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60回の観劇

昔からブロードウェイ系は好きだった。元カレとも、仲良しの友だちとも行ける時は通ったし、夫と会ったのもSFのジャージーボーイズの時だった。でも国内の舞台にはまったく興味を持てなかった。

たぶん始まりは2022年11月に興味本位で芸術劇場にある劇団の解散公演を見に行ったことだと思う。すべてが知らない世界すぎて(作品内容も含め)ショックが大きかった。それ以来、名前を覚えた役者さんたちを中心に舞台を見始めた。

ボンジョビやモトリー以外、芸能関連に興味を持ったことがなかったから、いろんなことが新しくておもしろい。そういえばテレビのドラマもちゃんと見ない人だから、これまでの長い人生、本当に役者さんたちを知らずに生きてきたんだな。

たぶん、長い長い間、いかに人間の感情がはいらないサービスを効率よく作るかを重要事項とした仕事をしてきたから、いかに毎回毎回感情移入して観客の感情を揺さぶるかを重要視している仕事に対しておもしろく感じている気がする。毎回生の人間が人間の前で全力で演じることって、ネットの上の情報を効率良く人間の感情を排除したアルゴリズムで表示することの反対側にいるように感じる。

だから、役に入り切って毎回全力で演じている役者さんに出会うと何度も観たくなってしまう。友だちに「推しでもないのにそんなに行くの?」と言われたことがあるくらい、たぶん「役」を全力で楽しんでいる役者さんへの最大級の敬意として、なにを伝えようとしているのかをちゃんと受け止めたくて、その想いを観たさに何度も通ってしまう。自分でもわからないけど、これはきっと敬意なんだと思う。

その証拠(?)に、自分で推しと思っている役者さんたちでも、パーイベ(この言葉は今年習った)とかカレイベ(同前)にはあまり興味がない。かっこいいとかかわいいという感情がないわけではないけど、「役」をしている彼らをプロとしてかっこいいと思っているのだと思う。まぁ、あと20才若ければ違うんだと思うけど!

今年、配信バージョンも入れたら60回以上舞台を観たと思う。「推し」俳優さんのために全公演通うお嬢さんたちとくらべたらまだまだだけど、1年前までは国内作品を観なかった人としてはなかなかな1年目だと言えるのでは?

若い役者さんたちが作品毎にどんどん成長しているのを保護者みたいな気持ちで観てきた1年でもあった。どの役者さんがどんなふうに成長するのかを見るのは楽しい。某Jグループの若い子たちに興味があるおばさまたちの意図がわからなかったけど、きっとこういうことなのね。

2023年、たくさんのおもしろい(笑えるっていう意味だけではなく)作品を観せてくださった舞台関係の皆さま、どうもありがとうございました。

来年もおもしろい作品に出会えますように。