色鮮やかで魅力あふれるマティス展に行ってきました!
こんにちは。
美術館巡りが好きなかおりです。
今回は東京都美術館で開催中のマティス展に行ってきました。
マティス(1869-1954)といえば、フォービズムの代表的な画家。野獣派とも訳される画風は、これまでの対象を忠実に写しとる絵画とは一線を画し、荒々しいタッチで大胆にデフォルメしたかたち、鮮やかな色彩で描く。《緑のすじのあるマティス夫人像》が有名。
この人に肖像画は頼みたくないなあ。(失礼)
そんな乏しい知識で挑んだマティス展でしたが、カラフルで単純化された複合的な視点をもった多彩な作品たちに圧倒されるとともに、その生き方に強く惹かれました。
まずは《読書する女性》から
最初に登場して惹かれたのが《読書する女性》という作品です。
散々迷った末、ポストカードを買ってこなかったので画像がなくて申し訳ない。展覧会公式サイトをチェックしてください。
落ち着いたトーンの色調に、丁寧な塗り込み。
静かな室内で読書する女性。
この静かな感じ、私は好きです。
ハンマースホイ感ありますよね。
展覧会の解説では「コローのよう」と評されていました。確かに。
逆にいうと、マティスの鮮やかな感じはしません。
なので、すごく意外な1枚でした。
その後、ガラリと作風が変わります。
これ以降は「色彩の魔術師」の本領発揮ともいうべき、あざやかな色彩の世界が広がります。
思わず目を奪われる鮮やかな色彩
チラシにも使われた作品、《赤の大きな室内》です。
鮮やかな赤が印象的ですよね。
マティスといえばこの赤な気がします。
室内に飾られた絵がデザイン的です。
豊かに描き出される室内
単調になりがちな室内も、「色彩の魔術師」の手に掛かればとたんに魅力的な情景に様変わりします。
布の折り返し、それぞれ色や形のちがう果物、コップに入った水が写すさま、柱や戸棚は単純な直線と思わせつつも、少し開いた戸棚の扉、その色彩と光が描き出す豊かな世界。
日常の風景がマティスの手にかかればとたんに幸福な場所になります。
魅力的な女性たち
本展覧会でもたくさんの人物が描かれていましたが、中でも女性の絵が多く、そしてとても魅力的でした。
窓の外に広がる真っ青な空、室内の鮮やかな調度、花。そこにゆったりと椅子に寄りかかる真っ白なワンピース姿の女性。
オリエンタルな雰囲気のただよう室内で、レースのショールを引っ掛けながら、上半身はあらわに、下半身はゆったりとした赤いキュロットに身を包んだ姿でくつろぐオダリスク。
ゆったりとまどろむこの女性はどんな夢を見ているのでしょうか。
切り絵で際立つ色彩と線
そして晩年には「切り絵」の手法に到達します。
切り絵によって、「切る」ことで線を描きだし、マティスの色彩はより研ぎ澄まされました。
全てが統合された作品が、ヴァンスの「ロザリオ礼拝堂」です。
まさに集大成。
展覧会の最後には、このロザリオ礼拝堂の1日を撮影した映像を見ることができます。
マティスの絵、彫刻、切り絵。色と光にあふれた空間を、ぜひ会場で見てみてください。
晩年まで衰えない精力的な創作姿勢
圧倒されるのは作品の色彩だけではありません。
晩年までさまざまな創作と挑戦を繰り返すマティスの衰えない創作意欲に、見ているこちらも力をもらいます。
マティスは、法律事務所の書記として働いていましたが、1889年に入院中の退屈凌ぎに母から画材を贈られたことがきっかけで、画家に転向します。20歳のときのことです。
その後、1896年にはサロンに出品した作品のひとつが国家買上げになるまでに評価されます。その間、7年。まさに天才。
そんな彼ですが、一番の才能はそこにあぐらをかかない尽きぬ創作意欲、探究心だと思います。
彫刻作品もあり、本展でも展示されていましたが、彫刻は絵を描くための試行錯誤のひとつのようにもみえました。それほど彼の絵への探究心を強く感じました。
マティスが切り絵を始めたのは70歳頃といわれており、ヴァンスの「ロザリオ礼拝堂」に携わったのは、1950年頃、マティスが80歳頃のときです。
いつまでも衰えない創作意欲。
そんな情熱と挑戦する気持ちを私自身も持ち続けたいと思った展覧会でした。
鮮やかに創作意欲を持ち続けよう
鮮やかで豊かなマティスの世界。
その源にある尽きぬ情熱と創作意欲、探究心。
見る人の心に火を灯す展覧会でした。
閉幕まであと1ヶ月ほど。
ぜひ足を運んでみてください!
おまけ:マティスの精神を日常に
というわけで、本展限定のミュージアムグッズもいくつかゲットしてきました!
日常的に使って、マティスの創造性にあやかりたいと思います^^
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