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MATRYOSHKA
空中を見つめて去っていく背中に
バラの花びらが落ちた瞬間
時計のネジから指を離した
一気に回転する
針に合わせて
時が流れ始める
バラの花は一瞬で枯れ
町中の音が一瞬でハウリングし
耳の中ではじける
トンネルの向こうから
巨大な貨物列車がやってくる
ガタコトガタコト
ガタコトガタコトと
鳴り響く音が小さな時空の穴に
吸い込まれていく
金色の時計の中には
飴玉のような
小さなビーズの粒が
埋め込まれている
落下していく飛行船の窓から
見た全ての事なのだと
彼女は話し部屋を出て行った
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