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思い込みのイタリア食事情 外食1

シチリア島の州都、パレルモからの発信。

自粛生活43日目です。 

毎日昼、夜と食事の用意をし、2人だからあっという間に終わってしまう。あっけなく終わってしまう。

漠然とそんな事を考えていたら、ふと頭に浮かんだ事が。

一般に日本では、「イタリア人の食事は長い」と思われている事。 あっ、フランスもそうですね、食事に2時間も3時間もかけるとか。 それ、ある意味正解、ある意味勘違い、です。

私達は子供がいないので、お子さんがいらっしゃる家族の事は分かりませんが、家での食事にかける時間は長くないです。 いや結構短い。 我が家は15分で終わります。 日本の食卓事情はよく覚えていないのですが、同じくらいかしら? 

長いのは外食時? 勿論外食は家で食べるより長くなりますよ、だけど日本と比べてどうなのか?

フランス料理、イタリア料理は正式にはコースで出されるので、途中で「もういいや、お腹も一杯だし」と思っても席を立つわけにはいきません。  それを苦痛に思うのは、確かにねって感じ。 だけれど個人的に旅行で訪れた場合、毎回コース料理を食べるわけでもないと思うので、そんなに長い時間を必要としないのでは?

それと、食事の時間が遅いという事。 イタリアに関して言えばそれは正解。 日本より確実に遅いです。

私はフィレンツェとシチリアにしか住んだ事がないのでイタリアでも他の町の事は分かりませんが、その2つの町でも時間帯にズレがあります。   簡単に言うと、南下するほど遅くなる〜。 シチリアに関して言えばランチは1時半頃、そしてランチが遅い分夕食もスライド的に遅くなり8時半頃。家によってはランチが2時以降というところもあります。 我が家は夕食をあまり遅い時間にしたくないので、1時にはランチをするようにしていますが、夕食はやっぱり8時前にはあり得ない。              どうしてなんだろうか? 7時半頃「やる事ないし、お腹も空いてきたから食べようか?」と言っても、相方に「早くね?」と言われてしまう(笑)。

外食の場合、友達との待ち合わせが大抵8時半、従って食べ始めは早くても9時になります。 確かに遅い。 

だけどね、普通は11時前には終了するんですよ。 だから会ってから終了までたったの2時間半なんです。

日本はどうかというと、夕方6時頃待ち合わせをし、場所を変えながら終了が終電間際などという事が日常茶飯事。 それを思えば日本の外食の方がよっぽど時間をかけていると思うのです。

それは場所を変えて飲み直すから・・・という声が聞こえてきそうですが、「飲み直す」場合も必ず何か食べる物を頼むでしょう?         それってイタリアにはないこと。 というよりも、そもそも場所を変えて飲み直すという事がないのです。                    夏場のシチリアだったら、「ドルチェは別の場所で」、「あそこの美味しいジェラート屋さんへ行きましょう」というのはありだけど、文字通りドルチェの為に移動するわけであって、それ以外の物をオーダーする事はあり得ない。 そしてそこではまずお酒も飲まない。 ジェラートを食べながらダラダラお喋りが続く事は有りだけど、それはもう食事時間にカウントされない時間。 因みに冬場はこの「ドルチェは場所を変えて」というのはないです、一軒で終わります。

以上を考えると、日本の方がよっぽど外食時の時間が長いと思う。    

帰国して友人との会食の時、早い時間に集まって、食べて飲んで喋って場所を変える。 そこで又食べ物をオーダーされても私は食べられない・・・(笑)。  私の中では最初のお店で満腹になっているので、それ以上食べたいとも食べようとも思えないのです。 皆んなが注文した物をみながら、飲むに専念。日本人の方が長時間食べてる〜。

どうしてイタリアやフランスの食事は長いという意識が植え込まれてしまったのでしょうかね? その辺は謎でありますが、確かに私も昔はそう思っていた事がありましたっけ。 日本にいた頃某航空会社の乗務員をしていたので、20代はあちこち飛び回っていましたが、そして食事の時間が長くなるのは単に自分達が望んでそうなっているだけだったにも関わらず、です。  そう思い込んでいましたねぇ。

人間の思い込みって結構長引く、面白い。


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