と比較して感じたことを、わたしの失敗談を通してまとめる
②  江角さんを取材した過去の記事や江角さんのブログの内容を頭に入れて、新しい江角さんの側面を見つけ、その考察で記事を締める

①に関しては、まずまず伝わる描写ができたようで、ホッとした。

②に関しては、江角さんから「新しい気づきがあった」という嬉しい言葉をいただいた。そこにはセンシティブな内容も含んでいたので、わたしなりに一生懸命に言葉を探したから、殊の外、江角さんのコメントに安堵した。
しかし「読者にとって記事のゴールはここでいいのか」という点で、再考を求められた。この考察をゴールにするには、記事の前半部分で、その伏線のようなものを敷いておかないといけないと…難度が高いなぁ。

自分を題材して、インタビューの
講義をする、江角さんの覚悟に応える

記事を執筆中に、気づいたことがある。

「わたしなら自分を題材にして、好きなテーマでインタビューして、記事を作成してください、なんて言えない」と。

講師である自分を取材対象にすることで、インタビュイーである時も記事の添削時でも、より取材原稿を完成させるときの重要ポイントを、受講生に伝えやすいと思う。

しかしその取材に関してのテーマや質問には、制限がないのである。聞かれたくないこと、話したくないこともあるだろう。実際にわたしの場合は「江角さん、ここまで語っていただいて大丈夫なの?」という場面もあった。

何よりも受講生を信頼していること、取材や執筆のリアルを受講生に伝えたいという意図があること、これらの覚悟がなければ、身を挺して取材を受けることは不可能だと悟った。

だから江角さんの心意気に対して、中途半端な記事は書けないと思った。そこで「江角さんを取材した過去の記事や江角さんのブログの内容を頭に入れて、新しい江角さんの側面を見つけ、その考察で記事を締める」という、自分へのミッションを勝手に設けた。

おかげで記事を書き終えると、心身ともに疲労困憊になった。けれども、ここまでの気持ちになって執筆をし、江角さんからその記事に対して、嬉しいコメントをもらったときは、清々しい気持ちになれた。

オンラインでの人物インタビュー
その初挑戦を終えての考察

わたしはこれまで何人の方に、インタビューをして記事を書いたのかな? 社内報や情報紙の編集を担当していたときから考えると、30人ぐらい? それとも50人ぐらい? 

数えたことがないので、よくわからないが、簡単なコメントをもらうだけなら、電話で取材したこともある。しかしガッツリとその人柄に迫るような人物インタビューでは、リアルで会って話を聴いて、そこから記事を作成する経験しかないのである。

だからインタビューは、オンラインでと指示があった時から、不安が募っていた(受講生の居住地は全国に散らばっているので、当然のことであるが)。

初めて今回、オンラインインタビューをしてみて、気づいたことがある。

わたしは聞き取った言葉だけでなく、それを話すときの相手の仕草や表情の変化などを通じて、その人がまとっている空気感のようなものも頼りにして、原稿を作成する言葉を探しているのだと。

令和の今、それはアナログすぎる手法なのかもしれない。またオンラインだからこそ、可能になる取材もあるだろう。遠方の人であっても、何らかの理由で外出できない人とも、オンラインならインタビューができる。交通費も要らないから、コスト削減にもなる。
文明の利器は、使いこなさなくてはならない。
しかし、である。

わたしは高校生のときの部活で、武道のなぎなたに熱中していた。なぎなたの切先で、相手との間合いをはかりながら、対峙するときのヒリヒリする緊張感。そこから伝わるのは、言葉より雄弁なお互いのコンディションである。

インタビューは、武道の試合ではないのだから、もちろん勝ち負けなどは関係ない。そうであっても、インタビューの部屋に相手が入ってくるときの言動や身体全体から醸し出される雰囲気なども感じながら取材がしたいと、切に思ってしまった。

今回のインタビューの場合は、オンライン上だけではあるが、何度も会ったことがある江角さんであったし、そのエッセイやコラムからでも、人柄を見つける素材がたくさんあった。だから、なんとか記事にできた。

しかしわたしは、パソコン越しの顔やバストアップだけの画面では、情報不足なのである。
初対面の人には、オンラインインタビューをする自信がない、というのが正直なところだ。


以下が江角悠子さんのインタビュー記事です。

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