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イタリアに冷製パスタは存在しない

シチリア島の州都、パレルモからの発信。

皆様ボンジョルノ。

最近日本も暖かくなってきたからか、あちこちで「冷製カッペリーニ」の画像を目にしました。 結構皆さんお好きなようですが、実は私は食べたことがありません。 私が日本にいた頃、全く流行っていなかった。 カッペリーニ自体が日本に入っていなかったかも?

いつ誰が作り始めたのか検索しても、分からなかった・・・。      でもいつの間にかこんなに広がっているのですね。

結論から言うと、「イタリアには冷製パスタは存在しない」。      だからこれは日本人の発明だと思われる。 素麺やお蕎麦感覚なのでしょう。 

イタリアには「パスタサラダ」があるけれど、これは日本の「冷製」とは全くの別物。 茹でたパスタを冷水で〆るという工程がない。 これはイタリア人にしてみたら有り得ないことらしいです(笑)。 パスタサラダは茹でたパスタを(大抵)常温の具と混ぜるだけ。 その後わざわざ冷やすことも稀で、常温で食べるのが普通。 

イタリア人にこの「冷製カッペリーニ」の話をすると、結構驚かれるのです。 随分前に相方に「作ってみようか?」と聞いたら、「いや、別に作らなくて良いよ」と。 通訳すると「食べたくない」ってことです。

どうも彼らには「パスタは温かくなくてはいけない」と言う思いがあるらしい。 パスタサラダは別で、それは許せるらしいけど。 つまり、茹でた麺を水で〆るという行為が許せないらしい。 

というわけで、私は食べた事も作った事もないわけです。 帰国した時に食べれば?と思うかもしれませんが、帰国時に冷製の麺を食べるとしたら、日本蕎麦か素麺に優先権がある為、わざわざそれを食べようという気にならないのです。 基本的に帰国中はイタリア料理を避けているので、パスタでお腹を膨らませたくないし。 だから食べない。

因みに私の相方、日本のお蕎麦やさんでは夏でも暖かい物を選びます。  人様にご招待を頂いて、お蕎麦やさんのコースだったりすると最後にざる蕎麦が出てくる事もあり、そういう時には我儘言わないでちゃんと食べていますが、こっそりと「温かいつゆ入りの蕎麦と変えられるか?」と、耳打ちされる事もあり。 やっぱり冷たい麺に馴染みがないみたいですね。

次の帰国時、機会があったら食べてみようかしら? でもやっぱりトロロ蕎麦に片向くだろうなぁ。 

それにしても外来物を日本風に、日本人の好みに合わせてアレンジする力、凄いと思います。 日本は食に関するボーダーラインが低く、何でも受け入れて自由自在に変化させている。 そもそも日本の洋食がそうですからね。

偉いぞ日本!


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